ブルックリン_(映画)
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2015年のサンダンス映画祭でプレミア上映され、映画評論家に称賛された[5]。2015年11月4日にはアメリカで限定公開され、11月6日にはイギリスで限定公開された[6]アカデミー賞では作品賞、主演女優賞(ローナン)、脚色賞の3部門にノミネートされた。
物語

アイルランドの田舎町。年頃の娘エイリシュは閉鎖的な環境の中、食料品店で自らの可能性を磨く機会もなく燻っていた。そんな彼女に姉ローズはニューヨークで働く機会を用意してやる。胸を膨らませアメリカ行きの客船に乗ったエイリシュは、見ず知らずの乗客に激励を受けながら新天地で第一歩を踏み出した。

だが、慣れないデパート勤務と勤労女子たちとの寮生活のなか、エイリシュから余裕と向上心は失われていった。ホームシックに悩む彼女に、世話役のフラッド神父は大学の会計士コースの受講を薦める。それに従う彼女は少しずつ自信を取り戻し、容貌に華やかさを表すようになっていった。そんな彼女をパーティーで認めたイタリア系の青年トニーは、一目惚れの末にプロポーズをしてくる。今や立派なニューヨークっ子になったエイリシュも彼の気持ちを受け止め、ふたりは幸福のうちに契りを結んだ。

そんな矢先、エイリシュに故郷の町から姉の訃報が届く。急ぎ帰郷した彼女は、そこで昔馴染みの青年ジムと再会した。大切な家族に降り注いだ不幸から立ち直ったエイリシュは、立派な紳士となったジムに優しく接され、その包容力に身を委ねたい気持ちを育まれてゆく。トニーへの後ろめたい感情を次第に忘れてゆく彼女ではあったが、かつての雇い主であったミス・ケリーは彼女が既婚者だという秘密を暴く。エイリシュにとって、それは冷水を浴びせられるような経験であり、もはや帰る故郷はない事実の証明であった。

ニューヨークで、妻の帰還を待ちわびつつ仕事に精を出すトニー。彼はある日、通りの向こうに愛する女が立ち、微笑みかける姿を見るのだった。
キャスト

エイリシュ・レイシー役 :
シアーシャ・ローナン[7]

アンソニー"トニー"・フィオレロ役 : エモリー・コーエン

ジム・ファレル役 : ドーナル・グリーソン

フラッド神父役 : ジム・ブロードベント

ミス・キーオ役 : ジュリー・ウォルターズ

ミス・ケリー役 : ブリッド・ブレナン(英語版)

ローズ・レイシー役 : フィオナ・グラスコット

ミス・フォルティーニ役 : ジェシカ・パレ(英語版)

ナンシー役 : エイリーン・オイギンス

ドローレス・グレイス役 : ジェン・マレー(英語版)

パティー・マクガイア役 : エミリー・ベット・リッカーズ

ディアナ・モンティーニ役 : イブ・マックリン

シェイラ役 : ノラ=ジェーン・ヌーン

マウリツィオ・フィオレロ役 : マイケル・ゼゲン(英語版)

フィオレロ氏役 : パウリーノ・ヌネス

フランキー・フィオレロ役 : ジェイムズ・ディジャコモ

ロレンツィオ・フィオレロ役 : クリスティアン・デ・ラ・コルティーナ

フィオレロ婦人役 : エレン・ディヴィッド

ジョージナ役 : エヴァ・バーシッスル(英語版)

製作・公開原作者のコルム・トビーン主人公の故郷という設定のエニスコーシー

原作の『ブルックリン』は2009年にアイルランド人小説家のコルム・トビーンが英語で刊行した小説であり、この作品はコスタ賞小説部門を受賞したほか、国際IMPACダブリン文学賞にノミネートされている。監督は『BOY A』(2007年)で高評価を受けたジョン・クローリー、脚本は『17歳の肖像』(2009年)や『わたしに会うまでの1600キロ』(2014年)などのニック・ホーンビィ。主演はニューヨーク生まれながらアイルランドで育ったシアーシャ・ローナンであり、ローナンの両親はアイルランド人である。

2014年4月1日にアイルランドで撮影が開始され、ウェックスフォード県エニスコーシー(英語版)、ウェックスフォードダブリンなど様々な場所で3週間に渡って撮影が行われた[8][9][10]。エニスコーシーは原作者のコルム・トビーンの出身地であり、主人公が生まれ育った設定の町である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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