プライマル・スクリーム
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マッギーは同年の11月にクリエイションの閉鎖を宣言し、2000年1月に発売された『XTRMNTR(エクスターミネーター)』はクリエイション・レコーズ最後のアルバムとなった[45]。ケヴィン・シールズ、ケミカル・ブラザーズニュー・オーダーバーナード・サムナー等が参加したこのアルバムは、今までにない政治的姿勢を打ち出した攻撃的な歌詞が並んだ[24]パブリック・イメージ・リミテッドの名が引き合いに出されることも多かったこのアルバムは、売り上げはさほど伸びかったものの、多数のメディアから好意的なレビューを贈られた[24][46]。久方ぶりに制作に深く関与したマッギーは「間違いなくこの年のベストアルバムに入る」と絶賛した[47]。「10年後に振り返ったとき、皆プライマル・スクリームはいいバンドだったと口にする[47]」とも。その言葉は現実のものとなり、2009年にNME誌が発表した2000年代のベストアルバム100選の中で、このアルバムは3位にランクされた[48]

ライブメンバーにはケヴィン・シールズがラインナップに加わった。1991年の『ラヴレス』以降、狂人との扱いを受けていた[49]マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのフロントマンは、プライマル・スクリームのギタリストとして久方ぶりにステージに立った。彼は2000年の終わりにはグループを離れる考えがあったが、その後何年かギタリストとしてツアーを共にした[50]

マッギーはプライマル・スクリームをオアシスと並べ、クリエイションの2大バンドと称した[44]。彼らはオアシスの売り上げには到底届きようもない「自分たちの分は賄えるが、レーベル全体は賄えない[51]」バンドであったが、クリエイション消滅後、レーベルの主要人物は皆「プライマル・スクリームがクリエイションのベストバンド」と口を揃えた[52]。エドワード・ボール[† 5]は「プライマル・スクリームはクリエイションという王冠における宝石のような存在」とした[53]。マッギー、ボールはそれぞれ『スクリーマデリカ』と『XTRMNTR』をクリエイションのベストアルバムの1枚に選んだ[54]

ボビー・ギレスピーの書く歌詞は『XTRMNTR』のツアー中から更に過激になった。ツアー中に披露された新曲は「ボム・ザ・ペンタゴン」、「ドレスデン」といったもので、反米姿勢を前面に打ち出していた[55]。彼らはソニー傘下のコロムビア・レコードへ移籍し、2002年初頭に発売するアルバムの制作を進めていた。

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件を受けてアルバム制作は頓挫した。現実のものとなってしまった「ボム・ザ・ペンタゴン」は「ライズ」へ、政治的な歌詞が目立った「ドレスデン」は「デトロイト」へ曲名が変更された。当初4月に発売がアナウンスされたアルバムの発売は結局8月まで延期された(日本盤は7月31日)。同年のMTVヨーロッパ・ミュージック・アワードのビデオ部門にノミネートされた「ミス・ルシファー」を先行シングルに『イーヴル・ヒート』は2002年8月5日に発売された。前作の路線を継承しつつ「パンクっぽさは減った[24]」(マニ)このアルバムには、久方ぶりの参加となるアンドリュー・ウェザオール率いるトゥー・ローンズ・スウォーズメン、ケヴィン・シールズ等がプロデュースを務め、ジーザス&メリーチェインのジム・リード、ロバート・プラント、ケイト・モスがゲスト参加した[56]
ライオット・シティ・ブルース、ビューティフル・フューチャーボビー・ギレスピー(2009年)

2006年6月に発売された『ライオット・シティ・ブルース』は、近作のエレクトロニクス路線から大きく転換したストレートなロックンロール・アルバムになった[57]。元キリング・ジョークのユースをプロデューサーに迎えたアルバムは、原曲を書くのに4、5ヶ月、リハーサルに2、3ヶ月、レコーディングに2ヶ月弱という短期間で完成に至った[57]。ギレスピーは「基本的なパートは4、5日で15曲録り終えた」と話した。作中「ウェン・ザ・ボム・ドロップス」では、エコー&ザ・バニーメンのウィル・サージェントが個性的なギターを披露している[57]。先行シングル「カントリー・ガール」は2005年のフジ・ロック・フェスティバルで初披露され[57]、チャート5位を記録するヒットシングルとなった。アルバム発売前、ヤングは健康上の問題からバンドを離れ、リトル・バーリーのバーリー・カドガンが代役に納まった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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