ヘリコプターの原動機にはレシプロエンジンかターボシャフトエンジンが利用されており、両者ともトランスミッションを介してローターを駆動させる。レシプロエンジンは、燃料消費量が少なく、安価であるが、振動が大きく、出力当たりの重量やエンジン自体の容積が大きい。ターボシャフトエンジンは、振動が小さく、出力当たりの重量やエンジン自体の容積が小さいが、高価であり、燃料消費量が多いが、その問題は技術の進歩により問題ではなくなってきている[19]。下記三種類の他に、回転翼端に取り付けた(ラム)ジェットエンジンなどの噴進機構で回転翼を回転させるチップジェットも過去には試作された。
1980年にシコルスキー人力ヘリコプター賞が設立されたことで、記録挑戦用として個人や大学のチームが人力ヘリコプターを製作するようになった。日本ではYURI-Iなどが飛行に成功している。 エンジン回転数を一定に保ちながら、必要な馬力に応じてエンジンのスロットルを開閉させて出力トルクを増減させるため、コレクティブピッチレバーの位置に連動してエンジンのスロットルが動くようになっており、コレクティブピッチレバーの先端には、コレクティブピッチレバーの位置はそのままにエンジンの回転数だけを修正するスロットルコントロールグリップがあり、グリップを回すことでエンジンのスロットルが動くようになっている[19]。 エンジン自体に、機体側に掛かる負荷に対して常にエンジン回転数を一定に保つ燃料コントロール装置が装備されており、エンジン回転数の制御はエンジンをカットオフからフライトアイドルまでを制御するスロットレバーとフライトアイドルから最大出力までを制御する回転数コントロールレバーにより行われるが、エンジンの種類によっては、これらのレバーを1本のレバーにまとめたものがある。そのため、エンジン回転数を制御するには、コレクティブピッチレバーに連動して回転数コントロールレバーを動かす必要がある。また、コレクティブピッチレバーの先端には、エンジンの回転数を任意に制御できるビーブトリムスイッチがある[19]。
レシプロエンジン
ターボシャフトエンジン詳細は「ターボシャフトエンジン」を参照
電動機単座の電動ヘリコプターSolution F/Chretien helicopter
他の動力と同様に、回転数を一定に保ちローターのピッチ角で揚力の制御を行うものもある。マルチコプターなど複数のローターを備えるものは固定ピッチで、各電動機の回転制御のみで揚力や姿勢を制御している。
有人機では電動機を動力とする電動ヘリコプターの試作が行われている。日本では有人搭乗操縦電池電源電動ヘリコプターに対応する航空従事者技能証明などの「航空機の種類についての限定」制度が存在しない。
無人機では小型のマルチコプターが普及しており、趣味、撮影、農薬散布などの用途で使われている。
テールローターを電動ファンに置き換えた実験機も登場している[22]。
メインローター詳細は「ヘリコプターのローター」を参照陸上自衛隊のUH-1J(ベル204)のメインローターのローターヘッド下部の写真
1、下部スワッシュプレート(操縦装置と結合され機体側に固定している側のスワッシュプレート)
2、上部スワッシュプレート(ローター・マストと共に回転している側のスワッシュプレート)
3、コントロールロッド(ローター・マストと共に回転しており、マスト上部にあるピッチリングと結合されている)
4、油圧ダンパー(マスト上部とロッドで結合されている)メインローターと尾部を折り畳んたMCH-101
メインローターの翼の1枚1枚をブレードと呼ぶ。このブレードは固定翼機での主翼とエレベーターやエルロンの機能を兼ね備えており、進行方向と対気速度、上昇や下降運動中や加減速運動、ブレード自身の回転に対する加減速によって複雑な動きをする。
ブレードはローターヘッド、又はハブと呼ばれる回転軸の取り付け部に取り付けられている。ヘリコプターには全関節型、半関節型、無関節型、ベアリングレス型のローターヘッド形式がある(後述)。
艦載機として設計された機体にはメインローターを折り畳む機構を備えた機種もある。 メインローターの回転方向は、上から見て米国製のヘリコプターでは反時計回り、欧州製では時計回りであることが多い(ドイツ製は反時計回り)。このため、ヘリパイロットが機種転換を行なう場合には異なった回転方向の機種では困難が伴う(トルクに変化があった場合、機体のヨーイング方向が逆になるため)。
回転方向