ブルーバック
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背景にブルーが使われることが多いのは、フィルムプロセスで一番実現性の高い色であったのと、肌の色が補色の関係(特に黄色人種)にある事が大きい。

グリーンバックも最近よく見かけるが、ライティングの光量がブルーほど要らない為に非常に大きな背景の場合にはグリーンの方が有利である。また、白人はマゼンタの成分を持つ肌色のため、補色であるグリーンが使われる場合もある。ブルーとグリーンのどちらにするかは、撮影する人物の「服装」により使い分けられることが多い。

ブルーやグリーンの回り込み(スピル)はアナログ時代では非常にやっかいな現象で、補色の関係にあるライトを当てて消したり、カラーセパレーション(色分解)した段階でカブリを除去するなどしていたが、どの方法も決定的な解決法ではなかった。Primatte Keyerはこの問題をカブリ分を別マスクにしてその部分に背景素材をぼかして被写体に重ねることで、合成時のなじみが格段に改善され、合成であることが観客に全く気付かれない所まで仕上げることが可能になってきた。

アナログ時代には考えられなかった事だが、被写体にわざと多量の背景色の色カブリを起こさせて撮影する場合もある。

撮影現場の費用が非常に高価なハリウッドなどの映画では、背景にブルーやグリーンを立てる手間と時間の費用と配役のギャラを考えると、そのまま撮影して、ポストプロで多くの人間が手作業で一定期間掛けて移動マスクを作る方が安い場合も多々ある。さらにリアルタイム3DCG表示技術の進歩により、カメラ位置に連動してCG背景を映写する巨大なスクリーンの前で直接役者の演技を撮影し、合成プロセスそのものを不要にする「バーチャルプロダクション」が実用レベルになり、専用スタジオも登場している[3]
脚注[脚注の使い方]^ 東宝特撮映画全史 1983, pp. 118?119, 「東宝特撮映画作品史 白夫人の妖恋」
^ 東宝特撮映画全史 1983, pp. 462?463, 「特撮映画はこうして作られる」
^ “新番組「王様戦隊キングオージャー」の背景CGがハイクオリティーと話題に グリーンバックを使わない最新撮影技術とは?”. ITmedia NEWS. 2023年8月22日閲覧。

参考文献

『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸東宝出版事業室、1983年12月10日。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-924609-00-5。 

関連項目

SFX

クロマキー

デジタル合成

外部リンク


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