上記のバンドのほかに、イギリスでは、ソフト・マシーンをはじめとするカンタベリー出身のジャズ・ロック・バンドが体系化したカンタベリー・ロックが登場した。さらに、1960年代から1970年代にかけてドイツで生まれた実験的な音楽を指すクラウトロックもプログレッシブ・ロックの一派とされる。一方、1970年代のアメリカでは、カンサスやボストン、ジャーニーなどが台頭し、アメリカン・プログレ・ハードというジャンルが登場し、ヒット曲を連発した。だが、このジャンルはコーポレート・ロック、産業ロックなどと英米、日本の音楽ジャーナリズム、ロック・ファンから批判された。1970年代後半、パンク、ニュー・ウェイヴの登場により、ハードロックやプログレなど既存の勢力はパンク勢から激しい攻撃を受けた。その結果、プログレは衰退していった[11]。だが、のちにマリリオンらのネオ・プログレッシブ・ロックが現れ、再度注目されるようになっている。また、プログレッシブ・ロックの分野というよりもヘヴィメタルの分野に分類されるが、1990年代以降はドリーム・シアターなどによるプログレッシブ・メタルと呼ばれる音楽形態も生まれた。
プログレッシブという言葉を日本人が聞くとロックという言葉だけを連想するが、英語圏では「プログレッシブ・カントリー」[注 7]や「プログレッシブ・ブルーグラス」[注 8]など、気軽かつ頻繁に使用される。他にも、プログレッシブハウスやプログレッシブトランスというスタイルもクラブ・ミュージックのジャンルに存在する。
地域、サブジャンルと主なアーティスト
プログレ五大バンド
キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエス、ジェネシス、エマーソン・レイク&パーマー(EL&P)
イギリスのプログレの五大バンド以外の主なミュージシャン、バンド
ムーディー・ブルース、ジェントル・ジャイアント、ルネッサンス、ストローブス、カーヴド・エア、ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター[12]、バークレイ・ジェイムス・ハーヴェスト[13]、ダリル・ウェイズ・ウルフ、ザ・ムーブ、ジェイド・ウォリアー[14]、ファミリー、キャメル、グリーンスレイド、クワイエット・サン、ジェスロ・タル、ホークウインド、マイク・オールドフィールド、ナイス、アトミック・ルースター、マイティ・ベイビー、アフィニティー、グリフォン、ゴドレイ&クレーム、アラン・パーソンズ・プロジェクト[15]、U.K.
カンタベリー・ロックの主なバンド
ソフト・マシーン、キャラヴァン、ゴング、ハットフィールド・アンド・ザ・ノース、ナショナル・ヘルス、エッグ、ギルガメッシュ、ヘンリー・カウ1960年代後半にカンタベリーで結成されたワイルド・フラワーズを祖とする。複雑な変拍子や即興演奏を多用しジャズ・ロック色が強いものが、カンタベリー派の曲調の一つとされる。
チェンバー・ロックの主なバンド
サード・イアー・バンド、アート・ベアーズ[16]、ユニヴェル・ゼロ、アール・ゾイ、プレザン、アクサク・マブールロック以外のジャンルと結びつきが強いプログレのなかでも、とりわけ室内楽的なアプローチを大きく打ち出したジャンル。プログレッシブ・ロックと言っても、ロックの要素はあまりみられないことも多い。
シンフォニック・ロックの主なバンド
エニドキーボードや電子楽器を駆使し、プログレッシブ・ロックの壮麗な要素を強調した音像のバンド。エニドは、ほとんどクラシック音楽に聴こえる。
多国籍プログレの主なバンド
ツトム・ヤマシタズ・ゴー
イタリアン・プログレの主なバンド
PFM、イ・プー、バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ、オザンナ、ゴブリン、ニュー・トロルス、アレア、レ・オルメ、アルティ・エ・メスティエリ、オパス・アヴァントラ、ロヴェッショ・デッラ・メダーリャ、マクソフォーネ、イル・ヴォーロ、クエラ・ヴェッキア・ロカンダ、ロカンダ・デッレ・ファーテ、ラッテ・エ・ミエーレ、イル・バレット・ディ・ブロンゾ、チェルヴェッロ、ムゼオ・ローゼンバッハ