ブリッジ・オブ・スパイ
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北アメリカではタッチストーン・ピクチャーズ、それ以外では20世紀フォックスの配給により公開される[6]
あらすじ

冷戦中の1957年、ブルックリンで画家を装い諜報活動を行っていたソ連のスパイルドルフ・アベルは、FBIに目をつけられ追跡されていた。彼がデッド・ドロップ後に滞在するホテル・レイサムで情報解読しているとき、スパイだと確信したFBI捜査員がそこに突入し家宅捜査、逮捕される。ワターズ&コワン&ドノヴァン法律事務所の保険担当弁護士 ジェームズ・ドノヴァンは共同経営者のトーマス・ワターズと連邦裁判所のリン・グッドナフから、公平性を演出するため弁護士がいないアベルに連邦裁判所弁護士会の弁護士全員の推薦を受け、ドノヴァンが彼の弁護士として選出されたと伝えられる。ドノヴァンは刑事事件を何年も担当していないことやスパイという自国の敵を弁護し非難を受けることを懸念するが、結局、弁護を受け入れる。妻のメアリーからは家族に危険が及ぶことや、敵国のスパイなどを理由に弁護を引き受けることに否定的な意見を言われる。ドノヴァンは拘置所を訪れアベルと初対面し、彼が弁護を承諾したことを受けて政府への協力の可否を尋ね協力しないとの答えを聞いた後、裁判について打ち合わせる。とあるモーテルではアメリカの軍人が集められ、上空からU-2偵察機でソ連を偵察するためのパイロットの秘密保全検査が行われていた。検査終了後、フランシス・ゲイリー・パワーズとジョー・マーフィらはCIAのウィリアムズより今回の任務内容を聞かされ、内容は他言無用で撃墜されたり捕虜になることも絶対避けなければならないと言い渡される。

ドノヴァンは旧知の仲であるモーティマー・W・バイヤーズ判事に裁判の日程延期を申し入れるが、有罪が決まっていると却下される。帰り道でドノヴァンはCIAのホフマンに接触されアベルが何を話したか尋ねられるが、依頼人との守秘義務だとして答えない。1960年、パキスタンのペシャーワル米空軍基地でパワーズたちはウィリアムズからU-2偵察機を見せられ構造の解説を聞いたあと、別のエージェントから詳細な情報を教えられる。ドノヴァンは部下のダグ・フォレスターと共にアベルのアトリエから押収されたスパイ道具を確認しに訪れて捜索令状が今回の罪状のものではないことを調べ、証拠品は無効だと判事に異議を申し立てるが却下される。敵国スパイを弁護したことで世間の目が厳しくなるなか無罪を求めて弁護するドノヴァンだが、陪審評決は全員一致で有罪となる。死刑判決だけはなんとか回避しようとアベルと面会後に判事の自宅を訪問したドノヴァンは、将来アメリカ人がソ連の捕虜となった場合の交換材料として生かしておくことを提言する。判事からそのことに疑問を呈され、ドノヴァンは切り札としてだけでなく人道的な面でアベルが祖国に忠誠を誓っているだけの無害な人物だと答える。その結果判事の心証が変わり誰もが確信していた死刑判決を回避することに成功し、懲役刑の判決が下される。ドノヴァンはさらに刑を軽くしようと最高裁への上訴を決め、アベルから危険だと忠告されながらも弁護を続行する。しかしマスコミが裁判をスキャンダラスに報じ、ドノヴァン家は自宅を銃撃されるなど過激なバッシングを受けるようになる。

米空軍基地で偵察機の自爆装置や1ドルコインに隠した自害用の毒針の説明をウィリアムズから聞いたパワーズたちは、偵察機に乗り込みソ連へ向けて出発する。ドノヴァンは最高裁長官に向けて口頭弁論し、アベルの人権を尊重するよう訴えかける。結果は最高裁の判決が5対4で有罪となりニューヨークに戻ったドノヴァンは、東ドイツから送られたアベルの妻だという人物の手紙を彼に見せる。するとアベルは妻によるものではないと断言し、次の動きを知るためドノヴァンが返事を送ることに賛同する。一方、ソ連の上空でカメラによる偵察を行っていたパワーズは、偵察機に向けて発射された地対空ミサイルが命中し撃墜。捕らえられたパワーズはソ連の裁判で禁固10年の判決が下る。その後ドノヴァンはCIAのアレン・ダレス長官と会い、手紙はアベルを国民と認めたくないソ連が東ドイツを経由して送ってきた、アメリカ人パイロットを捕まえたと伝えるものだと言われる。それはドノヴァンが予期していた捕虜交換を提案するもので、ダレス長官は彼に民間人としてスパイ交換の交渉役を担うよう依頼する。ベルリンの壁が建設されつつあるドイツでは、アメリカ人留学生 フレデリック・プライヤーが東ベルリンにいる恋人と西側へ逃走を図るが捕らえられる。西ドイツでホフマンと別れ、ドノヴァンは交渉を開始するため東ベルリンにあるソ連大使館を目指し、翌日フリードリヒ通り駅を通り治安が不安定な東ベルリンに入る。
キャスト
ジェームズ・ドノヴァン
演 - トム・ハンクス、日本語吹替 - 江原正士[7]アイルランド系アメリカ人の弁護士。ニュルンベルク裁判に検察官として参加したやり手だが最近は刑事裁判から遠ざかり、主に保険関係の裁判を担当している。政府からアベルの弁護の依頼を受け、妻のメアリーに反対されながらも弁護を承諾する。アベルの国に忠誠を誓う意志の強さと人柄を見て、負け戦と言われたアベルの裁判で判決を少しでも軽くしようと手を尽くし、徐々に彼と信頼関係を築く。法を遵守する精神を持ち、CIAに守秘義務の例外だとアベルの発言を尋ねられても応じない。アベルの弁護に熱心に取り組むあまり世間のバッシングだけでなく、CIAやパートナーのワターズからも苦言を呈されるが、屈することなく裁判を最後まで戦い抜く。最後の手段として、将来直面するかもしれない捕虜交換の切り札を残すことを理由に挙げ、死刑の回避を判事に直談判し減刑に成功する。裁判後はCIAの要請で東ベルリンへ向かい、ソ連に拘束されたパワーズをアベルと交換する交渉を行う。しかし助手のフォレスターと同年齢の留学生 プライヤーも逮捕されていることを知り、CIAの意に反して彼の解放をヴォーゲルと交渉する。コーヒーの好みは砂糖2つとミルク入りのネスカフェ
ルドルフ・アベル
演 - マーク・ライランス、日本語吹替 - 佐々木敏[7]ドイツ系ロシア人のソ連諜報員。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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