ベルリン自由大学の設立は、終戦直後の政治情勢が大きく関わっている。ベルリン大学(フリードリヒ・ヴィルヘルム大学、Friedrich-Wilhelms-Universitat)は東ベルリンにあり、戦後、社会主義のソビエト連邦の占領下で統制を受けていた。そのため、学問の自由を求めた学生・教授・研究者は大学を離反し、帝政期以来のベルリン大学の伝統を継承するために「自由」の理念を冠したベルリン自由大学を1948年、西ベルリンにて旧カイザー・ヴィルヘルム研究所の施設を使用し創立した。
現在では、ベルリンに所在する4つの大学の中で最も規模が大きい。国際的に最も有名で、人気のあるドイツの研究機関のひとつ[7]である。また、全学生中21%(2018年)を非ドイツ国籍の学生が占め、国内屈指の国際色豊かな教育機関である[8]。多くの科学分野で重要な役割を果たしているが、特に社会学(Sociology)・政治学(Politics)・現代言語学(Modern Language)においてドイツ国内の大学で最も高い国際的評価を得ている(詳しくは研究と評価・QS世界大学ランキングを参照)。 現在、ベルリン自由大学は、フンボルト大学と共同で運営しているシャリテー医科大学を除くと、ドイツ研究振興協会 (Deutsche Forschungsgemeinschaft, DFG) の8つの共同研究センターを主導しており、また同財団の5つの研究ユニットを持っている。 ベルリン自由大学は、多くの分野で重要な役割を果たしている。 部門ごとの評価は上記の通りであった。大学における研究は、自然科学の諸分野と並んで、社会科学、人文科学に重点が置かれているのが特徴である。
沿革
研究と評価
指標
QS世界大学ランキング2024
総合 98位 (ドイツ4位)[3]
QS世界大学ランキング2023[3]
政治学20位 (ドイツ1位)
社会学30位 (ドイツ1位)
考古学17位 (ドイツ2位)
現代言語学28位 (ドイツ1位)
芸術人文学27位 (ドイツ2位)
人類学32位 (ドイツ2位)
歴史学28位 (ドイツ2位)
英タイムズ・ハイアー・エデュケーション世界大学ランキング2021
「法学部門」で35位[3]
以下は、ノーベル賞を受賞したベルリン自由大学の研究者の一覧である。 以下は、研究業績に対するドイツで最も栄誉な賞、ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞を受賞したベルリン自由大学の研究者の一覧である。
エルンスト・ルスカ (1986年物理学賞)
ラインハルト・ゼルテン(1994年経済学賞)
ゲルハルト・エルトル(2007年化学賞)
Ulrich Cubasch(「気候変動に関する政府間パネル」のメンバー、2007年平和賞)
ヘルタ・ミュラー(2009年文学賞)
国内
Volker Erdmann, 生化学
Wolfram Saenger, 結晶学