ブルームバーグ_(企業)
[Wikipedia|▼Menu]
ブルームバーグは特定の記事にコード(Code 204)を埋め込むことで、当該記事が中華人民共和国内のブルームバーグ端末で閲覧できないようにする機能も利用しているとされる[16]
顧客情報への不適切なアクセス

同社報道部門であるブルームバーグ・ニュースの社員と記者は、マーケティングと顧客管理上の観点から、契約者である金融機関がブルームバーグ端末をどう利用しているかについて知りうる立場にあり、[17]これを利用して取材を行った疑いが持たれている。

社員と記者は「連絡先情報を含む個別の契約者に関する属性」、「いつ契約者が最後にログオンしたか」、「契約者と顧客サービス担当者間のチャット[18]に関する情報」、「加入者が特定の機能をどのくらい使用したかに関する週別統計」などのデータを閲覧することができた。

これらの情報は、マーケティングや顧客管理のみに利用されたわけではなく、JPモルガン・チェースのトレーダーが2012年夏に起きた巨額損失事件で解雇されたか否かに関する取材でも利用された疑いがある。またゴールドマン・サックスは、自社従業員の雇用状況をめぐる取材で端末ログオン情報が利用されたとして、ブルームバーグに苦情を申し入れた[19]

同社のドクトロフCEOは「長い間、限られた顧客関連データについて記者に利用を許していたが、間違いだった」と述べ[20][21]、ブルームバーグ・ニュースのマシュー・ウィンクラー編集長は謝罪のためゴールドマン・サックスに連絡を取った[19]。なお、同問題が発覚する数日前に記者・編集者研修担当の社内弁護士が辞任を発表している[22]

イギリスの経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は社説で「ブルームバーグは馬鹿なまねをした」と評した上で、記者が「特権の乱用」を行った背景について「ウィンクラー氏の手による記者向けのマニュアル」に「手がかりがいくつか潜んでいる」と分析している[23]
誤報

2010年9月29日、「ニンテンドー3DSが10月28日に1万8千円で発売」と報道。クリスマス商戦の目玉になる可能性が高くなることを見越して任天堂の株価が急騰したが、任天堂側が即座に否定したために株価は瞬時に暴落。この乱高下に対して証券取引等監視委員会が調査に乗り出した[24]

2010年10月6日、「金融庁メガバンクの自己資本規制を日本独自で強化検討」との報道し銀行株が急落。金融庁は即座に否定したが影響は市場全体へ波及した[24]

2020年9月、「ソニーPlayStation 5の生産台数を400万台削減する」と報じた[25]。この報道を受けて、株価が急落する事態となり、ソニーは該当報道を否定するコメントを出した[26][27]

2021年5月、「任天堂が新型のNintendo Switchを開発しており、同年6月に開催するゲーム見本市『Electronic Entertainment Expo(E3)』にて発表する可能性がある」と報じ[28]、複数のネットメディアがブルームバーグの報道を引用する形で後追い記事を出す事態となった[29][30]。しかし、実際には同見本市では発表されず[31][32]、同年7月6日に任天堂から発表された[33]

2021年7月、新型Nintendo Switchの部品コストに関する報道を出したが、任天堂は報道から4日後に公式のTwitterにて否定するコメントを出した[34][35]

2021年9月、任天堂が一部のゲームメーカーに対して、4K映像に対応する開発キットを配布し、既に4K対応のNintendo Switchソフトを制作していると報じたが、任天堂は報道当日に公式のTwitterにて否定するコメントを出した[36][37]

労働問題

ブルームバーグ・ニュース東京支局では、同社が独自に取り入れている業績改善プラン「パフォーマンス・インプルーブメント・プラン(PIP)」(独自記事の本数などについてのノルマ)を、2009年12月以降に男性記者に課した。この記者は2010年4月になって、ノルマを達成できないことなどを理由に退職勧奨されるようになり、2010年8月解雇された。

記者は解雇を無効として東京地方裁判所に訴えを起こし、2012年10月5日に同地裁は「解雇は客観的に見て、合理的理由が無い」などとして、解雇の無効を認める判決を言い渡した[38][39][40]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:74 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef