1828年に受刑者により建てられたウィリアム・ストリートのコミッサリー・ストアは、穀物倉庫として一部が使われており、移民者のホステルとしても使用され、また記録保管庫としても使われた。カンガルー・ポイント・クリフの近くのブリスベン・タフおよびアルビオン・パーク・レースコースの砂岩で建てられ、現在はブリスベン王立歴史協会の本部となっている。博物館があるほか、小規模の会合、式典などに貸し出されることがある[9][10][11]。
シティの人口密度は1平方キロメートルあたり379.4人であり、これはオーストラリアでは高い方でありシドニーの人口密度に匹敵する。しかしながら多くの西洋の都市と同じように郊外の庭付住宅の需要は根強く、ブリスベンの人口は周辺域へと広がりつつある。ウィリアム・ジョリー橋よりシティの西側を望む
初期の法律により居住ブロックの最小規模が定められ、その結果、ブリスベンに建築されたテラスハウスは少数にとどまることとなった。アパートメントのような集合住宅はブリスベンでは比較的新しく、1970年以前はシティ近接のサバーブに少数が建設されただけである。近年ではシティおよびシティ近郊の人口密度はアパートメントの増加により高くなっており、シドニーやメルボルンとの差は縮まった[12]。中心業務地区の人口は2004年6月から2009年6月の5年間で約2倍となり[13]、都心回帰の傾向がみられる。
1950年以前の住居はクイーンズランダー(英語版)という様式で建てられていた。トタンの切妻屋根と大きなベランダが外観の特徴で、高温多湿の気候に対応した高床式の木造住宅である。現在では珍しくなっているが、郊外で新築物件の供給が行われている。これらクイーンズランダー様式の家は杭('stilt'(竹馬)とも呼ばれる)により高く持ち上げられる。この杭は元々は木材が使用されていたが、近年は鉄筋やコンクリートが使用されることが多い。サウス・イースト・クイーンズランド地域の材木の値段が比較的安いのは、近年まで多くの住居が、ブロックや石材よりもむしろ、木材で建築されることが多かったためである。
ブリスベン市庁舎(英語版)は高さ91mの時計塔を備えており、長年に渡り市内で最も高い建築物だった。現在、ブリスベンには高さ100m以上の建築物は70棟以上あり増加している。最も高いのは2019年に完成したブリズベンスカイタワー(270m)である。
気候ブリスベンの一年間の平均気温と平均降水量のグラフ
ブリスベンはケッペンの気候区分の温暖湿潤気候Cfaに属し、夏は湿度が高く暑くなり、冬は乾燥し温暖な気候である[14]。11月から3月までは雷雨がよくあり、また時折、激しい雨、風が伴うことがある。
ブリスベンで記録された最高気温は1940年1月26日の43.2℃である。また、2007年7月19日にはブリスベン空港で記録上初めて氷点下になり、-0.1℃を記録した[15]。2009年8月24日には、冬としては最も気温の高い35.4℃を記録している。最も降水のあった日は1887年1月21日であり、465mmを記録し、この記録はオーストラリアの州都においても最大の記録である。
ブリスベンおよび周辺地域では、2001年から2008年までの間、この100年間で最も記録的な干ばつがあり、2007年8月10日にはダム貯水量が16.9%にまで下がった。居住者は法律により、レベル6という高い水の供給制限を受け、庭や屋外での水の使用が制限された。一人あたりの水の使用量は1日あたり140リットル以下に制限され、これは世界の他の欧米諸都市の中で最も低いものであった[16]。2008年のはじめにブリスベンの周辺ダムの貯水量は98%までに回復している[17]。水の供給制限は、一日、一人あたり200リットルへと変更されたが、需要量は160リットルを上回ることはまれである。
ブリスベンにおいては砂嵐はかなり珍しいが、2009年9月23日に起こった砂嵐においては、他のオーストラリア東部の都市と同様にブリスベンにおいても記録された[18][19]。
ブリスベンはまたサイクロンの影響を受ける地域でもあるが、ブリスベンにサイクロンが直接上陸することは稀である。2009年3月に熱帯性サイクロンのハーミッシュがブリスベン付近を通過し、ブリスベンの北部の約350kmに渡り傷跡を残したが[20]、このときの最も大きな被害はモートン湾で起きた、座礁した船によって引き起こされた燃料漏れ事故(英語版)である[21]。
ブリスベンの気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F)43.2
(109.8)41.7
(107.1)37.9