ブルジュ・ハリファは、イスラーム建築で表現される柄からデザインされた[36]。SOMの構造エンジニアであるビル・ベーカーによると、デザインの際に特定の文化的や歴史的な要素が取り込まれた。翼形状が外側に伸びるY字型の断面は、景観や自然光が差込むのに適し、住居やホテル用途には理想的である[36]。主要設計技師のエイドリアン・スミスは、ビルが持つ3つの切り欠きはヒメノカリス(英語版)の花から連想したという[37]。ビルは中央のコアを取り囲む3つ構成部分で成り立っている。沙漠の地表から上に行くに従って、各構成部分は敷地境界線から後退(セットバック)して螺旋形状を取りながら、上階の床面積がより小さくなってゆく。テラスは27箇所にある。先端になると中央のコアが露出し、その上に尖塔が設置されている。Y字型の床は、ペルシア湾の展望が最も良く見えるようデザインされている。上空から見下ろしたり、地表から見上げると、建物はイスラーム建築のオニオンドームを連想させるように見える。尖塔の先の揺れは、幅1.5 m (4.9 ft) に及ぶ[38]。
空前の高さを持つビルを支持するため、六角形のコア部が3方向から構成部分によって補強されるY字型形状を持たせた「バットレスト・コア」という新規構造が開発された。この構造によって建物は自ら外側から支え、ねじれを防ぐことを可能とする[36]。
尖塔は4000 t以上の重さを持つ構造用鋼鉄で作られている。中央の頂上パイプは350 tあり、建物の中央からストラット・ジャッキ(英語版)で200 m (660 ft) の高さまで吊り上げられた。この尖塔部分は通信装置を収容している[16]。
外構は、142,000 m2 (1,528,000 sq ft) にもおよぶ反射ガラスと、縦置き管状ファンを備えたアルミニウムおよびステンレス鋼製の窓小間(英語版)パネルが用いられた。これらは、ドバイの極端に暑い夏季の気温に耐えられるように設計されている。
巨大ビルの質量から来る極度の圧力に耐えられるよう、コンクリートは特別な配合のものが使われ、鉄筋コンクリート構造でよく行われるように、所定の圧力に耐え得ることを確認する検査がバッチ毎に実施された。クリープや収縮の検査はCTL社が担当した[39]。 階用途 階別の間取り図[41] 304室のホテルはその1/4がアルマーニの運営で、15階から30階を占める[2][42]。オープニングは2010年3月18日になったが[43][44]、諸事情により営業は同年4月27日にずれ込んだ[45]。オフィススペースは3月から提供された[46]。 43階と76階のスカイロビー
フロア
160-163機械室
156?159通信・放送
155機械室
139?154オフィス
136?138機械室
125?135オフィス
124屋外展望台「At the Top」
123スカイロビー
122レストラン「At.mosphere」
111?121オフィス
109?110機械室
77?108居住区
76スカイロビー
73?75機械室
44?72居住区
43スカイロビー
40?42機械室
38?39アルマーニ・ホテル(スイート)
19?37アルマーニ・ホテル
17?18アルマーニ・ホテル
9?16アルマーニ・ホテル
1?8アルマーニ・ホテル
Groundアルマーニ・ホテル
Concourseアルマーニ・ホテル
B1?B2駐車場、機械室
ブルジュ・ハリーファは、常時35,000人が滞在できるよう考えられた[36]。エレベーターは57基、エスカレーターは8基設置された[16]。エレベーターは1基当り12-14人が搭乗可能で、最大昇降速度は600 m/min = 10 m/s (33 ft/s)[36]。当初、世界初の3重のデッキを備えたエレベーターが考えられたが、最終的にダブルデッキに落ち着いた[19]。内部には、展望台へ向かう利用者を退屈させないためLCDディスプレイが備え付けられている[49]。階段は、1階から160階まであり、段数は2,909である[50]。
建物のグラフィック・デザインはドバイに本拠を置くBrash Brands社が制作した。同社は他にも、国際展開のイベントや通信、ビジターセンターの企画なども行った[51][52]。
展望台デッキ展望台デッキからの眺め
屋外展望台は「At the Top」と名づけられ、2010年1月5日にオープンした[53]これは452 m (1,483 ft) にあり、世界で3番目、屋外にあるものとしては2番目に高い展望台である[54]。この展望室へはブルジュ・ハリファから直接入る事は出来ず、隣接するドバイ・モールで受付を済ませて、そこから地下道でここに昇るエレベーターに移動する。この展望台デッキには、Behold Telescope という拡張現実機器が備わっている。これはモントリオールのgsmprjct°社が開発したもので、現在の全周風景を眺めることや、異なる時間や天候下での風景を見ることもできる[55]。混雑を防ぐため、日時指定したチケットは75%の割引で販売されている[56]。
電源の故障によってエレベーターが途中で止まり45分間にわたり客が閉じ込められたトラブルの後、2010年2月8日から展望台の公開が一時中止された[57][58]。2月14日のバレンタインデーに間に合わせて再開されるという噂もあったが[59]、結局閉鎖状態は同年4月4日まで続いた[60][61][62]。