プリンスホテル
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1990年代バブル崩壊後は、地価上昇を前提にした事業計画は軌道修正されたが、平成不況期にあっても、プリンスホテル事業はリストラや事業再編されず、2005年の「東京プリンスホテルパークタワー」の開業まで続けられていた。

2004年西武鉄道を舞台にした総会屋利益供与事件・有価証券報告書虚偽報告事件により、堤義明が失脚。2006年前半(2005年度末)に西武グループが西武ホールディングスの下で再編される際に、不採算施設については順次、営業終了もしくは不動産と運営権を売却することとなり、それ以外のコクド、(初代)プリンスホテル、西武線沿線施設を除く西武鉄道が所有するホテル・リゾート事業の不動産については「(二代目)株式会社プリンスホテル」のもとに集約・統合された。また、それまでプリンスホテルが発行していた、西武グループのレジャー施設を全て網羅した冊子『レジャーガイド』も2006年版をもって発売終了となった。

2006年の西武グループ再編以前までの「(初代)株式会社プリンスホテル」は、堤義明の計画立案により西武鉄道、伊豆箱根鉄道近江鉄道西武不動産といったコクドの傘下企業が主に首都圏と関西で開発した、あるいは地場企業とコクドの合弁や地方自治体の誘致による第三セクター方式で設立した運営会社(海外、苗場スキー場・軽井沢プリンススキー場以外のスキーリゾートなど)が開発した「プリンスホテル」のフランチャイズや客室販売など対外的なマーケティング事業が主体であり、経営自体は各社が行っているため統一的な戦略はなかった。(初代)プリンスホテルの自社物件は「サンシャインシティプリンスホテル」のみである。

2006年7月、高輪地区と品川地区の競合解消のため、2名いた総支配人を1名にし、高輪地区を上位とする地区統合を行なった。2007年12月中に、本社を埼玉県所沢市の西武鉄道本社ビルから、東京都豊島区東池袋のサンシャインシティプリンスホテルへ移転した。

2007年4月1日にホテルブランドの「プリンスホテル」はグレードに応じた3つのカテゴリーに細分化され、シンボルマークを一新した。

2017年7月3日、「パークレジス」と「レジャーイン」のブランドを展開するオーストラリアのステイウェルホスピタリティーグループからホテル事業を買収した[8]

2018年11月13日、イギリスの高級ホテル「ザ・アーチ・ロンドン」買収を発表。同社では最上級ブランドと位置付けて新設した「ザ・プリンス・アカトキ」へと2019年9月16日にリブランドされた[9]

2019年4月15日に本社を東京都豊島区南池袋の西武ホールディングス新本社ビル「ダイヤゲート池袋」14階・15階へ再移転した。

2021年12月に、ホテル・レジャー事業の運営会社を2022年4月にプリンスホテルから西武・プリンスホテルズワールドワイドに変更することを発表した[1]

2022年2月、プリンスホテルが持つ31施設をシンガポールの政府系投資ファンドGICに売却することを発表。同時に、それらの施設での受託運営権を取得することも発表した[10]
沿革

かつてプリンスホテルの事業法人であった旧プリンスホテルの2022年4月以降の沿革については、西武リアルティソリューションズを参照。

1956年6月 - 西武鉄道が株式会社プリンスホテルを設立。

1985年11月 - 西武鉄道の親会社である国土計画(後のコクド)の完全子会社となる。

2006年

2月1日 - プリンスホテルを存続会社とし、コクドと合併。

2月2日 - 西武鉄道に対して株式交換を行ない、西武鉄道を完全子会社化する。

2月3日 - 持株会社として西武ホールディングスを設立。同社へ株式移転を実施し、西武ホールディングスの完全子会社となる。

3月27日 - 会社分割手続きを実施し、コクドの合併に伴ってプリンスホテルが保有していた関連会社管理機能を西武ホールディングスへ承継させる。西武ホールディングスを持株会社とした現在の形となり、グループ再編を完了した。


2007年4月1日 - プリンスホテルを再編し、3つのカテゴリーに分ける。ロゴマークを変更。

2021年12月13日 - 西武・プリンスホテルズワールドワイドを設立。

2022年4月1日 - プリンスホテル(現在の西武リアルティソリューションズ)がホテル・レジャー事業を西武・プリンスホテルズワールドワイドに承継した[1]

特色

景色が良い場所に立地している事が多いため、窓が大きく、カーテンも壁面に隠れる設計になっている。建物が円筒形や三角形だったり、全層吹き抜けのアトリウムを採用する等、特徴的な構造のホテルも複数運営している。

ホテルでのディナーショーは、プリンスホテルが先駆けた。1978年東京プリンスホテルに3千人収容の大宴会場「鳳凰の間」が開業する際、「空間を利用してお客の育成、開発を考えよう」という堤義明の発想により、当時、五木ひろしの米国ラスベガス公演成功を知った堤は、ディナーショー形式でそのまま鳳凰の間に持ってきた。このディナーショーは大成功を納め、以降様々な有名人のディナーショーが開催されることになった。新高輪プリンスホテルには5千人収容の「飛天」など、多くの主宴会場(ホール)を有しており、空間を売る一つの戦略である。
運営ホテル・宿泊施設
ザ・プリンスギャラリー

「ザ・プリンス」を上回る最高級クラスで、ラグジュアリーホテルのブランド。

ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町東京都千代田区紀尾井町) - 赤坂プリンスホテル跡地に建設された東京ガーデンテラス紀尾井町内に2016年7月開業[11]マリオット・インターナショナル(旧:スターウッド・ホテル&リゾート)の高級ブランド「ラグジュアリーコレクション」に加盟する[12]。赤坂プリンスホテルの旧館は「赤坂プリンス クラシックハウス」として移設され、同時開業した。

ザ・プリンス

海外の「マウナケアビーチホテル」と共に、プリンスホテルのフラグシップとして位置づけられている上級クラスのホテル。6施設が該当。

ザ・プリンス さくらタワー東京東京都港区高輪) - 1998年に「高輪プリンスホテル さくらタワー」として開業。2013年に改装し、オートグラフコレクションに加盟。

ザ・プリンス パークタワー東京(東京都港区芝公園) - 2005年に徳川家霊廟跡に存在した「芝ゴルフ場」跡地に「東京プリンスホテル パークタワー」として開業。丹下憲孝丹下都市建築設計)の設計で、客室内装は村野・森建築事務所。

ザ・プリンス箱根芦ノ湖神奈川県足柄下郡箱根町) - 1978年に「箱根プリンスホテル」として開業。アネックス(別館)としてコテージ「箱根園コテージ」併設。2015年から「ザ・プリンス箱根」から改称。

ザ・プリンス軽井沢(長野県北佐久郡軽井沢町) - 1982年に「軽井沢プリンスホテル南館」として開業。清家清(デザインシステム)設計。

ザ・プリンス ヴィラ軽井沢(長野県北佐久郡軽井沢町) - 2014年開業。ホテルと貸別荘を融合した施設で、開業時から「ザ・プリンス」を名乗る最初の施設でもある。

ザ・プリンス 京都宝ヶ池京都府京都市左京区) - 1986年開業。旧・京都宝ヶ池プリンスホテル→グランドプリンスホテル京都。村野藤吾設計。2020年10月9日をもってかつて名前に付いていた宝ヶ池を復活させ、現名称へと変更及びリブランドを行い、マリオット・インターナショナルのオートグラフコレクションに加盟する[13]


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