プラモデル
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2000年代以後は、経済産業省の工業統計表によると「プラスチックモデルキット」全体の出荷額は、1998年の199億円に対して2007年は113億円と大幅に減少している[5]。ガンプラは安定した売り上げを記録し続けるものの近年は漸減傾向にあり、飛行機やAFVなどスケールモデルは大幅な衰退傾向にある。プラモデル市場の衰退については、急激な勢いで進む少子化[6]と、縮小する市場のパイをめぐってのテレビゲーム等の他の玩具との競争[6]、製品面ではマニアックな商品が増えて初心者が近寄り難くなった点や[注釈 7]、部品点数の増加などからモデルの組み立てに高度化を要求する傾向が目立つこと[注釈 8]などが要因としてあげられている。また高品質低価格化が進む食玩などの塗装済み完成品模型[6]や、1990年代末から市場が活性化したミニチュアカー[注釈 9]がプラモデル市場を圧迫しているとの指摘もある。ミニチュアカーや食玩等の完成品市場には京商青島文化教材社などの模型専門メーカーも参入しているほか、タミヤに関しても完成品ミニカーやミニ四駆、ダンガンレーサー、RCカー等の完成品を販売することがある。

2006年頃からプラモデル市場の縮小の影響や原油価格高騰のため、プラモデルや塗料などが値上げされる傾向にある。老舗メーカーでは上記の製品開発システムの刷新がうまくいかなかったり、製造部門においても射出成型機が多品種少量生産むけの小容量型へ移行が進んだことにより、旧製品の金型が使用できなくなり不良資産化する恐れが出てきており、老朽化によるメンテナンスコストの上昇が重くのしかかる等、業界は曲がり角に差し掛かっている。

2000年代後半からは、カーモデルにキャラクターデカールをセットした「痛車」や、「ガールズ&パンツァー」に登場する戦車、「艦隊これくしょん -艦これ-」や「蒼き鋼のアルペジオ」の艦船キット(ウォーターラインシリーズベース)など、キャラクターとコラボレーションしたスケールキットがブームとなった。また、1980年代から1990年代のフォーミュラ1ロードレースバイクのキットが新規開発されるなど、当時製品化されなかった車種を補完するような展開も見られる。先述した組み立ての難しさを減らすために、塗装済みや部品点数を敢えて減らしたキットも登場するようになった。

2015年には、コトブキヤが展開しているフレームアームズを元に擬人化した可動型プラモデルシリーズ「フレームアームズ・ガール」が発売されブームとなり、これを端に「美少女プラモデル」が日本およびアジア圏の各メーカーで積極的に制作されるようになった。

近年、模型雑誌では通常のプラモデルを「インジェクションキット」と呼んで完成品やガレージキットと区別することもある。
静岡とプラモデル

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2015年11月)

静岡県の静岡市を中心とする地域はプラモデルやラジコンを代表に玩具産業が盛んで、タミヤ静岡市駿河区)やバンダイ(静岡市葵区)、アオシマ(静岡市葵区)、ハセガワ焼津市)など大手玩具・模型メーカーが本社や工場を静岡県内においている[8]。特にプラモデルに関しては全国売上シェア約90%である(2010年統計で92%[9])。

駿河国(現在の静岡県の一部)には徳川家ゆかりの富士山本宮浅間大社富士宮市)と、静岡浅間神社(静岡市)などの浅間神社が多数所在し、時の将軍の指示により、寛永年間と文化年間の二度にわたり静岡浅間神社の大造営を行った[4]。その際に全国から様々な職人達が駿府(現在の静岡市付近)へ集められたが、造営が長期に渡ったため造営終了後も職人達の多くがそのまま駿府に定住し、その木工技術を活用して家具やひな人形、仏壇、蒔絵などの生産を始めた[4]

その木工技法は代々受け継がれ、1932年(昭和7年)に、アオシマの創業者である青島次郎が、伝統技法を利用して木製の動力付き模型飛行機を製造販売したことを契機に、県内に多くの木製模型メーカーが誕生した[4]。その後、第二次世界大戦中は、原料不足から他県の木工産業が生産不能に陥るなか、静岡県は国から『重要木工県』という指定を受けていたことで、主に学校教材用として木製模型の生産も続けられた。

