ブラーフミー文字
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別の説によれば、ブラーフミー文字はおそらくインダス文字をその祖先として全く独自に発達した。この説はイギリスの学者G.R. Hunter[9]やJohn Marshall[10]やRaymond Allchin[11]などが主張している。
特徴各種の母音表現。/k/ を表すブラーフミー文字と、各種の母音表現。

ブラーフミー文字はアブギダである。すなわち各文字は音節を表現する。各文字は子音の音価と暗黙に続く母音の音価を保持する。ブラーフミー文字では、随伴母音は /a/ である。異なる母音を表現するには基字にダイアクリティカルマークを加える。また、子音を伴わない母音単独音を表記するための独立した文字もある。

/pr/ や /rv/ のような子音連結で始まる音節を表すために専用の記号が存在する。これらの多くは2つの音を表す文字を組み合わせて作られた結合文字である。
文字
母音
基本

文字(記号)転写
(
IAST)発音
(IPA)文字(記号)転写
(IAST)発音
(IPA)
母音字
(子音なし)母音記号
(子音あり)母音字
(子音なし)母音記号
(子音あり)
?○a/ɐ/ or /ə/??ā/ɑː/
??i/i/??ī/iː/
??u/u/??ū/uː/
??ṛ/ɻ/??ṝ/ɻː/
??ḷ/ɭ/??ḹ/ɭː/
??e/eː/??ai/əi/
??o/oː/??au/əu/

(※「○」は子音字を表す。)
その他

記号転写
(IAST)発音
(IPA)意味
??/?/
鼻音付加。
?ṃ/ⁿ/鼻母音化。
?ḥ/h/母音に後続する/h/。

子音
基本

無声音有声音鼻音
無気音有気音無気音有気音
軟口蓋音? k(a) /k(ə)/? kh(a) /kʰ(ə)/? g(a) /ɡ(ə)/? gh(a) /ɡʱ(ə)/? ṅ(a) /ŋ(ə)/
硬口蓋音? c(a) /c(ə)/? ch(a) /cʰ(ə)/? j(a) /ɟ(ə)/? jh(a) /ɟʱ(ə)/? ñ(a) /ɲ(ə)/
そり舌音? ṭ(a) /ʈ(ə)/? ṭh(a) /ʈʰ(ə)/? ḍ(a) /ɖ(ə)/? ḍh(a) /ɖʱ(ə)/? ṇ(a) /ɳ(ə)/
歯音? t(a) /t̪(ə)/? th(a) /t̪ʰ(ə)/? d(a) /d̪(ə)/? dh(a) /d̪ʱ(ə)/? n(a) /n(ə)/
唇音? p(a) /p(ə)/? ph(a) /pʰ(ə)/? b(a) /b(ə)/? bh(a) /bʱ(ə)/? m(a) /m(ə)/

接近音? y(a) /j(ə)/? r(a) /r(ə)/? l(a) /l(ə)/? v(a) /ʋ(ə)/
歯擦音摩擦音? ś(a) /ɕ(ə)/? ṣ(a) /ʂ(ə)/? s(a) /s(ə)/? h(a) /ɦ(ə)/

結合文字結合文字の例。

連続した子音を表現するための結合文字は、子音字を縦に組んで作る。

(このように子音字を縦に組んで結合文字を作る手法は、続く悉曇文字シッダマートリカー)やチベット文字などにも継承されたが、デーヴァナーガリーなどの段階になると横に組んで結合文字を作るようになる。)
数字詳細は「ブラーフミー数字」を参照
旧式

123456789
?????????
102030405060708090
?????????
1001000
??

新式

0123456789
??????????

字形比較

他のブラーフミー系文字インド系文字)や、フェニキア文字アラム文字との字形の比較。

フェニキア文字アラム文字音価ブラーフミー文字グプタ文字シッダマートリカー
悉曇文字梵字デーヴァナーガリーチベット文字
a???
--i??-
--u??-
--???-
e??-
--o??-
k???
--kh???
g???
gh??-
--????
c???
--ch???
j???
--jh??-
--n???
--???-
--?h??-
--???-
--?h??-
--???-
t???
th???
--d???
dh??-
n???
p???
--ph???
b???
--bh??-


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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