ペチェネグの政治体制は典型的なアルタイ系遊牧民と同様で、集会を開いて首長の選出などを決定した。遊牧国家の集会はその領内に散らばる諸部族が一か所に集結するため、招集をかけてから数週間かかる部族もいるが、ペチェネグの場合はそれが一週間で足りたという。それはペチェネグの機動力が優れていることを示している。
ペチェネグの「首都」というものはなかったが、中心地としては考古遺物が多数出土しているローシ川の付近と考えられている[4]。 ペチェネグの言語はテュルク諸語のオグス語派とされ、中国の史書に鉄勒(てつろく、テュルク)の一部族として記されていることからも、テュルク系と推測される。しかし、ペチェネグの構成部族にはイラン系のサルマートや、フィン・ウゴル系の諸族も加わっているため、すべてがテュルク系とは限らない。また、初期のペチェネグはトカラ語の一種を使用していたという説もある[4]。
言語系統
脚注[脚注の使い方]^ (ロシア語) Гумилёв Л. Н. От Руси к России. ? М.: Алгоритм, 2007. ? С. 83. ? 384 с.
^ 『隋書』列伝第四十九 北狄、『北史』列伝第八十七 鐵勒
^ 王力による推定中古音。北褥のそれも同じ。
^ a b c 森安達也『中央ユーラシアの世界』p170
^ 以下の記述は『中央ユーラシアの世界』p170-173によるもの。
^ レベディアは北ドネツ川とクバン川の流域である。
^ この風習は他に匈奴や高車などにも見受けられる。
^ 除村 1979,p725注69
参考文献
(日本語) 『ポーランド・ウクライナ・バルト史 』/ 伊東孝之,井内敏夫
(英語) Paloczi-Horvath, A. Pechenegs, Cumans, Iasians: Steppe peoples in medieval Hungary. Hereditas. Budapest: Kultura [distributor].1989.
(英語) Pritsak, O. The Pe?enegs: a case of social and economic transformation. Lisse, Netherlands: The Peter de Ridder Press. 1976.
(ウクライナ語) ⇒『ウクライナ史の概説』/ N.ヤコヴェーンコ著. ? キエフ: ゲネザ, 1997.
護雅夫・岡田英弘『民族の世界史4 中央ユーラシアの世界』(山川出版社、1990年 ISBN 4634440407)
『隋書』列伝第四十九 北狄
『北史』列伝第八十七 鐵勒
レーベヂェフ編、除村吉太郎訳『ユーラシア叢書30 ロシヤ年代記』(原書房、1979年…弘文堂、1946年刊からの復刻)
関連項目
アヴァール
アラン人
キプチャク
サルマタイ
スキタイ
スラヴ
テュルク
ハザール
ブルガール
フン族
マジャル人
遊牧民
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(ロシア語) Луценко В. Тюркский фактор в истории и этногенезе украинцев и их предков / Глава IV. Печенеги, торки.