「アート・ロック」[3]や「ニュー・ロック」、あるいは「シンフォニック・ロック」と呼ばれる場合もあるが、それぞれ微妙な差異を持ち、それらをプログレッシブ・ロックの一派に含めることもある。また、イギリス以外のイタリア、フランス、オランダ、ドイツ、北欧にも、有力なバンドが存在し、ユーロロックとも呼ばれた[4]。 現在「progressive rock」は英語でも普通に使われている言葉である。省略形は「prog」。 日本におけるこの音楽用語の初出に関する一つの説として、1970年に発売されたピンク・フロイドの『原子心母/Atom Heart Mother』の日本盤のタスキに、「ピンク・フロイドの道はプログレッシヴ・ロックの道なり!」 (東芝EMIの石坂敬一が発案[5])というコピーが掲げられたのが初であるという説が有力とされる[注 2]。 「プログレッシブ」とは、「進歩的」「先進的」「前衛的」というような意味だが、プログレッシブ・ロック・バンドという場合、そのアルバムや楽曲などには次のような特徴がある。 上記の特徴は、ピンク・フロイド[9]、キング・クリムゾン[注 3]、イエス[注 4]、エマーソン・レイク・アンド・パーマー[注 5]、ジェネシス[注 6]などのバンドに見られる。ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエスなどのプログレッシブ・ロック・バンドのメンバーは、イギリスの中流階級出身者が多かった。ピンク・フロイド以前の1967年ごろには、すでにムーディー・ブルース、プロコル・ハルム、ナイスらの一部の曲に、プログレッシブな曲調が見られた[10]。フランク・ザッパらは、その音楽は十分に先進的、前衛的ながら、上記条件にあまり該当しないためにプログレッシブ・ロックにはカテゴライズされないこともあった。
詳細:歴史・定義
一部のバンドはアルバム全体を一つの作品とする概念(コンセプト・アルバム[6])も制作した
大作・長尺主義傾向にある長時間の曲
演奏技術重視で、インストゥルメンタルの楽曲も多い
技巧的で複雑に構成された楽曲(変拍子・転調などの多用)
クラシック音楽やジャズ、あるいは現代音楽との融合を試みたものも多く、演奏技術を必要とする
シンセサイザーやメロトロンなどといった、当時の最新テクノロジーを使用した楽器の積極的使用[7]
イギリスのバンドの場合、中流階級出身者が多かった[8]