ヘッドマウントディスプレイ
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代表的なものとして、Oculus[注 1]Oculus RiftソニーPlayStation VRHTCValve Corporationが共同で開発したHTC Viveがあり、いずれも高解像度ディスプレイを備え、100度以上の視野角を備えた小型で軽量なヘッドマウントディスプレイだった[4]
分類
形状
眼鏡型
眼鏡の上部または前部に投影装置が装着されており、透明板部分に投影される。
帽子型
鍔の部分からディスプレイ装置が垂れ下がっている。ヘッドフォンつきのものもある。ヘルメットマウンテッドディスプレイと呼ばれることもある。
ディスプレイ方式
非透過
装着すると外の様子を見ることはできず、完全に別の世界にいるかのようになる。外の様子が見えないため利用者の安全に配慮する必要がある。
ビデオ透過(ビデオシースルー、Video See-Through)
ヘッドアップディスプレイの一種でもある。装着すると外の様子を見ることはできないが、カメラを通じてディスプレイに外の様子が映し出されているので、利用者は安全に移動することができる。
光学透過(光学シースルー、Optical See-Through)
ヘッドアップディスプレイの一種でもある。ディスプレイ装置はハーフミラーでできており、外の様子が見える。片目のみにディスプレイ装置がついているものもある。また、ホログラフィック素子を用いたディスプレイも開発されており、まさに眼鏡のレンズのような近距離に配置された導光板に映像を投影し、SFで描かれるような「映像が映る眼鏡」を実現化することも可能となっている。光学多層膜のハーフミラーを用いると、必要な情報のみ表示板の表面に表示しながら外の様子をシースルーで見ることが可能となる。
投影方式
虚像投影
ハーフミラーなどを利用することにより虚像を形成し、映像を観察できるようにするもの。
網膜投影
水晶体を利用して網膜に直接結像させるもの。利用者が近視や遠視などでも鮮明な像を見ることができる。ただ、眼球運動に左右されるため実装が非常に難しい。
自由度(Degree of Freedom:DoF)
3自由度(3DoF)
XYZ3軸の傾きを検出する方式。安価な代わりに位置情報が得られないためVRコンテンツの操作に制限が生じる(視点位置が固定されている実写・プリレンダーのVR動画コンテンツの視聴は問題ない)。
6自由度(6DoF)
傾きに加えて三次元空間における位置情報を検出する方式。より没入感の高いVRコンテンツが体験できる反面、システムが大型化・高額化してしまう難点があったが、近年はOculus Questの様に本体内蔵のカメラのみで6DoFを実現した製品も登場している。
応用

ウェアラブルコンピュータディスプレイ装置や、スポーツ[5]、医療[6] など幅広く利用されている。「バーチャル・リアリティ」、「バーチャル・リアリティヘッドセット」、および「スマートグラス」も参照
軍事ヘッドマウンテッドディスプレイ「Mounted Soldier System」を装備したアメリカ陸軍戦車VRパラシュート訓練機(2006年)VR射撃訓練装置(2014年)

アメリカ軍など一部のでは戦闘機で使用するヘッドアップディスプレイ (HUD) の代替として実用化がされている(JHMCSなど)が、ヘルメットの重量増加によるパイロットへの負担が懸念されている(戦闘機は激しいマニューバを行うため、ヘルメットの重量増加がパイロットに与える影響は大きく、例えばヘルメットの重量が100g増加した状態で9Gの旋回を行った場合、パイロットへの負担は900g分増加する事になる)。したがって戦闘機用ヘッドマウンテッドディスプレイの開発においては、必要な性能を満たしつつも、重量増加をどれだけ抑えられるかが課題だった。その後カーボンファイバーの加工技術が発達したため、非常に軽量なヘルメットが開発されているが、その分コストが問題となっている。

訓練用としては、パラシュートや射撃の訓練において屋内でも大型スクリーンを使わずに映像を見せるために利用されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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