プロトカルチャー_(マクロスシリーズ)
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ウィンダミア人の国家「ウィンダミア王国」の宰相にして、プロトカルチャーを研究する学者でもあるロイド・ブレームは、プロトカルチャーが最後に生み出したのがブリージンガル球状星団の人類種であり、自分たちが正統なプロトカルチャーの後継者だとする論文を発表している[* 6]。ウィンダミア王国は新統合政府による圧政からの解放を大義に掲げ独立戦争を起こし、母星に眠っていたプロトカルチャーが建造したとされる巨大戦艦「シグル=バレンス」を起動させ、遺跡上に亜空間から出現した巨大システムを用いて球状星団全体に「制風圏」を確立する。

ウィンダミア王国には、プロトカルチャーが遺したとされる「星の歌い手」と呼ばれる存在が言い伝えられている。ウィンダミア王家やそれに近い者の命令によって動き、各惑星のシステムがその歌に反応して人類の意識を同調させ、巨大なネットワークを形成するとされており[* 7]、ロイドは、全人類の意識を同調させることでウィンダミア人の命の限界を超え、永遠に銀河を統治するという秘めた目的を実現するため、当初は「星の歌い手」の子孫と伝えられる「風の歌い手」を用いようとするが思い通りにいかず、王国の神殿との干渉後は、地球人が神殿より回収した細胞片から作り上げたとされる「星の歌い手」のクローン、美雲・ギンヌメールを用いることになる。「風の歌い手」とは本来は「星の歌い手」が用いるシステムを起動させる安全装置のような存在とされる[13]

なお、人類が時代によって大きく異なるように、長きにわたって繁栄したプロトカルチャーも各時代で異なった存在であり、上述の「愛・おぼえていますか」のメモリープレートを作成したのが比較的平和な時代の前期プロトカルチャー、ブリージンガル球状星団にたどり着いたのが滅亡に瀕した時代の後期プロトカルチャーに位置づけられる[13]。劇中、ウィンダミア王国の支援者であるイプシロン財団ベルガー・ストーンは、第一次星間大戦以降の人類史において歌が重要な役割を示してきたことに関して、プロトカルチャーが歌を兵器として利用するため、人類種の遺伝子に歌の情報を組み込んだのではないかという仮説を唱えるが[* 8]、これはあくまで武器商人であるベルガーの視点から述べられているだけのもので、作品世界における「普遍的な事実」ではないとされる[13]
ロボテック版

海外版である「ロボテック・シリーズ」では、少なくともハーモニーゴールド USA社の定義する公式の プロトカルチャー ("Protoculture") は太古の異星人ではなく、『超時空騎団サザンクロス』に登場する植物「生命の花」に由来する、太古から存在したバイオマス・エネルギーそのものを意味する。

『ロボテック』の世界では、『超時空騎団サザンクロス』登場のゾル人は「ティロル人(Tirolian)」と呼ばれ、かつ超古代星間文明人の末裔である「ロボテック・マスターズ (Robotech Masters) 」[注 4]の別名であり、初代テレビシリーズ『超時空要塞マクロス』未登場の監察軍であるとされ、彼らの遠い祖先たちは、はるかな過去において 銀河帝国ともいえる強大な文明圏を有していた。

ヴァリヴェール (Valivarre) 恒星系に存在するガス惑星木星型惑星)ファントマ (Fantoma) から遠く離れている第3の月(衛星)であるティロル (Tirol) の主要国家テイレシア (Tiresia) の科学者、ゾア・デリルダ (Zor Derelda) は、インビッド (Invid) の原初の故郷であるツプツム (Tzuptum) 恒星系惑星オプテラ (Optera) において、497,500年前("en:List of Robotech characters#Zor" を参照)に生命の花から「プロトカルチャー」という強力なエネルギーを抽出する技法を発見した。

その一方で非公式の英語圏ファンダムにおいては、日本版の原典の意味 (Proto Culture or Puroto Kerlchuun, what means Old Culture or Ancient Culture in the fictional Zentradi language, and earthling culture itself.) を汲んだ用法もみられ、両者の用法が混在している[14][15]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ その政体は「銀河帝国」もしくは「星間共和国」。『超時空要塞マクロス』におけるゼントラーディ軍の兵器などに関する説明では前者が使用され[1]、同作品および後継作品における年表では後者が使用されている[2][3][4]
^マクロス7』終了後に発表された年表では、巨人兵ゼントラーディは星間共和国統一前に開発され、その版図拡大に貢献したとされている[3][4]
^ 『マクロス・パーフェクト・メモリー』の記事「ルーツ・オブ マクロス」においては、1981年11月末に全39話の構成表が作成され、1982年2月に対外用のストーリー構成表が作成されたと記されている[6]。これが同書に掲載されている構成表と同一のものであるかどうかは記されていない。
^ 彼らは常に一卵性の三つ子で情報・判断・行動を司る個体が三位一体で行動するため、個人でも常に複数形扱い。詳細は「ゾル人」の解説を参照。

出典^ 『マクロス・パーフェクト・メモリー』みのり書房、1983年、168 - 182頁。
^ 河森正治「マクロス年表」『マクロス・パーフェクト・メモリー』54頁。
^ a b c 「短期集中連載第1回 Dr.チバの、とってもくわしい! マクロス世界史講座」『アニメージュ』1995年11月号、徳間書店、84頁。
^ a b c d e 河森正治・千葉昌宏「MACROSS HISTORY」『マクロスプラス MOVIE EDITION』『マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!』劇場パンフレット、ビックウエスト、1995年。
^ 河森正治「空白の2年間」『マクロス・パーフェクト・メモリー』62頁。


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