戦後1950年(昭和25年)以降欧米のプラモデルが輸入され始めても静岡の模型メーカーの反応は鈍かったが、国産プラモデルが発売されプラモデルの人気が上昇すると、静岡の各メーカーも1960年以降プラモデルの生産に順次参入し、木製模型からプラモデルへの転換が急速に進んだ。1970年代に静岡4社共同企画により実現したウォーターラインシリーズや、その後1980代には社会現象にもなったガンプラブーム、ミニ四駆ブームいずれも、静岡の企業からの発信(生産出荷)であり、現在の「静岡=プラモデル」の構図が成り立つこととなった。

2010年7月24日から2011年3月27日までの期間、「模型の世界首都 静岡ホビーフェア」を静岡市で開催し、実物大ガンダムを展示するなど、模型(プラモデル)の町・静岡を全国にPRした。入場者数は160万7485人だった。この人気を受けて、2011年6月には日本初の模型専門博物館である静岡ホビースクエアが開館した。
模型製作に用いる工具と材料タミヤ製ニッパー

模型製作にはさまざまな工具を用いる。もちろん、全てを利用しなくても製作は可能であるが、基本中の基本としてプラモデル用のニッパーとカッターはある方が望ましい。なおニッパーなどの切断工具の防錆・保護用のメンテナンスキットもある。
ニッパー
ランナーから部品を切り離すのに用いる。ゲートと部品の間が狭くキットなどもあり、通常のニッパーでは部品に直接傷がつくのを避けるために刃の薄いプラモデル用のニッパーが望ましい。模型用の歯の薄い製品は強く握ると歯が痛むので丁寧に扱うと良い。真鍮線やエッチングパーツなど金属を切断する場合は刃こぼれを防ぐため、金属用のニッパーを用いる。また、一部ガンプラは、ニッパーを使用しなくても簡単にランナーから部品を切り離せる物がある。
カッター(Pカッター[注釈 10]、デザインナイフ、けがき針等を含む)
主にニッパーで切断したあとのゲート処理、パーティングラインの除去、部品の切断・加工やモールドを彫刻するためなどに用いる。使用する際はカッターマットを用いたほうがよい。カッターナイフは本体に替え刃を内蔵するタイプで、替え刃は数枚をまとめたブレードになっており折って新しい刃に交換する。主に大きなもの、直線を切る作業向けの製品である。デザインナイフ(アートナイフ)は替刃を一枚ずつ交換するタイプで、曲線を切るなどの細かい作業向け製品である。両者とも刃先の角度が異なった替え刃があり、用途に応じて選べるようになっている。Pカッター(厚手のプラスチック板などの切断に使う製品)やラインチゼルとけがき針は主に筋彫りに使用される。
ピンセット
小さい部品を掴んだり、手の脂が付着するのをさけるため、シールやデカール等を貼る際に用いる。ピンセットはオランダ語由来の外来語。ツイーザー、トゥイーザーなどの英語読みの名称で市販されている場合もある。基本的には金属製だが、特殊なプラスチックで作られたピンセットもある。
金属やすり紙やすり、その他のやすり類
ニッパーやカッターで処理しきれないゲート跡など綺麗にするために用いる。やすりは元々金属製であり、本来は金属やすりという呼び方は無いが、紙やすりと区別するため模型用語として一般化している。紙やすりは「サンドペーパー」、耐水性のものは「(耐)水ペーパー」とも呼ばれるが、略して「ペーパー」と呼ばれることが多い。部品の表面を削ったり整えたりするために用いる。最近はラッピングフィルム(研磨剤付きのプラスチックフィルム)やスポンジ研磨材も使用される。また、金属部品などの加工にダイヤモンドやすりを使用することもある。なお筋彫りに特化した非常に薄い幅の刃を持つ"スジボリヤスリ"という製品もある。
ピンバイス
パーツに穴をあけるための細いドリル刃(0.1 mm - 3 mm程度)を保持した状態のものをピンバイスと呼ぶことが多い。本来ピンバイスは小径の棒状のものを保持する固定具(バイス)でドリルの刃の部分は含まないのだが、模型ではドリルでの穴あけ以外ではあまり用いられない。
プラモデル用(ホビー用)のこぎり・レザーソー・糸のこぎり
部品を切断するために用いる薄刃ののこぎり。改造する際に使われることが多い。かつては米国エグザクト社のレザーソーが代表的なブランドだった。後にエッチングで作られた薄く目の細かいノコギリであるハセガワ(トライツール)のモデリングソーや、タミヤの薄刃クラフトのこ、シモムラアレック(プラッツ)のハイパーカットソーなど、ホビー専用のものが登場している。
接着剤(セメント)


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