ヘリコプター
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リンクスなどでは、ドラッグヒンジは無くともダンパーのみ備えている[26]
ベアリングレスローター(: bearingless rotor)
フラッピング・ドラッグキング・フェザリングの各ヒンジ類を全く持たず、完全な「無関節」となったローターヘッド。ブレードのフラッピング・ドラッギング・フェザリングの3軸の方向の動きは、ハブとブレード翼面の間の付け根付近の「カフ」部分に「ヨーク」と呼ばれる複合材で出来た板バネ機能を持つ部品が柔軟に弾性変形することでヒンジの機能を果たすことにより行われており、軽量化と長寿命化、安全性の向上と抗力減少、構造の単純化が実現出来る。テールローターから実用が始まり、その後にメインローターへの実用が始まっている。

Mi-17の全関節型ローター

ロビンソン R44のシーソー型ローター

AH-64Dの無関節型ローターとレーダー

AS355のベアリングレスローターとフェアリング

回転方式

通常はエンジンからトランスミッションを介してローターヘッドに繋がるが、下記のような方式も存在する。
チップジェット式
翼端に推進装置を取り付けてローターを回転させることで、反トルクを生じさせないようにするものであるが、騒音が大きい、燃料消費が大きいなどの技術上の問題も抱えておりガスタービンエンジンの一般化によって姿を消した。
ホットサイクル式ローター
チップジェット方式の派生型であり、各種のガスタービンエンジン等からの抽気そのものや、外気と混合してある程度温度を下げた抽気または排気を、耐熱・耐圧チューブなどでローター先端に導き、そこから噴射してローターを回転させる。
ローター数
シングルローター

最も一般的な形式。大型機種や特殊なヘリを除けば、ほとんどがメインローターが1つのシングルローター機である。構造が簡単で部品数が減り、重量も軽くできるなどの利点があるが、トルク相殺用のテールローターが不可欠で、それにも馬力を振り分ける必要がある(前進飛行時に約3 - 4%;ホバリング時に約10%)。テールローターが地上で人員や障害物と接触する危険がある(ヘリコプターの事故は、アメリカ陸軍の統計によると26%がテールローターが原因とされる[要出典])、重心移動の範囲が狭い、大型ヘリコプターではメインローターの寸法が大きくなる、などの不利な点もある。テールローターの安全性の改善にはノーターフェネストロンもある。
ツインローター.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}ツインローター式同軸反転式 Ka-50タンデムローター式 CH-47Fサイドバイサイドローター式 Mi-12交差双ローター式 K-MAX

2個のローターを持ち、それぞれが逆に回ることにより、ローターのトルクの影響をお互いに打ち消す方式。テールローターに余分な出力を割く必要がなく、事故の原因となり得るテールローターが不要なため安全面でも有利であるが、重量面では不利である。配置により次のようなものがある。
同軸反転ローター式
ローターが同軸上に2つあり、互いに反転して回るもの。ローターの反トルクは互いに打ち消し合うため、横方向に推力を発生するテールローターを必要としないためにホバリング時の反トルクドリフトが発生せず、ホバリング安定に優れる方式である。全長がメインローターの直径のみで決まる事から、全長が小さくなる上、揚力に関係のないテールローターに出力を割く必要がないという利点がある。特に全長が短くてすむ、テールローターが障害物や人員に接触する危険がないという点は、面積が限られる船舶上で運用する際には非常に好都合である。反面、上下2つのメインローターが接触しないようにするためにそれらの間隔を離さねばならず、ローターマストが高くなる(その分、格納庫の天井を高くしなければならない)、ローターハブと操縦装置が複雑になり、重量が増加するという不利な点もある。またヨー軸の制御は一方のローターのピッチ角を大きくし、もう一方のローターのピッチ角を小さくすることで意図的に反トルクの不均衡を発生させ行うが、反トルクが発生しないオートローテーション時にはヨー軸の制御が出来ないという欠点もある。そのため飛行機のように垂直尾翼に方向舵を設ける事で対処している。ロシア(旧ソ連)のカモフ社が得意とするレイアウトであり、前述のような理由から艦載ヘリコプター中心に採用されている。
タンデムローター
ローターが前後に2つ配置されているヘリコプター。縦揺れに対する操縦安定性が高く、前後方向の重心移動範囲も広い利点を持ち、重量物、長尺物の輸送に当たっては特に有利となる。ヘリコプターの重量に対してローターが小さくてすむため、構造的にも有利である。反面、低い前進速度での安定性が低い、ブレード数を増やしづらく騒音低減がし難いなどの不利な点がある。各国・各社で研究・開発されたが、最も成功したのはアメリカのパイアセッキ社で、バートル、ボーイング・ヘリコプターを経て、現在も同形式の代表格かつ、(ライセンス生産を除けば)ほぼ唯一のメーカーとなっている。
サイド・バイ・サイド・ローター
ローターが胴体を挟んで並列に配置されているもの。横揺れに対する操縦安定性が高く、ローターが小さく横方向の車輪間距離を大きく取ることができる(従って、地上安定性が良い)。特に、構造重量を増したり抗力を増すことなしに、固定翼を装備できる利点がある。反面、ローターを支持する張り出しや、伝動軸による構造重量の増加や機械抵抗が増える、ローターと固定翼の気流が干渉して揚力を相殺するなどの不利な点がある。前述のFw 61や、旧ソ連のMi-12などが代表格だが、Mi-12のローターはわずかに交差しているため、後述の交差双ローター式との折衷型とも解釈できる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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