Cが帰宅したのち、手下のひとりが自動車に爆弾が仕掛けられているのを発見する。Cが暗殺を企てたと合点したソニーはCを呼び出して詰問する。Cは「父のように慕っているソニーに危害を加えるはずがない」と涙ながらに訴え、ソニーはCの仕業でないことを理解する。Cは親子同然に付き合ってきたソニーの態度にショックを受け、あてもなく歩き出す。Cを探していたロレンツォはふたたび息子を救おうと駆け寄るが、ソニーの手下たちに接近を阻まれ、殴り飛ばされる。
同じ夜、Cの所属するイタリア系ギャングたちが、たまり場に生卵を投げつけられた報復として、アフリカ系住民の多く住む地域に火炎瓶を投げつけることを計画する。誘われたCは乗り気でなかったが、無理やり自動車に乗せられる。ソニー一味の自動車が少年たちの自動車に追いつき、制止する。降りてきたソニーがCを引き離し、少年たちにCに関わらないよう警告する。ギャングの自動車は走り去り、Cはソニー一味の自動車で連れ戻される。Cは爆弾騒ぎに続き、またも自分の行動を疑ったソニーをうとんじ、「誰も信用できない人生なんて悲しいよ」と罵倒する。
ジェーンがCのことを待っていた。ジェーンは「ウィリーが八つ当たりから嘘を証言していたことがわかった」と伝え、2人は和解する。2人はイタリア系ギャングたちの計画を止めることを決意して現場に急ぐが、ギャングたちは、割れなかった火炎瓶を自動車の中に投げ返されたことで焼死していた。Cは集まってきたアフリカ系ギャングたちに罵詈雑言を浴びながら、ジェーンを残して現場を去る。Cはソニーがマフィアとしての嗅覚から、本能のままに暴力を行使するギャングの危険性を理解し、Cの命が不当に奪われないようにするために、常にギャングから遠ざけようとしていたのだとさとり、ソニーに感謝を伝えるために彼のいるバーへ急いたが、ソニーはCの面前で後頭部を撃たれ殺害される。犯人は8年前にソニーが殺した男の息子で、爆弾も彼の仕業だった。
ソニーの葬儀が開かれ、沢山の人々が参列するが、Cはその場の誰もがソニーに弔意を持っていないことに気づく。多くの参列者が去った頃、かつてソニーに助けられたカーマインが現れ、街の権力が移ったことを暗示するように「助けが欲しい時は私を呼べ」とCに告げて去る。入れ替わりにロレンツォが現れ、ソニーの遺体に「息子の命を救ったことに感謝する。君を嫌ってはいなかった。カロジェロが急激に大人びていくことに戸惑っていた」と言葉をかける。「C」ことカロジェロは父と和解し、ともに帰宅する。カロジェロは歩きながら、人の愛が無条件であることや、人生が選択ひとつで大きく変わってしまうことなど、経験で得た学びを内省する。 ※括弧内は日本語吹替(VHS・HDマスター版DVDに収録) 1990年、ロサンゼルスで舞台版を鑑賞したデ・ニーロはパルミンテリから自身の監督デビュー作として映画化権を獲得した。自身の子供の頃を基にした脚本の多くをそのまま残したいパルミンテリと共にデ・ニーロは脚本について熟考した。1991年、デ・ニーロのトライベッカ・プロダクションズとサヴォイ・ピクチャーズは双方にとって映画第1作目としてコラボレートした。 デ・ニーロが獲得した映画化権の契約はパルミンテリとの紳士協定で行なわれ、2人は共に映画化脚本の制作に取り掛かった[4]。この契約以前、パルミンテリは自身が脚本の主導権をとること、カルジェロが出会うマフィアのソニー役を自身が演じることを条件にしており、100万ドルにおよぶ契約などの数々の映画化権譲渡を断っていた。この映画の基となった戯曲はパルミンテリの子供時代を描き、父の職業も名前もそのまま、子供の頃に銃撃を目撃するなど、自身の経験に広く影響された一人芝居の脚本となっていたためこだわりが強かった。 1960年代当時のポピュラー音楽が劇伴として多く用いられている[5]。★は日本盤サウンドトラック(エピック ESCA6054)未収録曲[6]。
キャスト
ロレンツォ・アネロ - ロバート・デ・ニーロ(佐古正人)
ソニー - チャズ・パルミンテリ(麦人)
カロジェロ・アネロ - リロ・ブランカート・ジュニア
9歳のカロジェロ - フランシス・キャプラ(亀井芳子)
ロジーナ・アネロ - キャスリン・ナルドゥッチ(英語版)(堀越真己)
ジェーン・ウィリアムズ - タラル・ヒックス(英語版)(岡本麻弥)
カーマイン - ジョー・ペシ(村松康雄)
クレイジー・マリオ - ルイス・ヴェナリア
ニッキー・ゼロ - ドメニク・ランバルドッツィ
ジミー - クレム・カセルタ(小関一)
エディ - エディ・モンタナーロ(山下啓介)
ジョジョ - フレッド・フィッシャー(桜井敏治)
スタッフ
監督 - ロバート・デ・ニーロ
脚本 - チャズ・パルミンテリ
製作
企画
脚本
音楽
ディオン&ザ・ベルモンツ
クレフトーンズ(英語版)『リトル・ガール・オブ・マイン』
フランク・シナトラ『Same Old Song and Dance』★
ボビー・マーシャン&ザ・クラウンズ『ドンチュー・ジャスト・ノウ・イット』★