ベルリンはドイツ連邦共和国の首都で、元首の連邦大統領、政府の長である連邦首相、および連邦の議会両院を擁する。公式の大統領官邸はベルヴュー宮殿である[46]。首相官邸は連邦首相府である。首相府と向かい合うのが、改修された帝国議会議事堂であり、ドイツ連邦議会はここで開催されている。1998年以来、ドイツ連邦共和国の政府はベルリンにある。連邦参議院の議員はドイツの各連邦州の代表者で構成されており、かつてのプロイセン王国貴族院からの流れを組む。ほとんどの中央官庁はベルリンに本庁を置いているが、若干は現在でも西ドイツの首都であったボンに置かれているベルリン・ボン法
(英語版)により支庁は残されている[47]。2006年にはベルリンが首都であることが憲法に明記された[48]。なお、最高裁判所に相当する連邦憲法裁判所と連邦裁判所はベルリンには所在せず、ドイツ南西部の都市カールスルーエにある。1990年10月3日のドイツ再統一以来、ベルリンはハンブルクやブレーメンとともに3つある都市州として、全16の連邦州を構成している。1995年4月27日にはブランデンブルク州と州首相同士が合併に合意[49]し、合併案は両州の議会を通過したが、翌1996年5月5日の住民投票でブランデンブルク州側の反対が多く否決された[50]。
州の政治赤の市庁舎ベルリン市長フランツィスカ・ギファイ(2023年1月現在)
ベルリン州の議会はベルリン市議会(Abgeordnetenhaus)であり、147議席で構成されている(2023年1月現在)。議員の任期は5年[51]。ベルリンは都市州であるため、議会は市議会と州議会の権限を併せ持つ[51]。
ベルリン市長(Regierender Burgermeister、直訳的には「統治者である市長」)は、議会議員選挙のたびに議会によって選出され、ドイツ連邦議会が任命する[51]。
ベルリン市長は州政府(ベルリン市参事会、Senat von Berlin)を率いる[51]。州政府は、市長のほか8人の閣僚(Senat、直訳的には「元老」)によって構成される[51]。閣僚はそれぞれ州政府の「省」を率いる[51]。閣僚のうち2人は副市長(Burgermeister、直訳的には「市長」)を務める[51]。市長および州政府の執務は赤の市庁舎で行われる。
議会詳細は「ベルリン市議会」を参照
2023年ベルリン市議会選挙(英語版)(2021年選挙の再選挙)の結果、ドイツキリスト教民主同盟(CDU)が議会第1党の座を奪還し、それまで議会与党だったドイツ社会民主党 (SPD) と連立を組み、22年ぶりに市長の座を奪還した。各党の「得票率/獲得議席数(無効となった前回2021年選挙からの増減)/議席占有率」は以下の通りである。
ドイツキリスト教民主同盟(CDU) 29.7%/52議席(+22)/32.7%
ドイツ社会民主党(SPD) 19.9%/34議席(-2)/21.4%
同盟90/緑の党(Die Grunen) 19.2%/34議席(+2)/21.4%
左翼党(Die Linke) 12.3%/22議席(-2)/13.8%
ドイツのための選択肢(AfD) 9.0%/17議席(+4)/9.4%
自由民主党(FDP) 3.9%/0議席(-12)/0.0%
過去、2001?2011年にはSPDと左翼党が連立していた。その後の2011?2016年は、SPDとCDUによる連立政権であった。この時期、ドイツ海賊党がベルリン市議会の議席を有しており、同党としてはこれが州議会レベルで初の議席獲得であった[52]。 詳細は「ベルリン市長」を参照
歴代市長
1990年-1991年: ヴァルター・モンパー
1991年-2001年: エーベルハルト・ディープゲン
2001年-2014年: クラウス・ヴォーヴェライト
2014年-2021年: ミヒャエル・ミュラー