プリンター
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ASR-33はプラスチックカバーで覆われるなど、金属カバーの重厚な5単位ボー符号28型機と比較して劣るとされたが、ASCII符号のページプリンターとしては以後標準的存在であった。「テレタイプ端末」も参照
プロッタ詳細は「プロッタ」を参照プロッターの一例。Apple 410 Color Plotterとその出力結果。

プロッタあるいはプロッター(: plotter)は、点や線を描くことを目的とした装置である。プロッタ内部で、点や線を描くべき位置を具体的にXとYの座標を算出しつつ描くため「X-Yプロッタ」とも言う。グラフや簡単な線状図形を描くのに用いられてきた歴史があり、設計図を描くためにも盛んに用いられてきた。当初は様々な制御方式があったが、次第にHP-GLのような図形処理言語を用いて制御するようになった。

プロッタ以外には活字プリンターやドットマトリクスプリンタしかなかった時代には、プロッタは綺麗な線を描画できるほとんど唯一の機器であり、図面出力用機器の標準として使用されていたが、1990年代後半頃からは次第に大型インクジェットプリンターなどに置き換えられ、現在では特殊な用途以外は使われなくなっている。

描画にボールペンやインクペン、シャープペンシルなどを記録紙に相対的に移動して作図するものを「ペンプロッタ」と呼び、ペンを使わずラスター描画するものを「ペンレスプロッタ」と呼ぶ。

ペンプロッタには、記録紙を平らな台に固定し、ペンを縦横に移動する「フラットベッド型」の他に、両端に連続穴の開いた記録紙をスプロケットの付いたドラムで移動する「ドラム型」、記録紙を上下からローラーに挟み、摩擦で移動する「ペーパームービング型」といった形式がある。いずれもペンを上下させながら記録紙に対して物理的に相対移動して作図するので、時間がかかる、動作音が大きい、使用するペンの種類によってはペン先が磨耗して線幅が安定しない、といった欠点があった。

ペンレスプロッタには、「インクジェットプロッタ」、「感熱式プロッタ」、「静電プロッタ」、「レーザープロッタ」、「LEDプロッタ」がある。ペンレスプロッタは、ペンプロッタの置き換え用として開発されてきたが、印刷機構的には通常のプリンターと全く同じであり、HP-GLなどペンプロッタと共通の制御コマンドを使用できることによって通常のプリンターとの差別化がされていた。Windowsの普及やプリンタードライバの進歩によって、図面出力において制御コマンドを意識する必要がなくなり、ペンレスプロッタという分類自体ほぼ消滅した。

なお、プロッタの基本構造はそのままに、ペンの部分をカッター(刃物)に置き換えた、「カッティングプロッタ」がある。カッティングプロッタは「印刷機」というよりもむしろ「加工機」に分類される機械であり、主にカッティングシート等を切り抜くことを目的として用いられ、看板や自動車やバイクのボディーに貼る文字や図形の作成や、衣料用型紙の作成など、業務用分野で今も盛んに使用されている。またメイカームーブメントが盛り上がるとともに、DIY自作のための道具、シート状のものを加工するための道具として、3Dプリンタと同様に2010年代に個人にも再注目されるようになった。
熱転写方式詳細は「サーマルプリンター」を参照

テープに塗布されたインクを熱によって対象物に転写する方式で、主に熱溶融形昇華型とに大別される。
熱溶融形詳細は「溶融型熱転写印刷」を参照

テープに塗布されたインクを熱で融かし、などの対象物に転写する。一般家庭にパーソナルコンピュータが入り始めた時代には安価な家庭用プリンターとして使われた。その後、ワープロ専用機、小型ファクシミリ (FAX)、ラベルプリンター、航空チケット印刷などに使われている。また。デカールの印刷によく使われる。

日本では、マルスシステムによる切符類や(国内)航空システムにおけるチケット発行プリンターに長らく使用されていたが、前者は2色感熱紙の開発および低コスト化、後者はシステムの省スペース・省コスト化などの理由から感熱式に移行されてつつある。

顔料インクを用いるため、耐水性および耐候性に優れるが、カラー印刷の場合色の数だけ同じ手順を繰り返す必要があり色数が増す毎に印刷に要する時間が長くなり、複数回の紙送りを繰り返すため色ズレが発生しやすいという短所がある。インクリボンを装着せずに感熱式プリンターとして感熱紙に印刷できるものもある。

インクリボンを使うタイプでは、インクリボンに印刷した内容が残るため、印刷した証拠(ジャーナル)として活用できる反面、情報漏洩の原因になることもある。
昇華型詳細は「染料昇華印刷」を参照

インクに熱を加えて昇華させる方式で、熱量を細かく制御することでインク量の調節ができるため、写真に近い画質を得ることが可能である。DTP用や、フォトプリンター、ビデオプリンターがある。原理上染料インクが使われるために熱溶融形よりも耐水性、耐光性において劣るが、近年の昇華型インクにはラミネーションを施すことにより耐水性・耐光性を高めたものが主流となっている。
感熱式詳細は「サーマルプリンター」および「直接感熱記録印刷」を参照

加熱で変色する特殊な用紙(感熱紙)に印刷するための装置で、かつてはファクシミリの出力用に感熱ロール紙として広く使われていた。現在でも家庭用FAXやレシートに多いが、耐薬品性に乏しく、また、時間の経過により自然に変色や褪色を起こすという感熱紙の性質のために、長期保存に向かない。

顕色剤を内包した感熱性マイクロカプセルを使用する感熱紙もあり、サーマルヘッドの熱量に応じた濃度の顕色剤を放出し、紫外線でジアゾニウム塩を分解することにより定着する。フルカラーの可能なサーモオートクロームZINKがある。
放電破壊式詳細は「放電破壊プリンタ」を参照

導電性の加工を施した専用紙(放電破壊紙)の表層を放電で破壊することで印刷する方式である。
光露光加圧定着式

サイカラーが開発した方式で光重合樹脂で出来たマイクロカプセルの内部に顕色剤が入っており、露光することにより硬化し、加圧する事で未露光部の内部の顕色剤が放出され発色する[7]


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