プロ野球選手
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ただし年俸の減額に関しては野球協約92条で制限が設けられており、年俸1億円以上の選手の場合40パーセント、1億円未満の選手の場合25パーセントを超える減額は原則行われない(減額制限以上の減俸を行う場合は戦力外通告と同じ期間内に選手の同意を得る必要があり、選手が同意しなかった場合は球団はやはり当該選手を自由契約としなければならない)[20]

バットグラブ、シューズなどの用具も選手個人が気に入ったメーカーと契約して使用する[21]
現役期間

プロスポーツ選手全般に言えることだが、プロ野球選手が現役でいられる期間はそう長くない。プロ野球選手の平均引退年齢は約29歳とされており[22][23]、また選手の平均現役年数は約9年である[22]

現役生活を20年以上続けたり、40歳を超えても現役を続ける選手(フランチャイズ・プレイヤージャーニーマンも参照)もいるが、そのように長期に渡って活躍する選手は全体からすると極僅かである。現役最長在籍記録は山本昌の32年、一軍公式戦出場実働最長記録は工藤公康中嶋聡・山本昌の29年である。ちなみに、2015年10月7日時点で、選手として公式戦に出場した年齢では、最年長記録は山本昌の50歳1か月、最年少記録は戦前(年少労働者保護規定なし)が西沢道夫の16歳。労働基準法児童福祉法下における最年少記録は高校を中退してプロ入りした古沢憲司の16歳4か月である。
引退後

引退後は、野球監督やコーチなどの指導者、スカウト、スコアラー打撃投手ブルペン捕手、球団職員などスタッフとして球界に残ったり、野球解説者野球評論家として活動する例が挙げられる。

しかし、毎年発生する引退選手に対して野球関連のポストは限りがあるために、野球関連の仕事に就けない者も多数出ることから、野球とは別の分野に就職することになる選手も多い。NPBが2007年から2014年に退団した選手への調査を行ったところ、平均して2割から3割程度の選手が野球関係以外の道を選んでおり、進路不明の者も相当数存在する[24][注釈 5]。野球関連ではない仕事で成功した例としては、親会社のはからいで映画俳優になった八名信夫板東英二宮本和知パンチ佐藤長嶋一茂金村義明岩本勉のようにそのキャラクターを活かしてタレントとして定着した者、江本孟紀三沢淳高橋栄一郎石井浩郎山本賢寿のように政治家になった者、他のプロスポーツに転向して活躍した尾崎将司プロゴルファー、尾崎正司)、ジャイアント馬場プロレスラー、馬場正平)、宮本孝雄競輪選手、宮本孝男)、早瀬薫平(競艇選手、早瀬猛)、野田昇吾(競艇選手)、龍隆行プロボウラー)が挙げられる。また、玉葱農家として成功した河野博文うどん製造の修行をしてうどん店を開業した條辺剛[25]のように実業家として成功する例もある。

しかし、こういった成功例がある一方、現役引退後思うような生活が送れない元選手が自殺したり[注釈 6]犯罪に関わったりする事例もある[注釈 7]

里崎智也は、「プロ野球選手は球団関係者などが身の回りのことを何でもしてくれる」「生活力の無い選手ほど身の回りのことをやってくれる年上の女性と結婚して、益々野球しかしない人間になる」と語っており、それこそ「引退したら何もできない、(野球バカの)元選手が相当数存在する」と指摘している[26]

こうしたことから、プロ野球OBが自助努力として再就職をお互いに支援していこうという気運が高まりつつある。例として、日本プロ野球OBクラブパソナと連携したプロ野球OBの就活支援活動を行っている[27]。また、NPB側でも2010年代からは選手のセカンドキャリアに対する支援を強化している。2013年には日本野球機構と日本学生野球協会との合意により、学生野球資格回復研修を受けることによってプロ野球OBによる高校・大学野球の指導が可能となった[28]ことで、セカンドキャリアの間口が広くなったと言える。2016年までに、850人以上がこの制度を利用して学生野球資格を回復している[29]

NPBは2007年以来毎年若手プロ野球選手に対してセカンドキャリアに関する意識調査を行っているが、「引退後に不安を感じている」と答えた選手の割合は概ね7割程度を推移している[30]。また、引退後の希望進路については、高校野球の指導者と回答する選手が多数を占めている[30]
メジャーリーグの選手メジャーリーグの選手(アレックス・ロドリゲス


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