プロット_(物語)
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それ以降、物語論においては、ロシア語のファーブラ (Fabula) が「ストーリー」として、同じくシュジェート (Syuzhet) が「プロット」として、それぞれ置き換えられる場合がある[23][24][要ページ番号]。ファーブラは、出来事を起こった時間の順に並べたものであるのに対して、シュジェートは、それらの出来事を語られる順に並べ直したものである[25]ボリス・トマシェフスキーは、「要するに、ファーブラというのは実際に起こったことであり、シュジェートとは読者がその内容を知った仕方である」と説明している[26][27]
プロットの作成「三幕構成」も参照三幕構成の見取り図[28]

一般に、映画は三幕構成になっている。三幕構成のモデルは映画制作の基礎である[29][30]。三幕構成では、映画は3つの幕 (act) に分けられ、それぞれの幕は「設定」「対立」[31]「解決」の役割を持っている[32]。幕と幕はターニング・ポイント[33] (プロットポイント) でつながっている[34]。ターニング・ポイントとは、幕と幕の境目にあり、「アクションを起こさせ、物語を違う方向性に向かわせる事件やエピソードなど」を指している[35]。実際のプロット作成には以下のような技術が用いられている (後述)。
トリートメント

トリートメント(英語版) (日本でいうプロット) は、ストーリーがどのように始まり (設定)、どのような展開 (対立、衝突) があり、どのように終わるのか (解決) を、短編小説 (short story) として非常に手短に要約した文書である。トリートメントは、プロット (ストーリーライン) の流れを論理的に書くものである。そのため、トリートメントによって、ストーリーの問題点が明確になる。一方で、脚本家は、満足するまでプロットを自由にリライト (書き直し) できる。トリートメントには、ストーリーの短いあらすじ (シノプシス) との大きな違いはない。トリートメントの枚数は通常、8-15ページである。アメリカにおいても、製作者の依頼により、脚本の要約としてトリートメントを求められる場合がある。その場合の枚数は、通常、5-12ページである[36]。反対に、企画の売り込みに用いられる場合には、トリートメントは通例、1-3ページのシノプシス (synopsis) や、ログライン(英語版) (logline)[注釈 1]、ときにはマーケティング・フック (marketing hook)[注釈 2] から成り立つ[37]。トリートメントは、三幕構成に基づいたプロットが書かれたものであり、幕と幕をつなぐターニング・ポイントも書かれているが、未だシーンには分割されておらず[7]、シーンに分けられるのは次のアウトラインである (後述)。
アウトライン

アウトラインは、それぞれのシーンを数行で書き出したものである。これは実際の脚本に最も近い段階であり、シガーによれば、アウトラインの情報だけで脚本を書き始めることが出来る。以下は『アナと雪の女王』('13) の冒頭の例[38]である〔出典の例を改変〕[39]
アナが寝ているエルサを起こし、舞踏室で魔法の雪遊びをする。ここでアナとエルサを設定する。

アナとエルサの関係を固める。姉妹はオラフという名前の雪だるまを作る。

アナがエルサのミスで氷の魔法を頭に受ける。国王夫妻が異変に気づく。

一家はトロールの集落に急ぐ。長老はアナを回復させ、警告する。アナは魔法の記憶を消される。

魔法の存在を伏せるため、エルサは国王により部屋に隠される。アナもエルサから引き離される。

ジャーナル

ジャーナル[注釈 3]は、キャラクターの掘り下げを行うための手記である。ジャーナルは、キャラクターの内面を描写し、それにより、キャラクターの言動を理解するツールになる。ジャーナルでは、キャラクターの人物描写、行動、人間関係、収入、家族構成、および学歴/学校歴などといった種々の情報が明確にされる。書き手の知人の中に、キャラクターと似ている点を見出すことも方法の一つである。また、ジャーナルによって作品のテーマを考察することも出来る (テーマがキャラクターに与える影響など)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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