ブースター
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ただし、固体ブースターを使用するH-IIロケットシステムを前提とした詳細な検討の結果、アボートタワーによる急速な離脱を必要とするような打上げ初期の場合、液体ロケットエンジンでも瞬時の緊急停止は不可能であることなどから、固体燃料ブースターであることが有人システムの妨げに必ずしもなるものではない、という検討結果の報告もある[1]

スペースシャトル計画では、有人ということもあり初期の開発段階においてはLRBの使用が複数検討された。また設計が一本化され実運用に入った後にも、固体燃料ブースターが原因となったチャレンジャー号爆発事故の後既存のSRBをLRBに換装する事が検討され、4社がNASAにLRBの設計案を提案したが、開発費用がかかる為、既存のSRBを改良して使う事になった。詳細は「液体ロケットブースター」を参照
打上げ機以外
JATO

ブースターの推力を利用して航空機が本来必要な滑走距離よりも短距離で離陸すること、およびそのためのブースターを含む装置のことである。空気吸入型エンジンではない、ロケットエンジンを使用するものを特にRATOと呼び細分類とすることもある。詳細は「JATO」および「RATO」を参照
ミサイル

ミサイルを所定の巡航速度まで加速するための初期加速用エンジンとして用いられる。推力調整の必要が無いので固体燃料ロケットエンジンを用いる事が多い。特にラムジェットエンジンを採用したミサイルでは、ラムジェットエンジンが動作できる速度に達するまでの加速をブースターで行うため、ブースターは必須である。またミサイルが翼による空力制御を可能にするためには、ミサイルが一定以上のスピードで飛翔していなければならない。つまり速度が遅いと針路変更もままならない。このため、必要な速度まで加速するためにブースターを使用する事も多い。

ブースターに対して巡航用エンジンはサスティナーと呼ばれる。燃焼後にブースターが切り離されてからサスティナーが動作する設計が多い。ブースターとサスティナーが同時に動作しないため、このような設計ではサスティナーの後ろにブースターが結合される。ただし縦に直線で結合すると全長が長くなるため、衛星打ち上げロケットと同様にブースターをミサイルの脇に括りつける(ストラップ・オン)設計もある。このような設計のブースターはサスティナーと同時に燃焼を開始する場合が多い。全長は短くなるが全体にかさばるため最近のVLSなどにはなじまない。このため可動ノズルによる推力偏向制御を採用して空力制御とブースターを廃し全長を短くしたミサイルもあるが機構は複雑になる。

固体ロケットとラムジェットを統合した統合ラムジェットエンジンでは、ブースターとして使用する固体ロケットエンジンの固体燃料が詰められた空間を、燃料が燃え尽きた後にラムジェットエンジンの燃焼室として併用する事で全体の設計をコンパクトにしている。
出典^ 今田高峰. “有人宇宙システムの構築に向けて (3) ロケットとアボートシステム —有人宇宙論壇シリーズ—”. 宇宙政策シンクタンク「宙(そら)の会」. 2016年4月28日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2016年11月14日閲覧。

関連項目

モジュラーロケット

ツィオルコフスキーの公式

典拠管理データベース: 国立図書館

イスラエル

アメリカ


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