こうしたユダヤ人の努力によってヘブライ語は話し言葉として再生され、1920年代にはすでに現地のユダヤ人の間で広く使用されるようになった記録が残っている。1922年には英語やアラビア語とともにイギリス委任統治領パレスチナの公用語に指定され[25]、1948年にイスラエルが建国されるとその公用語のひとつとなり[32]、2018年には、憲法に準じる基本法「ユダヤ国民国家基本法」で、ヘブライ語のみを公用語とした[33][34][35]。イスラエル政府はヘブライ語の共通語化と使用を強く推進している。世界各地からユダヤ教徒がイスラエルへ移民しているため、イスラエルにおいてはイスラエルへの移民であるか否かを問わず、またイスラエルへ定住する意思の有無を問わず、誰でもヘブライ語を学習することができる成人を対象としたヘブライ語の教育機関としてウルパンが設立されている[36]。
現代ヘブライ語は、イスラエル国内に多数のアラブ人が居住していることやもともと同系の言語であることなどからアラビア語の影響を受けており、「ファラフェル」(ヘブライ語: ????????)などアラビア語起源の単語がそのままヘブライ文字で記載されることが少なくない[37]。さらに、経済のグローバル化や情報技術の発達などにより、「インターネット(ヘブライ語: ????????????)」など英単語をヘブライ語に「翻訳」することなく、そのままヘブライ単語となることも少なくなく、さらにコンピュータ関連の文書などにおいてヘブライ文字で記載されているヘブライ語のなかに、英字で記載されてある英単語がそのまま挿入されていることもある。また、この場合、英単語は右から左へではなくそのまま左から右へと記述され挿入される。
現代ヘブライ語において用いられる数字は、数学で用いられているアラビア数字である。そして、右から左へ記載するヘブライ語の中に、左から右へ記載するアラビア数字を挿入して記載している。そして、マイクロソフト社のMicrosoft Wordを用いてヘブライ語の文書を作成する際にも、ヘブライ文字は右から左へ記載されるが、数字だけは左から右へ記載されるようになっている。 2013年時点で、ヘブライ語話者は全世界に約900万人存在し[38]、そのうち700万人は流暢にヘブライ語を話すことができる[39][40][41]。 2013年時点では、イスラエルにいるユダヤ人のうち90%はヘブライ語に堪能であり、70%は非常に堪能である[42]。イスラエルに住むアラブ人のうち約60%もヘブライ語に堪能であり[42]、30%はアラビア語よりもヘブライ語の方を流暢に操ることができる[43]。イスラエルの人口のうち53%がヘブライ語を母語としており、残りのほとんどの人々も流暢に話すことができる。ただし20歳以上のイスラエル人に限るとヘブライ語を母語とするものは49%にすぎず、そのほかの人々はロシア語、アラビア語、フランス語、英語、イディッシュ語、およびラディーノ語などを母語としていた。イスラエル内アラブ人のうち12%、および旧ソヴィエト連邦からイスラエルへ移民してきたユダヤ人のうち26%はヘブライ語をほとんどあるいはまったく話すことができない[42][44]。 21世紀初頭において、ヘブライ語話者が多数を占める国家はイスラエル一国のみである。イスラエルにおいてヘブライ語はアラビア語とともに公用語の地位にあったが、同国内におけるユダヤ人とアラブ人の人口及び政治的・経済的影響力の差によってヘブライ語の影響力の方が強く、ベンヤミン・ネタニヤフ政権は2017年5月7日にアラビア語を公用語から外して「特別な位置付けが与えられた言語」に格下げし、ヘブライ語のみを「国語」とする閣議決定を行った[45]。このヘブライ語単独公用語化を含むユダヤ人国家法は2018年7月にイスラエル国会で可決され[46][47]、アラブ系国会議員の抗議と辞任[48]やアラブ系市民の抗議デモを引き起こした[49]。
言語分布