プロボクサー
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連盟は、国の資金で強化した選手は連盟の財産であるとして、連盟の登録選手に対する直接勧誘の禁止、選手の引退後の生活保証などについて内規を設ける方針を示し[10]、同年5月26日の総会でアマチュア規則細則を定めた。この細則は同年7月1日から施行されている。連盟の登録選手はあらかじめ、アマチュアボクシング憲章、倫理規定、アマチュア規則、競技規則、アマチュア規則細則に従う旨の誓約書を提出し、またプロから勧誘されたり、対価を得ての競技活動をする場合には申請書を提出して連盟の承認を得る必要があるとした(通称「村田ルール」)[15][16][17][18]。その後、7月11日開催の緊急執行部会で、アンダージュニア(小学生・中学生)の登録選手には誓約書の提出を求めないことを決議している[19][20]。この村田ルールは、登録選手が日本以外での国でプロボクサーになる場合にも適用される。

JBCのライセンスは有効期限が1年で、毎年1月に事実上自動的に更新される。プロボクサーはライセンス更新にあたって最近1か月以内の健康診断書提出が義務付けられており、この健康診断で重篤な疾病が発覚した場合はライセンスが更新されないことがある。また、セミリタイヤ状態にあった選手が長期ブランクから復帰する場合はプロテストの再受験を課せられる例もある。日本におけるプロボクサーの年齢制限は2023年7月までは原則的に36歳で、37歳になると自動的にライセンスは失効していた。ただし、現役のチャンピオンは王座から陥落するまで、またトーナメント戦に出場している者はそのトーナメントで結果が出るまでライセンスは有効である。

また、ライセンスの有効期限内であっても、網膜剥離など重度の眼疾が発見された場合や、脳疾患の発覚および開頭手術を伴う外科手術を受けた場合など、健康上重大な問題が発覚した場合はJBCから引退勧告の対象となり、現役続行が事実上不可能となる。ただし、網膜剥離を完治させた選手については、かつてこの眼疾を克服した辰吉丈一郎が強く復帰を望んだ結果、厳重な医療診断の上で、世界タイトルマッチまたはこれに準じる試合のみ国内での試合出場が可能となった経緯があり、さらに2013年からは完治した場合は引退勧告の対象から外されることになった。2021年12月9日の規定変更では頭蓋内出血を完治させた選手も同様となり、旧規定で引退となった山中竜也が現役復帰を表明した[21]。「網膜剥離罹患者は事実上引退」という時代には、現役続行を諦めきれないボクサーが「一国一コミッション」の原則に反して一時存在したIBF日本などの弱小コミッションに活路を見出そうとしたり、出場にJBCライセンスを必要としない海外のリングで復帰したりする例が見受けられた。

なお現在は、世界ボクシング協会(WBA)、世界ボクシング評議会(WBC)、国際ボクシング連盟(IBF)、世界ボクシング機構(WBO)認定の世界王者、東洋太平洋ボクシング連盟(OPBF)認定の東洋太平洋王者、WBO認定のアジア太平洋王者、あるいは日本王者となったキャリアを持つ者、WBA、WBC、IBF、WBO認定の世界タイトル挑戦経験者、現役の世界ランカー(WBA、WBC、IBF、WBOの15位以内)、あるいは日本ランカーに限り、37歳を過ぎても試合に出場することが可能である。ただし、この特例の申請はその選手の最終試合から3年以内(2008年のルール改正以前に最終試合に出場した者については5年以内)とし、JBCによる審査とコミッションドクターによる頭部MRI検査など特別診断をパスすることが条件となる。身体に異常が見つかった場合や、直前の試合内容に年齢的・肉体的な衰えが顕著であった場合などはJBCより引退勧告が出され、以後は特例の認可はされなくなる。

2023年7月19日のJBC理事会において、安全性の向上を理由に35歳以上のライセンス更新あるいは再交付に当たり前出の特別診断をパスすることを条件に、年齢制限を撤廃することが決められた[22]
女子日本の女子プロボクサー、高野人母美

JBCによる女子プロボクシングの公認は2008年であるが、それ以前からも非公認ながら国内で女子プロボクシングが行われていた。

日本初の女子プロボクサーは高築正子とされている。高築は女子プロボクシングが既に解禁された1970年代後半の米国でデビューを果たし、帰国後に全日本女子格闘技連盟にてキックボクサーとボクシングルールの試合を行った。

全日本女子格闘技連盟解散後、女子プロボクシングは長らく途絶えるが、1990年代にマーシャルアーツ日本キックボクシング連盟(MAキック)で当時の理事長山木敏弘の発案によりボクシングルールの試合が組まれ、後に日本女子ボクシング協会(JWBC)として独立し、以降の管理・運営に当たっていた。JWBC時代は年齢制限はなく、フリーのジムやキックボクシングなど他格闘技との掛け持ちも認め、さらにプロテスト審査もJBCより緩かったため、100人を超えるプロボクサーがJWBC管理下で活動していた。

JBCに移行してからは基本的に男子同様の受験資格等に合わせられたが、特例として初年度はJWBCや海外、アマチュアで実績のある選手は33歳以上でも受験を認め、2009年にも再度33歳以上36歳以下に特例を適用した。

また、プロテストとは別にプロトライアルマッチと呼ばれる準公式試合に出場して20ポイントを獲得すればC級ライセンスが交付され、これについては年齢制限は設けず、37歳以上でもJBCの審査と特別診断を通過すればライセンスを得られる。

2013年にもアマチュアでタイトルを多数獲得した好川菜々(当時35歳)が特例でB級プロテストを受験して合格した。

現在、女子ボクシングの競技人口増加と認知度アップを目的として様々な検討が重ねられている[23]

2017年にはJBC女子ボクサーライセンス保持者は141人まで増加した[24]。2021年現在は122人[25]

2017年より女子日本育成ランキングが開始され、段級位問わず1勝以上、B級テスト合格者は即座でランキング評価の対象になるが、女子日本王座挑戦については6回戦1勝以上で権利が与えられる[6]
アマチュア国際大会経験者

オリンピック(OG)・世界選手権(WC)の出場経験を有するJBCボクサーライセンス取得者。特記なき場合は日本代表。*は女子。

米倉健志(1956年OG)

田辺清(1960年OG銅)

芳賀勝男(1960年OG)

桜井孝雄(1964年OG金)


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