ヘロイン
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生物学的利用能<35% (経口)、44?61% (吸入)[1]
血漿タンパク結合0% (モルヒネ代謝物35%)
代謝肝臓
半減期10分未満[2]
排泄90% はグルクロニドのまま尿で排出、残りは胆汁
識別
CAS番号
561-27-3
ATCコードN02AA09 (WHO)
PubChemCID: 5462328
DrugBankDB01452
ChemSpider4575379 
UNII8H672SHT8E 
KEGGD07286
ChEMBLCHEMBL459324 
別名Diamorphine, Diacetylmorphine, Acetomorphine, (Dual) Acetylated morphine, Morphine diacetate
化学的データ
化学式C21H23NO5
分子量369.41 g/mol
SMILES

CC(=O)Oc1ccc2c3c1O[C@@H]4[C@]35CCN([C@H](C2)[C@@H]5C=C[C@@H]4OC(=O)C)C

InChI

InChI=1S/C21H23NO5/c1-11(23)25-16-6-4-13-10-15-14-5-7-17(26-12(2)24)20-21(14,8-9-22(15)3)18(13)19(16)27-20/h4-7,14-15,17,20H,8-10H2,1-3H3/t14-,15+,17-,20-,21-/m0/s1 

Key:GVGLGOZIDCSQPN-PVHGPHFFSA-N 

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ヘロイン(: Heroin)とは、バイエル社から販売されていたオピオイド系の鎮痛剤のひとつで、アヘンに含まれるモルヒネから作られる半合成オピオイドである[3]。一般名はジアモルヒネ、化学的には、3,6-ジアセチルモルヒネ[4]と呼ばれる。いわゆる強オピオイドに該当するが、副作用があるため、現在では医用は稀である。一方、いくつかの国で出産時や心臓発作などの痛みを緩和したり、オピオイド置換治療に使用されている[5][6][7]
概要

語源は、1898年にバイエルより発売された、鎮痛・鎮咳剤の商品名[8]で、『モルヒネに替わる依存のない万能薬』として発売・宣伝された。

1912年の万国阿片条約で規制され、第一次世界大戦後に各国が条約に批准[9]し、規制を強めた。その後、ドイツ国では1921年、アメリカ合衆国で1924年に医薬品の指定がなくなると、のちに非合法に流通するようになり[8]、当時のアメリカ合衆国の日常的な使用者は20万人[10]と推定されている。

ベトナム戦争では、メオ族を支援するためにアメリカ中央情報局 (CIA) が市場へのアヘン運搬を支援したが、これが高純度のヘロインとなって、南ベトナム共和国駐留アメリカ兵の手に渡った[11]。アメリカ合衆国で、1971年物質使用性障害を持つ患者が推定56万人となり、ニクソン大統領が、薬物に対する戦いを宣戦布告する[12]。2000年代のアメリカではオキシコドンなどの処方薬の過剰摂取死(OD)が問題となっていたが[13]、2012年には急増したヘロインによる死亡がトップとなった[14]。この理由は、コーティングを剥いで砕くことが容易なオキシコドン徐放錠の製法が製薬会社により変更されたため、その処方薬依存症患者が摂取しやすく、同等の効果が安く手に入るヘロインにシフトした為である。

日本国内では麻薬及び向精神薬取締法によって、その製造・所持・使用は制限されている。専門家によって薬物の評価では、ヘロインは多幸感3点、精神的依存3点、身体依存3点といずれも最高の3点となっている唯一の薬物である[15]。「オピオイド乱用」も参照
合成

ヘロインはモルヒネの持つ2つの水酸基を、共に酢酸とのエステルにした分子である。これを合成するためには、モルヒネを無水酢酸で数時間煮る[10]。ジアモルヒネは20世紀後半に合成され、粗モルヒネをアセチル化する[3]。鏡像異性体は5種類になるが、天然に生じるのは1つである[3]
薬物動態

ヘロインの血中濃度の半減期は、約3分である[3]。モルヒネとは異なり酢酸エステル化している。そのため、モルヒネより脂溶性が高く、血液脳関門をモルヒネより容易に通過する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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