1945年、26歳になったベンジャミンはニューオーリンズに帰り、クイニーの歓待を受ける。大人の女性に成長したデイジーとも再会するが、都会で洗練されたデイジーに戸惑い、すれ違いを重ねる。
時は流れ、ある日デイジーはパリでバレエの練習からの帰り道に車に撥ねられる。知らせを聞いて病院に駆けつけたベンジャミンであったが、デイジーは足を骨折しており、バレエダンサーの夢を断たれてしまう。そっとして欲しいというデイジーの気持ちを尊重し、距離を置いて見守ることしかできないベンジャミンであった。
しばらくして、ある日ひょっこりデイジーがニューオーリンズに帰って来た。ベンジャミンとデイジーの気持ちが初めて重なり、その夜二人は結ばれる。構えた新居で二人だけの甘い生活が始まった。やがてデイジーは妊娠し女の子を生む。それがキャロラインであった。幸せな家庭生活の始まりのはずであったが、ベンジャミンには大きな悩みがあった。若返り続ける自分には一家の父親はとても務まらないというものだ。やがてベンジャミンは二人の前から姿を消す。
やがて、ベンジャミンは10代の少年の姿となると同時に、認知症を発症して自分のことさえ分からなくなっていたため、所持品からデイジーの元に連絡がくる。ホームに入居した2人だったが、次第に幼児の姿となり、赤ん坊となったベンジャミンは、老婆となったデイジーに抱かれながらこの世を去った。
キャロラインがその日記を読み終えると同時にデイジーは息を引き取った。 ※括弧内は日本語吹き替え プロデューサーのレイ・スタークは1980年代に原作の映画化権を購入し、ユニバーサル・ピクチャーズで企画を進めた。最初はフランク・オズが監督に選ばれ、ベンジャミン・バトン役にはマーティン・ショートへ声がかけられていたが、オズはこの物語の映画化方法を思いつかず降板した。1991年にはスティーヴン・スピルバーグ監督でトム・クルーズ主演の話が出てきたが、スピルバーグは『ジュラシック・パーク』と『シンドラーのリスト』を監督するためにプロジェクトを離れた。他にパトリック・リード・ジョンソン 2005年5月、ブラッド・ピットとケイト・ブランシェットへの出演交渉に入った[10]。さらに2006年9月、ティルダ・スウィントン、ジェイソン・フレミング、タラジ・P・ヘンソンへの交渉が開始された[11]。撮影開始を間近に控えた10月、ジュリア・オーモンドがデイジーの娘役でキャストに加わった[12]。
キャスト
ベンジャミン・バトン - ブラッド・ピット(山寺宏一)
ベンジャミン(1932-1934年) - ロバート・タワーズ
ベンジャミン(1928-1931年) - Peter Donald Badalamenti II
ベンジャミン(1935-1937年) - トム・エヴェレット(英語版)
12歳のベンジャミン(1991年) - スペンサー・ダニエルズ(英語版)
8歳のベンジャミン(1995年) - チャンドラー・カンタベリー
6歳のベンジャミン(1997年) - チャールズ・ヘンリー・ワイソン
デイジー・フューラー - ケイト・ブランシェット(塩田朋子)
7歳のデイジー - エル・ファニング(諸星すみれ)
10歳のデイジー - マディセン・ベイティ(宮本侑芽)
クイニー - タラジ・P・ヘンソン(松熊つる松)
キャロライン・フューラー - ジュリア・オーモンド(八十川真由野)
エリザベス・アボット - ティルダ・スウィントン(高島雅羅)
トーマス・バトン - ジェイソン・フレミング(大塚芳忠)
ムッシュ・ガトー - イライアス・コティーズ(永田博丈)
ドロシー・ベイカー - フォーン・A・チェンバーズ(英語版)
キャロライン・バトン - ジョーアンナ・セイラー
ティジー - マハーシャラルハズバズ・アリ(西嶋陽一)
マイク船長 - ジャレッド・ハリス(稲葉実)
セオドア・ルーズベルト - エド・メッツガー(英語版)
グランマ・フューラー - フィリス・サマーヴィル(英語版)(真山亜子)
プレザント・カーティス - ジョシュ・スチュワート
デイジーの友人 - ビアンカ・チミネロ(英語版)
説教師 - ランス・E・ニコルズ(英語版)(宝亀克寿)
製作
企画
キャスティング
撮影一部の場面はニューオーリンズの ガーデン・ディストリクト (ニューオーリンズ)
『ベンジャミン・バトン』は製作インセンティブを活用するためにルイジアナ州ニューオーリンズが舞台とロケ地に選ばれ、撮影開始は2006年10月に予定された[13]。撮影は2006年11月にニューオーリンズで開始された。2007年1月からはブランシェットが撮影に参加した[14]。フィンチャーはニューオーリンズのアクセスの良さや都市のセットを賞賛し、ハリケーン・カトリーナからの復興は製作の邪魔にならなかったと述べた[15]。