ヘヴィメタル
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アイアン・メイデンをはじめとする正統派メタルバンドの作品ではデレク・リッグス、スラッシュメタルのカバーアートではエド・レプカ[16]、メロディックデスメタルやブラックメタルの作品ではクリスティアン・ヴォーリン[17]などのように、著名なアーティストも存在している。また、セプティックフレッシュのSeth[18]やバロネスのJohn Baizleyのように自身もメタルミュージシャンでありながら、アートワークを手がけるものもいる[19]

バンドロゴでは、7000以上のバンドのロゴをデザインしてきたクリストフ・シュパイデルが著名なアーティストとして挙げられる[20]
語源

名詞であるヘヴィメタルが使用されたのは、ビートニク作家であるウィリアム・S・バロウズの著作『ソフト・マシーン』(1961年)の中であり、彼はのちの作品『ノヴァ急報』でこのテーマを追求し、ヘヴィメタルという単語を依存性の強い薬物のメタファーとして用いている[21]。また、『ローリング・ストーン』誌の音楽ジャーナリスト、レスター・バングスは1970年代の初頭にレッド・ツェッペリンやブラック・サバスに対する論評でこのヘヴィメタルという言葉を使い、この言葉が広まるきっかけとなったという[22]。ただし、バンドの音楽性としてヘヴィメタルという形容を明示的に使ったのは、音楽プロデューサー、サンディ・パールマンが、自らプロデュースしていたブルー・オイスター・カルトに対してである。また、これには、バロウズと親交が深く、かつ、ブルー・オイスター・カルトのメンバー、アラン・レイニアの恋人でもあったパティ・スミスの影響もあったとされる。他に、「ロック(岩)よりもハード(硬い)」もしくは「ロック(岩)よりもヘヴィ(重い)」だからヘヴィメタルという説など、諸説ある。
歴史
黎明期

今日ヘヴィメタルと形容される音を、最初に取り扱ったバンドについては諸説ある。初期のバンドであるレッド・ツェッペリンブラック・サバスディープ・パープルなどは、1960年代末から70年にデビューした「ハードロック・バンド」である。ステッペンウルフアイアン・バタフライブルー・チアーマウンテンユーライア・ヒープフリーヴァニラ・ファッジなどを挙げる評論家も存在する[23]

ハードロック、ヘヴィメタルのルーツ楽曲としては、ビートルズの「ヘルター・スケルター - Helter Skelter[24]」(『ザ・ビートルズ』収録、1968年発表)などがある。そのファズを使用したサウンド、激しいリフの上にシャウトするコーラス部などの音楽的な要素が特徴である。

その他にも1960年代後半からクリーム、ヴァニラ・ファッジ、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープルを始めとするラウドなロックが多数現れた。また、ステッペンウルフ1968年に出した「ワイルドで行こう(ボーン・トゥ・ビー・ワイルド)」の歌詞には、ハーレー・ダビッドソン(のエンジン音)を「Heavy Metal thunder」と例える箇所がある[25]。これらのバンドも音的にヘヴィメタルな要素を多分に含んでいるが、いずれもハードロックの範疇に留まるとみなすことが多い。

以上のようにハードロック、ヘヴィメタルの源流は様々挙げられる。より現在のヘヴィメタルシーンにまで直接的な影響をもたらしているバンドとして、1970年デビューのブラック・サバスがある。同年発表のファースト・アルバム『黒い安息日』やサード・アルバム『マスター・オブ・リアリティ』などのオカルト志向はユーライア・ヒープなどにも見られ、当時は新しい音楽表現と見做された。
NWOBHMとヘヴィメタルの確立、定着

英国のハードロック1970年代前半に一時代を築き上げるが、ハードロック、プログレッシブ・ロックのマンネリ化への反動や大不況などから、1970年代半ばにパンク・ロック・ムーヴメントが起きる。かつてのハードロックは「オールド・ウェイヴ」と呼ばれるようになり、ブリティッシュ・ハードロック・シーンはその勢いを失っていった。しかしアンダーグラウンドシーンでは様々な若手バンドが、一部ではパンクのビートの性急感をも取り入れながら、新しい時代のハードロックを模索するようになっていた。『サウンズ』誌の記者ジェフ・バートンにより「NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)」と名付けられたこのムーヴメントは、少しずつ知られるようになっていった。1980年にはアイアン・メイデンデフ・レパードがメジャーデビューし、シーンは一気に活性化していく。それらのバンドと比べると商業的な成功は大きくなかったものの、ヴェノムダイアモンド・ヘッドものちのメタルシーンに影響を与えた[26]

NWOBHM勢に結成は先立ちながら、同時期のヘヴィメタルの立役者となったのが、同じくイギリス出身のジューダス・プリーストである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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