※コクラン大佐は吹き替え版では「コクレーン」と発音する場合もある。 全長12.0m、全高3.16m、3ローター・ブレードの全幅は10.5m。最大速度は時速320km、巡航速度は時速220km。航続距離は800kmで滞空時間は3時間、最大高度は18,500フィート。[4]。 機体前部の左右に備えられた3000万カンデラのサーチライト、拡声器のほか、機体左側面に赤外線暗視装置[※ 2]、機体右側面には室内の人物をカーテン越しに撮影可能なサーモグラフカメラ、操縦室上部に超高感度・超高指向型の盗聴用マイクロフォンを装備。カメラとマイクで捉えた内容は、機体後部に搭載されたUマチックビデオデッキで記録できる。ビデオカセットは特殊なジャケットに収納されており、司令部からコマンドを送信することで内容の遠隔消去が可能である。 飛行中でも『ウィスパーモード』にすることでローター音を消すことができる。 武装は、機首下部の20mm6銃身ガトリング砲1門(ストーリー中では「エレクトリック・キャノン」と表現されている)。毎分4000発を発射可能で、有効射程は1kmにも及ぶ[5]。照準はAH-64 アパッチに搭載されているような、パイロットの視線に連動して砲塔が追尾するディレクターサイト方式となっている。機体は厚さ2.5センチのセラミック製装甲で防弾仕様。チャフやフレアなどは搭載されていない。 操縦席前部のパイロット席前面には赤外線式照準装置と映像表示パネル、航空計器が配されたコンソールがあり、席の左側には航空無線連結コンソールが置かれている。操縦席の後方にある航空観測員席には人工衛星による位置確認装置(21世紀でいうGPSのナビゲーションモニター)、1台のサーモグラフモニターの上に四分の一インチモニター4台が設置されたコンソールパネル、政府機関のデータバンクとリンクしているコンピュータ端末を搭載。航空観測員席はこれらの機器のため斜め前向きに設置されており、操縦席は広く見えるが実際は2人乗りである。コクピット天井には「ビッグブラザー」と呼ばれるコクピットボイスレコーダーと収録用マイクが取り付けられている。 これらの機能は荒唐無稽なものではなく、1990年代に実現されているであろうレベルを意識しており、そのほとんどは現在までに軍用ヘリなどで実用化されている。最後まで実現されていなかった、ローター音の消音はユーロコプターから「ブルーエッジ」という騒音低減技術が発表されたため[6]、現在ではほぼ同性能の機体が製造可能となっている。 エンジン部分には「02」、ダクテッドファン枠には「2502」と番号が記されているが、何を意味するのかは不明。 主役とも言える“ブルーサンダー”ヘリコプターはミッキー・ミッチェル(Mickey Michaels)によるデザインで、当初は既存の民間向けヘリコプターを小改造して使用する予定であったが、バダム監督とミッチェルは「誰も見たこともないようなデザインであるほうがいい」としてオリジナルの機体をデザインした。デザインにあたっては当時最新鋭とされた各種の軍用攻撃ヘリコプターが参考にされている。 ミニチュア(1/6スケールのラジコン)の他、実際に飛行するプロップが製作され、母体となった機体はアエロスパシアル製SA341である。風防部分はベース機を直接採寸の上で美術スタッフの手で設計された。母体であるSA341は涙滴型のキャビンと風防を持っているが、監督であるバダムが戦闘ヘリらしい印象を求めたのに加え、美術スタッフが撮影時の光の反射を考慮した事で直線的なデザインが採用され、ダイヤモンドカットの様な多面形の風防となっている[7]。 実機改造のプロップは1機19万ドルで購入したものを改造し、大型化された風防その他のパーツを装着、機首にはガトリング砲のダミーが取り付けられている。このために全体的な機動性が損なわれており、実際は作中で演出されているような機敏な動きをさせることが難しかったという。また、大型化した風防のために機体前部が重く、バランスが偏っていて操縦が難しかったとのことである。 飛行可能なプロップは予備機を含め2機が製作され、1番機の製造番号1075号機(s/n 1075:FAA登録番号 N52BT)はテレビシリーズの撮影後、1986年にニューメキシコ州の中古航空機保管業を経営するコレクターに売却され、細部の改造と塗装/マーキングを変更して『冒険野郎マクガイバー』に登場し、ABCのミニドラマ「アメリカ」でも細部の改造と塗装/マーキングの変更が施されて使用され、その後1988年にSA341の部品取り用として中古市場に売却された[8]。予備機の2番機、製造番号1066号機(s/n 1066:FAA登録番号 N51BT)はTVシリーズの撮影に用いられた後、1番機に先んじて1984年にニューメキシコ州のコレクターに買い取られ、全米各地のエアショー他で展示飛行のアトラクションに用いられた後、1994年に解体されて部品取り用として中古市場に売却された[8]。
機体
設定
プロップ