以下の定理は、ヘルムホルツの定理の特殊な場合であり、時間変動のない磁場から電磁ベクトルポテンシャル(物理学では、単にベクトルポテンシャルといったらこれを指す)を求める際によく用いられる手法である。
定理
H を、無限遠で 0 であり、かつ、div H = 0 を満たす、単連結領域V 上で定義されている3次元ベクトル場とする。このとき、 A ( r ) = 1 4 π ∫ V ∇ ′ × H ( s ) 。 r − s 。 d s {\displaystyle {\boldsymbol {A}}({\boldsymbol {r}})={\frac {1}{4\pi }}\int _{V}{\frac {\nabla '\times {\boldsymbol {H}}({\boldsymbol {s}})}{\left|{\boldsymbol {r}}-{\boldsymbol {s}}\right|}}\mathrm {d} s}
は、H のベクトルポテンシャルである。
脚注
注釈^ div v = 0 でない場合、ヘルムホルツの定理より v はベクトルポテンシャルの回転とスカラーポテンシャルの勾配との和で表される。
出典^ a b 藤本 淳夫『ベクトル解析 (現代数学レクチャーズ C- 1)』培風館、1979年1月。
^ 深谷 賢治『電磁場とベクトル解析 (現代数学への入門)』岩波書店、2004年1月7日。
^ 岩堀 長慶; 近藤 武, 他『微分積分学』裳華房、1993年1月。
関連項目
スカラーポテンシャル
ベクトル解析
電磁気学
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