彼女たちは、3人あるいは4人、それ以上の7人ともいわれる。ウェルギリウスによる『アエネーイス』第4巻の注釈の中でセルウィウスは、ヘーシオドスによればヘスペリデスは夜の女神・ニュクスの娘たちであり、アイグレー(Aegle、輝き・明るい女)、エリュテイア(Erytheia、紅・赤い女)、牝牛の眼のヘスペレトゥーサ(ox-eyed Hesperethusa、夕焼け女)の3人姉妹で構成されるとしている。アポロドーロスは、ヘスペリデスは多くが日没に関係した名前を持ち、前述の3人姉妹の中のヘスペレトゥーサからヘスペリアー(Hesperia、夕方の女)へ名前を変更し、アレトゥーサ(Arethusa)を加えた4人の姉妹だと述べている[5]。まったく異なる説として、リパラー(Lipara、柔らかい輝き)、クリューソテミス(Khrysothemis、黄金の掟)、アステロペー(Asterope、星の煌めき)、ヒュギエイア(Hygieia、健康)があり、さらにゴルゴーンがヘスペリデスの園に住んだとされることから、混同されてゴルゴーンのメドゥーサ[注釈 3]を加えるものもある[6]。通常は3人の美しい姉妹として描かれる。
明らかになっているヘスペリデスたちの名前は下表参照。
ヘスペリデス古代ギリシア語ラテン語名前の意味
アイグレーΑιγληAegle輝き・明るい女
エリュテイア
エリュテーイスΕρυθεια
Ερυθει?Erytheia
Erytheis紅・赤い女
ヘスペレトゥーサ?σπερεqουσαHesperethusa夕焼け女
ヘスペリアー
ヘスペリエー
ヘスペルーサ
ヘスティア
ヘスペレイア?σπερια
?σπεριε
?σπερυ?α
?στ?α
?σπερειαHesperia
Hesperie
Hesperusa
Hestia
Hespereia夕方の女
ヘスペラ
ヘスペレ?σπερα
?σπερεHespera
Hespere黄昏の女
アレトゥーサΑρεθουσαArethusa-
アイリカーΑιρ?καAerica-
リパラーΛιπαραLipara柔らかい輝き
クリューソテミスΧρυσοθεμι?Khrysothemis黄金の掟
アステロペーΑστεροπηAsterope星の煌めき
ヒュギエイア?γιε?αHygieia健康
3人説 - アイグレー、エリュテイア、ヘスペレトゥーサ(ヘーシオドスとウェルギリウス作『アエネーイス』についてのセルウィウスの註より)
3人説 - アイグレー、ヘスペリエー、アイリカー(ヒュギーヌスより)
3人説 - アイグレー、エリュテーイス、ヘスペレ(ペルガのアポロニウスより)
4人説 - リパラー、クリューソテミス、アステロペー、ヒュギエイア(カール・ケレーニイより)
4人説 - アイグレー、エリュテイア、ヘスペリアー、アレトゥーサ(アポロドーロスより)
4人説 - アイグレー、ヘスペリエー、メドゥーサ、アレトゥーサ(フルゲンティウスより)
7人説 - アイグレー、エリュテイア、アレトゥーサ、ヘスティア、ヘスペラ、ヘスペルーサ、ヘスペレイア(ペトルス・アピアヌスより)
系図