貨物船13隻とタンカー1隻の合計14隻からなる船団がイギリスからジブラルタルを経由して地中海を東進し、マルタへ向かった[2]。船団には戦艦ネルソン、ロドニー、空母ヴィクトリアス、インドミタブル、イーグル以下多数の艦艇で構成されるH部隊の所属艦艇が付随した。あわせて中東方面での陽動出撃も計画された。また、空母フューリアスによりスピットファイア戦闘機部隊を発進させ[19]、マルタ島へ航空兵力を増援するベローズ作戦 (Operation Bellows) も同時に実施された。
ジブラルタル経由の連合軍輸送計画はすぐさま枢軸国側の察知するところとなり、ドイツ国防軍とイタリア軍を中心とした枢軸国軍との間で8月11日より激戦が展開された[20][21]。枢軸側は航空攻撃、潜水艦攻撃、魚雷艇攻撃、水上艦隊の出撃で連合軍輸送船団の撃滅を試みる[22]。連合軍側の戦艦や空母を含む護衛艦艦隊(司令長官サイフレット中将)はボン岬で引き返したので、弱体化した連合軍輸送船団(護衛部隊指揮官バロー少将)は8月12日以降の夜戦や航空戦で大損害を受けた[23]。しかしイタリア王立海軍の水上艦隊は枢軸軍空軍の掩護を受けられないため反転退避し[24]、連合軍潜水艦によって大損害を受ける[25]。さらにマルタを拠点とするスピットファイアの活躍でドイツ空軍やイタリア王立空軍も連合軍輸送船団にとどめをさせなかった[26]。8月13日から15日にかけて連合軍輸送船団はマルタに到着し、物資と燃料を補給した[26]。
本作戦の成功と連合軍の勝利により、マルタは急速に立ち直った[27]。枢軸側の空挺部隊によるマルタ攻略作戦も中止されていた[28]。北アフリカの枢軸国軍に対する補給路は相変わらず連合軍の妨害を受け続け[29]、不安定な補給と物資および燃料不足は10月のエル・アラメインの戦いにおけるロンメル軍団敗北の一因となる[30]。