プラットホーム
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逆に列車長に比べてホームが非常に長い場合、利便性や保安装置の関係上(例えば非自動閉塞方式ではタブレット等の授受において列車が駅本屋などに近い方が効率が良い)、階段や改札に近いところに停車することが多い。貨物駅では長編成の貨物列車であっても1両ごとに積み込み積み出しを行うことがあるため、必ずしも列車の長さにあったプラットホームは必要ない。

世界で最も長いプラットホームはインド・カルナータカ州のフブリジャンクション駅(英語版)のもので、1,366メートルである。日本で最も長いプラットホームは京都駅の0番・30番のりばの558メートルであるが、一部が切り欠きとなっているため乗り場としては0番と30番のりばの二つに分かれている。
形状と配置
単式ホーム

単式ホーム (紀勢本線 田子駅)

プラットホームの片側のみが線路に接し、乗降に用いられるもの。「片面ホーム」と呼称されることもある。線路と反対側は柵や壁で仕切られ駅舎、出口に接続する。

1-1:1面1線。他にポイントも側線もない駅については「棒線駅」と呼ばれることもある(例:下狛駅)。

1-2:2面2線。「上下方向別単式ホーム」とも呼ばれる(例:原宿駅)。複線の路線で上下線の線路が離れている場合(例:土合駅)や、上下2層になっている場合(例:東鷲宮駅)に用いられるが、図示の配置以外に2つの単式ホームがともに両線の間に配置される場合(例:下地駅)もある。
単式ホームの図
相対式ホーム

相対式ホーム (埼京線 十条駅)

単式ホームを2つ向かい合わせにしたもの。対向式ホームまたは対面式ホームともいう。両ホームの行き来は跨線橋地下道、構内踏切、もしくは改札外で行う。

2-1:単線の路線で列車交換の可能な駅。一線スルーの場合にも用いられることが多い(例:棚倉駅)。

2-2:複線の路線で待避線のない駅(例:法隆寺駅)。「相対式ホーム」と言えばこちらを指す場合が多い。この場合も「棒線駅」と呼ばれることがある。上下線の間に留置・待避線を入れた例もある。

2-3:複線の路線で、通過列車用の本線と停車列車用の副本線があり、追い抜きの可能な駅(例:宇都宮駅新幹線ホーム)。新幹線の途中駅に多く見られるため、新幹線型配線と呼ばれることもある[注釈 8]

2-4:方向別複々線の路線で外側線にのみプラットホームのある駅(例:向洋駅)。相対式ホームの図

千鳥式ホーム千鳥式ホーム (宇都宮芳賀ライトレール線 宇都宮大学陽東キャンパス停留場)

相対式ホームのうち、2つの単式ホームをずらして設けたもの。2本の線路でプラットホームをずらしたもののほか、単線区間で1本の線路の両側にプラットホームをずらして設けたものもある。編成の短い路面電車では、交差点(踏切)を挟んで上下別のホームを設けたものが多く見られる。交差点の入り口と出口では車線数が異なる(左右折車線)場合が多い上に、乗り場をずらすことにより幅員の増加量を減らす(代わりに長くなる)ことが出来るためである。非自動閉塞方式をとる限り、タブレット(もしくはそれに類するもの)の交換が必要である。一定以上の長さを持つ対向式プラットホームで異なるプラットホームを構内踏切で連結する場合、利便性の観点から駅舎の前、全体の中央付近にこれを設ける場合が多い。すると、タブレット交換のためには有効長が許す限りこの踏切を境に対向する列車の前頭部が来るように停止すると無駄が少ない。長編成の列車が来ないのであれば構内踏切から先は無用である。通常の鉄道路線、あるいは軌道区間でも単線の場合プラットホームが千鳥状の配置になる場合はこの経緯を持つことが多い。また、路面電車において交差点で3方面以上に分岐する場合やデルタ状に分岐している場合などにはその構造上、千鳥式の配置となることが多い。
島式ホーム島式ホーム (大阪環状線 野田駅)

