ブルックリン区
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橋の建設や地下鉄の開設などにより19世紀よりベッドタウン化が進み、それまで独立行政を行っていた同区は1898年にニューヨーク市に併合された。1639年オランダ作成の地図。下から中央に向かって伸びる陸地がロングアイランド。その先 端に浮かぶ小さな島が現在のスタテンアイランド。二つの川に挟まれた中央右の島が現在のマンハッタン1766年のキングス郡の地図。左上に見えるマンハッタンは開発が進んでいるのに対しキングスには農地が多い。また埋め立てがないため海岸線が現在に比べ凸凹である。
6つのオランダ街

オランダはロングアイランドの最西端に入植した最初のヨーロッパ人であり、それまではインディアンレナペ族が同地に居住していた。オランダの地名ブルーケレン(Breuckelen)より名づけられた"ブルーケレン入植"はニューネーデルラントの一部を成していた。オランダ西インド会社を中心に同地に6つの街を築いた。

グレーヴセンド: 1645年イングランド人がオランダより譲渡証明を受け開拓。

ブルックリン: 1646年、オランダの地名ブルーケレンの名を使い開拓。

フラットランズ: 1647年、オランダの地名アメルスフォールトからニューアメルスフォールトとして開拓。

フラットブッシュ: 1652年、ミッドウォートとして開拓。

ニューユトレヒト: 1657年、オランダの地名ユトレヒトから取り開拓。

ブッシュウィック: 1661年、ボズウィックとして開拓。

イングランドの統治

1664年、第二次英蘭戦争によりニューネーデルラントがイングランドによって征服されるとロングアイランド西部はイングランドの支配下に置かれた。同戦争で活躍した海軍の指揮官を務めたヨーク公(後のジェームズ2世)を称えニューネーデルラントはニューヨークと名を変え、現在のブルックリンを含むロングアイランドはニューヨーク植民地の管轄化に置かれた。

1683年11月1日、イングランドはロングアイランド最西部の南端に置かれた上記の6つの街をキングス郡として統一した。この頃のニューヨーク植民地は12の郡を内包しておりキングスはその一つとなった。これが現在のブルックリン地域初めての地方行政の誕生であり、後の同地区の行政的アイデンティティも形成することとなった。

ペトルーンと呼ばれる領主的権限を持つ大地主や小作農民が同地にはいなかったことから13植民地の中でも同地区の奴隷の使用は盛んであった。
アメリカ独立戦争

1776年8月27日、ロングアイランドの戦い(別名ブルックリンの戦い)が行われる。この戦いは植民地側が独立を宣言した後に行われた最初の戦闘であり、またこの独立戦争最大規模の戦闘になった。イギリス軍はジョージ・ワシントン率いる大陸軍を現在のグリーンウッド墓地、プロスペクト・パーク、グランド・アーミー・プラザまで後退させた。要塞化されていたブルックリン・ハイツもニューヨーク港を征服しているイギリスの攻撃に持ちこたえることが出来ず、数日後に大陸軍は撤退。現在のアトランティック・アヴェニュー西方にある丘ゴワナス・クリークで激しい戦闘を繰り広げ唯一の優勢を保っていたワシントンであったが、ロングアイランドの戦いにおいて多くの犠牲を出したことから「我々は今日多くの勇敢な兵士を失ってしまった」と悲観的声明を発表した。1776年8月ロングアイランドの戦い

この戦いで惨敗を喫してしまったワシントンは指揮官としての資質を問われることもあったが、僅か一日で全兵士をイーストリバーを越えて撤退させたことは多くの歴史家によって高く評価されている。

ブルックリンを含むロングアイランドはほぼ全てがイギリスの指揮下に置かれ、現在のニューヨーク市地域は瞬く間にイギリスの北米指揮の本拠地となった。イギリスとのビジネス関係からキングスにはイギリス支持派のロイヤリストがおり、彼らは大陸軍と共に撤退や避難はしなかったためイギリスは彼らのサポートも受けることが出来た。しかしワシントン率いるアメリカ独立戦争の情報戦略が功を奏し、徐々にロイヤリスト達は植民地側へと付くようになっていった。

イギリスはウォーラバウト港に囚人船を持ち込み、ここに収容され死んでいったアメリカ人パトリオットの人数は独立戦争の戦闘で死んだ数よりも多い。

1783年パリ条約が結ばれ植民地はアメリカ合衆国としてイギリスより完全独立。同年11月25日はイギリス軍がニューヨークより撤退した日で、Evacuation Day(撤退の日)と呼ばれ現在でも式典などが催される記念日となっている。
19世紀初頭の都市化

19世紀初頭になると都市の拡大と共にマンハッタンに次ぎキングス郡の都市化が顕著となった。


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