ブルース
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ブルー・ノート・スケールはメジャー・スケール(長音階)にブルー・ノートと呼ばれる短3度(移動ドレミの♭ミ)、短7度(移動ドレミの♭シ)を加えた音階である。当時の西洋学理上では短3度、短7度ともマイナー(短調)固有の音であり、通常はメジャー(長調)では使用されなかった。また、マイナー(短調)固有の音ではないが、短5度(移動ドレミの♭ソ)も準ブルー・ノートと呼ばれブルースでは多用されている。[9][10]
ブルースのシャッフルまたはウォーキング・ベース・ギターは、反復によりグルーヴを生み出す。ブルースの特徴であるシャッフルは、スウィング・ジャズ、ブギウギ、R&B、ソウル、ロックンロール、ロカビリーなどで使用された。また、ブラインド・ブレイクやブラインド・ボーイ・フラーは、フィンガー・ピッキングの名手としても知られた[11]
歴史W.C.ハンディの"St. Louis Blues"の譜面 (1914)

19世紀後半ごろに米国深南部黒人霊歌、フィールドハラー(労働歌)などから発展したものと言われている[12]

1903年ミシシッピ州デルタ地帯を旅行中だった黒人中産階級のW・C・ハンディ(英語版)が、同州タトワイラーで黒人によるブルースの生演奏に遭遇した。この後、彼は楽曲を楽譜にして発表し、ブルースは世間に知られることになった。だが、ハンディはブルースを楽譜におこしただけであり、ブルースの父とすることには批判が多い。この年をブルースの生誕の年とする見方もあり、2003年はブルース生誕100年を記念してアメリカ合衆国議会により、「ブルースの年」と宣言された[13]

1920年、メイミー・スミスがオーケー・レーベルに初レコーディング。これがブルースのレコーディングとしては初と言われている。彼女のCrazy Bluesは、初年度75,000枚を売り上げるヒットを記録した[14]。また現在、知名度の高い戦前のブルース・シンガーはロバート・ジョンソン[15]だが、当時はチャーリー・パットンの方が、黒人の間での人気が高かった。

戦前のアメリカにおいて、ブルースは米国深南部からセントルイスシカゴニューヨークなどへ北上し、各地でスタイルを変えながら発展した。元々ギターの弾き語り中心であったが、都市部に展開するにつれ、ピアノとギターのデュオ形式、バンド形式など、より都会的な洗練された形式へと変わって行った。都市部で展開されたブルースのスタイルをシティ・ブルースという。代表的なミュージシャンは、リロイ・カーなど。しかし都会にあこがれる反面、故郷への想いが強く詩に影響を与えている歌が多い。[14]

シカゴでは、1950年ごろからエレクトリックのバンドによるブルースが登場した。デルタ・ブルースを基調とした泥臭いサウンドで、戦前のシティ・ブルースとは一線を画すものであった。このサウンドはシカゴ・ブルースと呼ばれるようになった。その代表格となるのが、マディ・ウォーターズである。ロックンロールの巨匠、チャック・ベリーもこの頃のブルースに大きく影響を受け、後のロックバンドにも受け継がれているといえる。[16]

1950年代前半にはメンフィスからデビューしていたB.B.キングがモダン・ブルースを確立。 モダンブルースは、よりダウンホームなデルタ・ブルース?シカゴ・ブルースより、テキサス・ブルース及びジャンプ・ブルース等に影響された管楽器を含む洗練されたバンド・サウンドを基調とし、エレキ・ギターによるダイナミックなチョーキングを核にしたスクイーズ・ギターとゴスペルの唱法を持ち込んだ歌を特徴とする[17]。 B.B.が切り開いたモダン・ブルースの影響はシカゴにも及び、当時のシカゴの若手ブルースマン達にも影響を与えた。 このモダン・ブルースに影響を受けたシカゴの若手ブルース・マン達(オーティス・ラッシュマジック・サムバディ・ガイ等)の音楽をモダン・シカゴ・ブルースと呼ぶ。[18]

1960年代には、イギリスにアメリカから多くのブルースのレコードが輸入され、同国でブルース・ロックのブームが起きた。その流れの中で、ローリング・ストーンズフリートウッド・マック、クリーム、アニマルズなど、ブルースに影響を受けたバンドが多く登場し、ブルース・ロックが隆盛となった[19]
代表的なブルース・アーティスト


戦前ブルース(デルタ、カントリー・ブルース)

ジェシー・フラー

チャーリー・パットン[20]

ブッカ・ホワイト

ブラインド・レモン・ジェファーソン[21]

ブラインド・ブレイク[22]

ブラインド・ウィリー・マクテル

ブラインド・ウィリー・ジョンソン(ゴスペル・ブルース)

ベッシー・スミス

レッドベリー

ロバート・ジョンソン

シカゴ・ブルースバディ・ガイ

アイク・ターナー

アルバート・キング

アール・フッカー

ウィリー・ディクソン

エルモア・ジェームス

オーティス・スパン

オーティス・ラッシュ

サニー・ボーイ・ウィリアムスンII

J.B.ルノア

ジミー・リード

ジョン・リー・フッカー

ハウリン・ウルフ

ハウンド・ドッグ・テイラー

バディ・ガイ

ヒューバート・サムリン

フェントン・ロビンソン

マジック・サム

マディ・ウォーターズ

マット・マーフィー

リトル・ウォルター



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