ウェアラブルコンピュータのディスプレイ装置や、スポーツ[5]、医療[6] など幅広く利用されている。「バーチャル・リアリティ」、「バーチャル・リアリティヘッドセット」、および「スマートグラス」も参照
軍事ヘッドマウンテッドディスプレイ「Mounted Soldier System」を装備したアメリカ陸軍の戦車兵VRパラシュート訓練機(2006年)VR射撃訓練装置(2014年)
アメリカ軍など一部の軍では戦闘機で使用するヘッドアップディスプレイ (HUD) の代替として実用化がされている(JHMCSなど)が、ヘルメットの重量増加によるパイロットへの負担が懸念されている(戦闘機は激しいマニューバを行うため、ヘルメットの重量増加がパイロットに与える影響は大きく、例えばヘルメットの重量が100g増加した状態で9Gの旋回を行った場合、パイロットへの負担は900g分増加する事になる)。したがって戦闘機用ヘッドマウンテッドディスプレイの開発においては、必要な性能を満たしつつも、重量増加をどれだけ抑えられるかが課題だった。その後カーボンファイバーの加工技術が発達したため、非常に軽量なヘルメットが開発されているが、その分コストが問題となっている。
訓練用としては、パラシュートや射撃の訓練において屋内でも大型スクリーンを使わずに映像を見せるために利用されている。
歩兵部隊の情報支援への応用などが考えられている。また、航空機の俯瞰視点による操縦を実現する手段としても期待されている。
フィクションの世界では、1983年に映画「ブルーサンダー」中で既に登場していた。 ヘッドマウンテッドディスプレイにヘッドトラッキング(頭の動きを検知)の技術を組み合わせ、顔の向きに合わせて映像を連動させて360度の視界を表現する手法は、より臨場感の高いバーチャル・リアリティ (VR) を作り上げる方法として、1990年代半ばからコンピューターゲームに用いられている[7][8]。1990年代半ばには初期のブームがあり[7]、市販されたものとしては最初期の一つである「Forte VFX-1
コンピュータゲーム
しかし、1990年代にリリースされたVR用ヘッドマウンテッドディスプレイはいずれも個人で購入するにはあまりに高価であったり、あるいは専用のアミューズメント施設まで足を運ばなければ体験できなかったりと、遊ぶためのハードルが高く[9]、またVRを表現するハードウェアの性能も十分でなかったために魅力にも乏しかった[8]。更にハードウェアの応答性能の不足やノウハウの不十分さにより、感覚と視界がずれて乗り物酔いのような症状を呈する「3D酔い」など、健康面への問題も露呈した[7]。1990年代のブームは多くのユーザーや投資家の間に失望感を広めたまま失敗に終わり、こうした技術はその後20年間ほどは注目されないものとなっていた[7]。
その後技術の向上によって従来の問題点がある程度克服され、ジャイロセンサーや加速度センサーを搭載したスマートフォンが普及するようになると、2010年代にはVRに関連したヘッドマウンテッドディスプレイが個人での購入が可能な価格帯で相次いで市販されることが発表され、再び注目されるようになった[7][9]。クラウドファンディングのKickstarterに登場し話題となった「Oculus Rift」は、同じくKickstarterで話題となったトレッドミルの「Virtuix Omni」を組み合わせることでVR体験も可能となっている[9][10]。また、モーションコントローラ「Razer Hydra」[11][12] やショックフィードバック付きの多感覚スーツ「ARAIG」[13] もKickstarter上で発表されており、これらを組み合わせることでより没入感を高めたVR体験が期待できる。この他にも、見た目はサングラススタイルで軽量化を図っているNVIDIAの「Near-Eye Light Field Displays」[14] や過去の映像と現在の映像をシームレスに融合することで新たなVR体験を可能にしたソニーの「PROTOTYPE-SR」[15] など様々なシーンを想定したものが発表された。
こうしたVR対応のHMDが次々と発売された2016年は「VR元年」などと呼ばれ、メディアでも注目を集めることとなった[7][8]。特に同年10月に登場したPlayStation 4用のVRデバイス「PlayStation VR」により、VRゲームの本格的な普及が期待された。また、同年にはヘッドマウンテッドディスプレイを用いたVRエンターテインメントコンテンツの体験ができる実験施設をバンダイナムコが期間限定で開設しており[16]、アミューズメント施設を始めとした様々な施設での展開も想定されている。「ヘッドアップディスプレイ#コンピュータゲーム」も参照
監視