スコットはプロデュースし、元CM監督のカール・エリック・リンシュに監督させようとしたが、『エイリアン』フランチャイズの権利を所有している20世紀フォックスはスコットが監督するのを望んでいた[20]。2009年7月までにスコットは監督に着任した。同時期に脚本家のジョン・スペイツはフォックスにアイデアを売り込み、スタジオとスコットはその内容を気に入り脚本家として雇われた[21]。この段階での公開予定は2011年12月だった。しかし、絵コンテ等は既に完成していたにもかかわらず、2010年9月に会社側からの予算削減要請に基づき、脚本家のデイモン・リンデロフがスペイツの脚本を改訂するために雇われた[22]。10月、リンデロフは改訂した脚本を20世紀フォックスに提出した。リンデロフの脚本とそれを基にした1億5千万から1億6千万ドルの製作予算にスタジオは喜んだ(スコットは当初、R指定として製作し、2億5000万ドルの予算を要求したが、残念なことに20世紀フォックスはそれだけの予算をPG-13でない映画に投資するのを嫌がった)[23]。なお、スペイツの書いたシナリオはネットに流出しており、スペイツ本人も本物と認めている。大まかに日本語訳されたものも存在し、大規模掲示板にて参照できる。
映画が「パラダイス」のタイトルで公開されるという噂があったが、20世紀フォックスによって否定された[24]。2011年1月、製作会社重役の提案により映画のタイトルは『プロメテウス』となり、2012年に公開されることがわかった[25]。スコットは以前、「新作は『エイリアン』シリーズの明確な前日譚である」とマスコミに語っていたが、それを訂正し『エイリアン』フランチャイズとの本作の結びつきは控え目であるとした。彼は「『エイリアン』シリーズが出発点ではあるが、創造のプロセスのなかで、新たな神話と宇宙へと進化した。シリーズとは異なるオリジナルな物語が展開されるが、ファンなら必ずそこに『エイリアン』のDNAを見いだすだろう」と述べた[26][27]。しかし2011年2月12日、ファスベンダーはMTVに対し、本作が『エイリアン』の前日譚であると話し、「『プロメテウス』は『エイリアン』に絶対に繋がる」「明確な接続静脈がある」と述べた[28]。2011年6月インタビューで脚本のデイモン・リンデロフは、『エイリアン』の前日譚ではあるが、別のストーリーに続くと主張し、「本当の前日譚は本質的にはオリジナル映画の出来事に先行する必要があるが、本作は同じ世界を舞台にするものの、完全に何か異なり、異なったキャラクターが描かれ、そして完全に異なったテーマを持っている。それがこの映画がなりたがっているものについての私の基本的な印象だ」と述べた[29]。 製作は徹底した秘密主義の下で行われた[30][15]。キャストたちはプロジェクトへの参加が決まるとすぐさまスコットによって守秘義務契約にサインすることを要求された[31]。 2010年11月10日、本作のVFXデザイナーのヘンリー・サウスは映画が製作に入ったとツイートした[32]。アーサー・マックス
プリプロダクションと撮影
1作目のアートディレクターであるロジャー・クリスチャンは3Dで撮られるだろうと推測し[35]、そして後にスコットはそうすることを明らかにした。