スティーリー・ダンは、このアルバムが発売された時期にはまだ「グループ」として認識されていた(中心メンバーのドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーに加えて、ギタリストのジェフ・バクスターとデニー・ダイアス、多数の楽器演奏を受け持つヴィクター・フェルドマンらが過去のアルバム2作品双方でセッションのメインとして活動しており、5人全員がアルバムの内カバーに掲載されている)。このアルバムの支援として行われたライブツアーは、1990年代のスティーリー・ダン再結成以前における最後のライブ活動となった。これはフェイゲンとベッカーがツアー中のライブ活動に幻滅したのが理由であり、このことがライブ活動の停止、さらにはスティーリー・ダンメンバーの解散の原因となった。彼らが幻滅した理由の大半は、より複雑なものを要求していた聴衆からあまり歓迎されなかったことによるものであった。そのためか、その後フェイゲンとベッカーは、多くのスタジオ・ミュージシャンを起用したスタジオ・デュオとして、以降のアルバムをスティーリー・ダン名義でリリースしていくようになる。 1972年のデビュー作『キャント・バイ・ア・スリル』の引き締まったポップ性と、1973年の『エクスタシー』の広範囲な器楽の探求を折衷して、『プレッツェル・ロジック』では未だかつてないほど洗練されたポップ音楽が含まれ、1974年当時ラジオ放送されたいかなる音楽とも異なる作風に仕上がった。 収録曲「パーカーズ・バンド」は、伝説的なジャズ・サクソフォーン奏者チャーリー・パーカーへ献呈された曲である。また、「イースト・セントルイス・トゥードゥル・オー
作風