この罰則は、反則を行ったチームにとって実質的に1点を失点するに等しい効果を持つ。また、ペナルティエリア内で反則を犯した選手には警告・退場が宣告されることも多い。サッカーは一般に得点の入りにくい競技であり、ある1つのプレーがペナルティーキック相当の反則であると判断されるか、それとも反則でない(攻撃側のシミュレーションも含む)と判断されるかが、しばしばその試合の結果そのものを左右することにもなる。
実際、2006 FIFAワールドカップの予選、ウズベキスタンvsバーレーン代表の試合において、ペナルティーキックのルールに関する適用ミスという誤審があり、この試合はサッカーとしては異例な再試合が行われ、また、主審を務めていた吉田寿光は国際審判の資格停止処分(無期限)を受けている。このような大問題となったケースだけでなく、ペナルティーキックか否か(ペナルティーエリアの中での反則行為か否か、反則行為の有無、など)、ペナルティーキックに際してのプレイヤーの規則違反の有無などのペナルティーキックに関わる判定に対し、批判的な意見が出ることも決して少なくない。
トリック
キック
チップキック
一般にはパスやループシュートで用いられるキックだが、チェコスロバキア代表のアントニーン・パネンカがUEFA欧州選手権1976決勝で成功させて以降、PKにおいても試みられるようになった。パネンカあるいはクッキアイオとも呼ばれる。
ノーステップ
ペナルティースポットのすぐそばに立ち、助走なしでゴールに向かって蹴る。ブラジル代表のソクラテス、イタリア代表のジュゼッペ・シニョーリが代表的な使い手。
コロコロPK
日本代表の遠藤保仁の代名詞的なキックで、ゆっくりとした助走から蹴る直前までキーパーの動きを見極めゴロのシュートを決めるというもの[3]。 助走の段階でのスピードの強弱などのフェイントは認められているが、助走が終わったあと、つまりキックフェイントなどは認められていない。2008年ごろブラジルのリーグでキックフェイントが認められていたことから、曖昧な解釈のまま一時認められていたが、2010年のW杯前のルール改正時に厳格化され禁止となった[4]。 "助走が終わった"とは、すなわちキックが可能になる距離までキッカーが進んだことを意味するため、キックできるところに到達していなければフェイントに類する行為をしても反則にはならない。 タップ・ペナルティ(英: tap penalty)あるいは2人PK(英: two-man penalty)とは、2人のキッカーが連動して行うPKである。一人目のキッカーが前方にボールを軽く蹴り(タップ)、もう一人が後方から走りこんでシュートする。ルール上、キッカーが前方にボールを蹴ってインプレーとなるまで、もう一人はペナルティーマークから10ヤード以上離れた地点にいなければならない。 古くから行われていたプレーだが、1982年アヤックス・アムステルダムのヨハン・クライフとイェスパー・オルセンが成功したことで有名になった[5]。近年では、2005年にアーセナルFCのティエリ・アンリとロベール・ピレス[5](失敗)、2010年にサンフレッチェ広島の佐藤寿人と槙野智章[6](成功)、2016年にFCバルセロナのリオネル・メッシとルイス・スアレス(成功)が試している。 ペナルティーマークにボールを置く選手とキッカーが別であってもよいが、キッカーは明確に特定されなければならない。2010年、サンフレッチェ広島の槙野智章がボールを置きゴールに対して背を向けてペナルティーアークの外に出て、他方から走り込んできた佐藤寿人がシュートし得点が認められたが、後日Jリーグは競技規則の適用ミスがあったと認めた[7]。キッカーが特定され、かつ特定されたキッカーではなくその味方競技者がキックを行った場合、主審はキックを行った競技者を警告したうえで、守備側の間接フリーキックでプレーを再開する。本キックが物議を醸した後、同年のACLグループステージ最終節にて、佐藤と槙野はルールに則ったキックを成功させた。
フェイント
2人PK
タップ
注意点
出典[脚注の使い方]^ a b c サッカーのPK、なぜ入らない?
^ a b JリーグでもW杯でも大差なし サッカーPKの成功率は何%?
^ 遠藤の“コロコロPK”W杯では反則に? Sponichi Annex 2010年05月20日
^ “PKける直前のフェイントは警告対象…W杯から”. 読売新聞 (2010年5月19日). 2010年11月17日閲覧。
^ a b “ ⇒Who took the first two-man penalty?”. ガーディアン (2005年10月26日). 2010年11月17日閲覧。
^ “ ⇒広島が意地星“トリックPK”で決勝点”. デイリースポーツ (2010年4月27日). 2010年11月17日閲覧。
^ “ ⇒3月6日(土)サンフレッチェ広島対清水エスパルス戦における判定について”. Jリーグ (2010年3月10日). 2016年10月13日閲覧。
関連項目
PK戦
フットサル
外部リンク
サッカー競技規則 - 日本サッカー協会