プロサッカー選手
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現所属クラブとの契約満了の6ヶ月前から、プロ選手は別のクラブと自由に契約ができるようになる[11][12]
歴史

サッカーにおいてプロフェッショナル選手が誕生したのは、19世紀から20世紀に掛けてのイングランドである[13]。当初のクラブは、街や地区、教会、企業、工場、パブなどのコミュニティーを単位として運営されていた。選手はサッカーとは別個の仕事を持っており、収入はここから得ていたが、クラブ間の競合が激しくなり、選手にもレベルアップが求められるようになると特に労働階級出身の選手に対して練習の時間を確保し、収入の道を絶たれる怪我を恐れずにサッカーができるような体制をとるため、サッカーをする事そのものに対して報酬(保証金)が支払われるようになった。これがプロフェッショナルプレーヤーの誕生である。
プロフェッショナルプレーヤーの誕生と拡大

サッカーの競技・興行の運用規則については、1863年のイングランドにおいてのフットボール・アソシエーション (FA) の設立と同時に、初めて文書化された。このときは、パブリックスクールやそれらを母体とするチームによるプレーが主であり、アマチュアリズムが規範であった。

1880年代には労働者階級のチームが支配的となった。主に工場労働者からなるブラックバーン・オリンピック(英語版)は1883年のFAカップ[14]で優勝し[15]、労働者階級のチームとしては初のことであった[16]。当時はプロフェッショナリズムは許可されていなかったが、ブラックバーン・オリンピックは選手のために仕事を用意し、選手の収入を簿外報酬で補った[17]。このような方式は、ランカシャーのクラブでは一般的であったとされる。

イングランド南部のアマチュア理想主義のチームと同国北部の工業都市のプロフェッショナリズムが浸透しつつあるチームとの差は、1884年に顕在化した。プレストン・ノースエンド(本拠は同国北部)がアップトン・パーク(本拠は同国南部のロンドン)を破ってFAカップで優勝した際には、プレストン・ノースエンドの勝利は不当なプロフェッショナリズムによるものであるとして、アップトン・パークが結果を覆すことを求めて抗議した。これをきっかけにFAは分裂の危機に陥った。プレストン・ノースエンドはFAカップから撤退し、同じランカシャーのクラブのバーンリーとグレート・リバー(英語版)も後に続いた。ついには30を越えるクラブがこの抗議運動に加わり、主に同国北部のチームらによって、FAがプロフェッショナリズムを認めなければ対抗組織としてブリティッシュ・フットボール・アソシエーションを設立すると宣言された[18]。この18カ月後にFAは抗議を受け入れ、1885年7月にはイングランドにおいてプロフェッショナリズムが公式に認められることとなった[13][19]

イングランドのクラブはプロ選手を雇用するようになったが、スコットランドサッカー協会はこれを禁止し続けた。その結果、多くのスコットランド人選手がイングランドのクラブへ移った。当初、FAはこれを防ぐために居住制限を設けたが、1889年にこれらは撤廃された[20]フットボールリーグの初年度(1888-89)、優勝クラブのプレストン・ノースエンドには10名のスコットランド人プロ選手がいた[21]。スコットランドFAは1893年にプロフェッショナリズムの禁止を撤廃し、560名の選手がプロフェッショナルとして登録された[22]

イングランド以外の地域では、1920年代までアマチュア主義が幅を利かせて、こうした動きをルールによって規制する事が一般的であった。又プロ化する事で報酬が限りなく上昇する事も問題視されていた。(この問題は現在に至るまで解決されていない。)それでも1920年代中ごろには、オーストリアチェコスロバキアハンガリーアルゼンチンなどがプロ化に踏み切った。
プロ化の年表

国年註
イングランド1885
[13]世界初のプロリーグであるフットボールリーグは1888年に設立された。
スコットランド1893[22]
アメリカ合衆国1921[23]
オーストリア1924[24]
ハンガリー1924[24]
イタリア1926[25]it:Carta di Viareggio
スペイン1926[26]
メキシコ1927[27]代表チームがプロ化した年。メキシコ初のプロリーグは1943年に設立された。
アルゼンチン1931[28]
チリ1931[29]
フランス1932[26]
ウルグアイ1932[30]
ブラジル1933[31]リオおよびサンパウロリーグ。


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