我々の生活に必要不可欠な火もプラズマの一種である。
炎
火は燃料の酸化によって高温となり、燃料の一部が電離してプラズマ状態になっている。ろうそくの炎が高電圧をかけた電極に引き寄せられるといった簡単な実験を通して、プラズマの存在を身近なものとして理解できる。炎の中に金属化合物などを入れると、炎色反応により元素特有のスペクトルを放射する。ただし、有機物を燃焼させた際の炎の色は原子スペクトルではなく、主に炭素の黒体放射に由来する。
雷
雷は帯電した雲と大地の間で生じる火花放電である。火花放電では、高電圧により加速された電子によって大気が電離しプラズマ状態となる。また、イオンが大地に衝突したときに2次電子がプラズマ内に供給される。
電離層
太陽からの紫外線により、地上から100km付近の大気が電離しプラズマ状態となったものである。電離層は中性大気とプラズマが混在する弱電離プラズマである。電子密度分布は、紫外線による電子生成率と、電子とイオンの再結合などの電子減少率との釣り合いから求まる[9]。
オーロラ
オーロラは太陽風から供給された電子線が地磁気に沿って降下し、電子線によって励起された大気中の酸素や窒素が発光する現象である。
その他の地球におけるプラズマに、中間圏発光現象、セントエルモの火、球電、地震などがある。.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}銅の炎色反応雷オーロラ 宇宙空間においては全宇宙の質量の99%以上がプラズマであり、プラズマは最もありふれた物質の状態である。地球と太陽の近傍の宇宙の物理現象を扱う太陽地球系物理学、宇宙スケールの現象をプラズマと関連付けて探究するプラズマ宇宙論、天体における物理現象を扱う天体物理学などの研究領域がある。 その他の宇宙におけるプラズマに、ヴァン・アレン帯、磁気圏、太陽風、彗星の尾、星間物質、降着円盤、星雲などがある。ひのでによる太陽表層の画像かに星雲 気体中の放電や、気体をレーザーやマイクロ波などで加熱することで生成される。種々な特性のプラズマが工学的に応用されており、以下ではいくつかの工学的応用例を示す。
宇宙
太陽
太陽はプラズマ状態である。2006年9月に打ち上げられた太陽観測衛星「ひので」によって、太陽を取り巻くプラズマ化した大気の中で起こっている活発な現象を、より詳細に観測・研究できるようになった。
クォークグルーオンプラズマ
クォークグルーオンプラズマ (Quark-Gluon Plasma, QGP) とは、高温・高密度状態において存在すると予想されているクォークおよびグルーオンからなるプラズマ状態である。
工学的な応用例
蛍光灯、ネオンサイン
蛍光灯はクルックス管の一種であり、グロー放電により水銀をプラズマ状態とし、紫外線を発光することを利用している。ネオンサインは、アルゴンやキセノンなどをグロー放電によりプラズマ状態とし、封入気体固有の波長で発光することを利用している。グロー放電によるプラズマは放電プラズマに分類される。
プラズマプロセス
ドライエッチングは、プラズマにより生成したイオンやラジカルを利用して半導体材料の微細加工を行う技術である[10]。アルカリ金属を内包したナノチューブなどの超分子材料の作成にも利用される。プラズマを利用したダイヤモンドライクカーボン (Diamond like carbon, DLC) の生成法として、プラズマイオン注入成膜(Plasma based ion implantation and deposition, PBIID) 法がある[11]。