プラズマ
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プラズマ物理#歴史も参照のこと。
プラズマの種類

ここでは、プラズマの種類を区別するための基準をいくつか示す。
電離度
電離度が低く、電気的に中性な分子が大部分を占めるプラズマを弱電離プラズマ (weakly ionized plasma) 、もしくは低温プラズマ (cold plasma) と呼ぶ。一方、電離度が1となり、イオンと電子だけで構成されるプラズマを完全電離プラズマ (fully ionized plasma) 、もしくは高温プラズマ (hot plasma) と呼ぶ。電離度はサハの電離公式から計算できる。
圧力や粒子密度
大気圧下で発生させたプラズマを大気圧プラズマ真空中で発生させたプラズマを真空プラズマ、もしくは低圧プラズマと呼ぶ。
大域的な磁場の有無
大域的な磁場がある系を磁化プラズマ (Magnetized plasma) 、大域的な磁場がない系を非磁化プラズマ(Unmagnetized plasma)と呼ぶ。磁化プラズマでは、プラズマ粒子は磁力線の周りをサイクロトロン運動し、磁力線に垂直な方向の移動は制限される。このため、磁力線に対して平行方向の温度と、垂直方向の温度は異なることがあるほか、誘電率テンソルとなる。
近似の程度
プラズマを荷電粒子からなる多体系と捉える場合をプラズマの粒子モデルと呼ぶ。プラズマ粒子のクーロン衝突サイクロトロン運動が粒子モデルによる記述である。また、プラズマ粒子の速度を分布関数によって近似する場合を運動論的モデルと呼ぶ。さらに、プラズマの速度分布関数がマクスウェル分布であると仮定できる場合を流体モデルと呼ぶ。最後に、イオン流体と電子流体を結合して一体の流体として扱う場合を磁気流体力学 (Magnetohydrodynamics, MHD) モデルと呼ぶ。
電気的中性の有無
等量の正電荷と負電荷から構成され電気的に中性なプラズマを中性プラズマ、正または負どちらか一方のみの荷電粒子から構成されたプラズマを非中性プラズマと呼ぶ。ソレノイドコイルによる一様磁場と、複数のリング電極による静電場から構成される電磁場配位を用いれば、電子プラズマの閉じ込めができる[5]。このようにして集めた電子プラズマを減速材として用いて、陽電子を捕獲して蓄積することで、反物質プラズマを大量に生成できる可能性がある。
熱エネルギーとクーロンエネルギーの比
粒子間のクーロンエネルギーに比べて熱エネルギーの大きいプラズマを弱結合プラズマ、そうでない場合を強結合プラズマと呼ぶ。強結合プラズマは、プラズマが自由に動くことができない状態であり液体状態に相当する[6]。宇宙空間では白色矮星の内部などに存在し、プラズマ密度は固体密度を大きく越える[7]。実験室内においては、固体中の伝導電子(固体プラズマ)[7]、電解質、微粒子プラズマが強結合プラズマに含まれる。微粒子プラズマのクーロン結晶化の研究が進められており[8]産業への応用も期待されている。
量子化の有無
プラズマ振動量子化したものはプラズモンと呼ばれる。
自然界における例
地球

地球上では、電離層などが代表的であり、地球電磁気学超高層大気物理学によって研究される。

マーチソン広視野電波干渉計を用いた観測によって、高度約600kmの電離層上部からその上のプラズマ圏に向かって地磁気に沿って伸びるチューブ状のプラズマ構造物の存在が確認されている。

我々の生活に必要不可欠なもプラズマの一種である。

燃料酸化によって高温となり、燃料の一部が電離してプラズマ状態になっている。ろうそくの炎が高電圧をかけた電極に引き寄せられるといった簡単な実験を通して、プラズマの存在を身近なものとして理解できる。炎の中に金属化合物などを入れると、炎色反応により元素特有のスペクトルを放射する。ただし、有機物を燃焼させた際の炎の色は原子スペクトルではなく、主に炭素の黒体放射に由来する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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