プラットホーム両側が線路と接しているもの。駅舎や他のプラットホームとは跨線橋地下道構内踏切などで連絡する。プラットホームそのものは、単式ホーム2面に比べて設置費用や面積などの点で有利である。しかし、通過する列車の速度を向上させるためには、駅のかなり手前から上下線路の間隔を徐々に空けてカーブを緩和する必要があり、駅前後区間も含めると、かえって多くの用地が必要となる場合もある。また、プラットホームの拡張[注釈 9]や、売店、待合室、線路と直角方向の階段等の設置に制約があるほか、ホーム両側を列車が通過するため安全面で劣る。相互発着を行う場合は、この構造がほとんどである。
島式1面

3-1:単線の路線で
列車交換の可能な駅(例:新屋駅)。上り列車用と下り列車用で線路を分けるのが一般的だが、上下線の区別をなくし一線スルー化した駅 (3-1′) もある。

3-2:複線の路線で待避線のない駅(例:大阪城北詰駅)。プラットホームの前後にカーブができる。

3-3:方向別複々線の路線で内側線にのみプラットホームのある駅(例:JR総持寺駅)。

3-4:複線の路線で、停車列車用の副本線として島式ホームを中央に配置し、通過列車用の本線がその両外側に配置される駅(例:三島駅)。追抜きの可能な駅では、相互接続する場合には5-1のような配線としたり相互接続しない場合には2-3のような配線とすることが多いが、高架などの立地条件によりこのような特殊な配線にすることがある。停車列車の折り返しがダイヤにとらわれないという利点がある。
島式ホームの図
島式2面

5-1:複線の路線で、列車待避の際に
相互接続が可能な配置(例:新浦安駅)。内側2線を本線、外側2線を待避線とするほかに、外側が本線となるものもあり、この場合は内側2線を折り返しに用いることがある。一部の新幹線駅(例:高崎駅)では、さらに通過列車用の線路が中央に2本追加された構造となっている(2-3の外側に線路が追加され、島式2面になった構造とも言える)。用地などの関係上、島式ホーム1面2線を二層化して2面4線とする場合もある(例:副都心線東新宿駅)。

5-2:方向別複々線の快速・優等列車停車駅、あるいは2つの路線が同一方向に並行する駅である(例:三ノ宮駅)。用地などの関係上、島式ホーム1面2線を二層化して2面4線とする場合もある。
島式ホーム(2面4線)の図2面4線+通過線
2面4線+通過線

単式と島式の複合単式と島式の複合(東北本線 氏家駅

4-1と4-2は日本国鉄や日本統治時代台湾の鉄道駅、国鉄の影響を強く受けた鉄道路線に多く見られ、国鉄型配線またはJR型配線と呼ばれる場合もある。

4-1 : 上下線のどちらか一方のみ待避可能となる。単式と島式の内側が本線、島式の外側(分岐側)が待避線とする例が多い(例:石岡駅)。

単式と島式外側が本線、島式内側が待避線とする例も存在する(例:宝塚駅)。


4-2 : 待避線へ分岐した後に渡り線を入れて、中線を両方向の列車待避や折り返しに使う場合がこの構造(例:聖高原駅)。

4-2aのように外側を本線とする例も存在する。(例:JR北千住駅

待避線へ分岐する前に渡り線を入れて、島式ホーム外側を上下共用の待避線とする例も存在する(例:渋川駅)。


なお、別の配線とした例も存在する。単式ホーム外側に待避線を設けて2面4線とした例(熊谷駅など)。島式ホーム外側を廃止し、相対式ホーム2面2線とした例(石和温泉駅など)。島式ホーム内側を廃止し、単式ホーム2面2線とした例(小千谷駅など)。島式ホームを廃止し、単式ホーム1面1線とした例(紀和駅など)。単式ホームを廃止し、島式ホーム1面2線とした例(軽井沢駅など)。

4-3 : 島式1面を相対式2面で挟む特殊な例(例:新習志野駅)。二つの複線路線が合流する駅(例: 代々木駅)、列車の折り返しや運転系統の分離を行う駅などに見られる。
単式と島式の複合型(2面3線・3面4線)の図
特殊な配置6-1の例:(関西本線 加茂駅6-2の例:(名古屋鉄道 名鉄名古屋駅対面乗り換えの例(大阪環状線 西九条駅


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