ベトナム共産党
[Wikipedia|▼Menu]
1960年の第3回党大会は首都ハノイ(河内)で開かれ、この中で南ベトナムの解放と北部における社会主義建設が謳われた。1969年9月2日にホー・チ・ミンが死去。党主席は空位となり、党第一書記のレ・ズアン(黎笋または黎筍)が党首の職務を継承した。北ベトナムがベトナム戦争に勝利すると、ベトナム労働党は第4回党大会を開き、名称をベトナム共産党に改称した。

しかし、その後のカンプチアへの軍事介入による国際的孤立が著しい経済困難を招き、1986年7月、レ・ズアンが死去するとチュオン・チンが書記長になったが、12月の第6回党大会でドイモイ(刷新)路線が採択され、グエン・バン・リンが書記長になった。以後は中国に倣った一党独裁制(1988年まではヘゲモニー政党制、以降は一党制)の維持と外国投資導入による経済成長の追求が基本政策になっている。1991年にはドー・ムオイが書記長に就任。1997年からはレ・カ・フュー2001年からはノン・ドゥック・マイン2011年からグエン・フー・チョンが書記長を務めている。

2006年4月に開かれた第10回党大会では、その直前に発覚した汚職事件で交通運輸省次官が逮捕され、悪化する党官僚の腐敗に対するノン・ドゥック・マイン書記長の責任を問う声が強まったため、反対派がグエン・ミン・チェット(阮明哲、当時ホーチミン市党委員会書記)を立てて書記長を中央委員の自由選挙で選ぶことが決まった。直前にチェットが辞退したため投票は行われずマイン書記長は再任されたが、党員の意識変化を象徴する出来事としてベトナム国外で大きく伝えられた。「ベトナム#国会」も参照
機構[ソースを編集]

党員は2020年時点で約510万人。5年に一度招集される党大会が最高機関。党大会は大会閉会中の最高指導機関として中央執行委員会(中央委員会)(ベトナム語版)を選出する。中央委員会は、最高意思決定機関として政治局を、また党の日常業務の処理機構として書記局を選出する。党首に相当する中央執行委員会書記長は2011年1月以来、グエン・フー・チョン。

国家主席、首相、国会議長と共に政治最高指導部主要四役の四柱の一つである。党内序列は常に書記長が1位で、国家主席首相、国会議長がこれに次ぐ。他の一党制国家と同様、党が国家に対して優位に立つため、国家における役職よりも党における役職のほうが意味を持つ仕組みである。ベトナム人民軍の憲法上の最高指揮官は国家主席であるが、事実上の最高指揮官は党中央軍事委員会書記を兼任するベトナム共産党書記長とされている。しかし、ベトナム労働党成立以後、この三つの役職は兼任されないトロイカ体制が慣例化しており[注釈 2]、党内権力の集中度は中国共産党朝鮮労働党ほどではない。
党幹部一覧[ソースを編集]
歴代共産党書記長[ソースを編集]詳細は「ベトナム共産党中央執行委員会書記長」を参照
党勢の推移[ソースを編集]
国会[ソースを編集]

選挙投票獲得席数/定数議席占有率
1960年ベトナム祖国戦線(英語版、ベトナム語版)による選出421/421100%
1964年366/366100%
1971年420/420100%
1975年424/424100%
1976年492/492100%
1981年496/496100%
1987年496/496100%
1992年395/395100%
1997年384/45080%
2002年447/49891%
2007年450/49393%
2011年454/50090%
2016年473/49498%
2021年485/49999%

脚注[ソースを編集][脚注の使い方]
注釈[ソースを編集]^ 四柱に次いで、序列5位となっている。他国における幹事長と副党首としての職務も兼ね備えている。
^ 書記長と国家主席が兼任になった例としてホー・チ・ミン(1956年11月1日 ‐ 1960年9月10日)、チュオン・チン(1986年7月10日 ‐ 1986年12月18日)、グエン・フー・チョン(2018年10月23日 ‐ 2021年4月5日)がある。

出典[ソースを編集]^ a b ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - ベトナム共産党. コトバンク. 2019年4月24日閲覧。
^ a b c ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - ドイ・モイ. コトバンク. 2019年4月24日閲覧。
^ a b 五島文雄. 日本大百科全書(ニッポニカ) - ベトナム共産党. コトバンク. 2019年4月24日閲覧。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:26 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef