ブランド
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日本でも紀文食品はその創業時、主力の蒲鉾ちくわ焼印を付けることで、商品の希少性、信頼性を認知させてきた(現在も一部の商品には「紀文」という焼印が押されている)。

このことから、他の売り手・売り手集団の製品・サービスを識別し、競合他社(他者)のものと差別化することを目的とした、名称、言葉、シンボルデザイン及びそれらの組み合わせであるとされる。他社(他者)の製品・サービスより優れており、それを顧客に認識させることによって、企業等にとっては顧客の安心感を獲得でき、自有ブランドに「価値」が生まれる。
意義
経済的意義

経済的に、ブランドの価値は超過収益力として表現される。他社とまったく同一の機能・性能を持つ商品を販売する場合、他社よりも高い値段を付けても売れるならそれはブランドの信用力に由来する価値である。他社よりも高くできた値段の差額が超過収益力となる。
会計上の扱い

イギリスで1980年代、サッチャー政権のときにブランド資産価値 (Brand Equity) が認められるようになった。

会計上ブランドの価値は、合併の際にのれんとして計上される。高いブランド価値を持つ企業は市場で評価されることで純資産以上の時価総額を持つことになるが、その差額がのれんである。ただし自社で勝ち取ったブランド力は客観的な経済価値を見積もることができないため、資産(自己創設のれん)として計上することは認められない。
ブランドの広告と定着

多くの企業が何らかの形で自社のブランド戦略を持っているが、これらの企業を利用するユーザーの同意があって初めて「ブランド」として認知されるため、ブランドのコントロールは非常に困難な作業となる。これらは価格やデザイン、広告戦略、顧客対応など、企業がかかわる行動とステークホルダーすべての総和であるため、純粋な費用の投下だけでは達成し得ない。
ブランドの広告の新しい形
ブランデット・エンタテインメント

ブランデッド・エンタテインメントとは、映画・ドラマ・音楽・スポーツなどのエンタテインメントコンテンツの中に、違和感を覚えさせないで商品やブランドを溶け込ませるという広告宣伝の手法。近年アメリカで盛んに行われている。日本の広告業界でも2006年ぐらいから導入が具体的に検討されるようになった。
企業のブランド戦略の一例

企業名そのものをブランド名とする場合が多いが、一つの企業が高級ブランドと生活に密着した普及品ブランドなど、複数のブランドを展開する場合もある。例えばトヨタ自動車では一般ブランドの「トヨタ」と、高級車ブランドの「レクサス」を展開している。

また、そのブランドにネガティブなイメージが存在する場合は、その打破を図ってブランドが変更されたり新規に追加されたりすることもある。トヨタ自動車の場合、2003年から2016年まで、北アメリカではトヨタ/レクサスに加えて若者向け(個性派)の「サイオン」も展開していたが、これは北米市場の性質上、若年層を取り込む必要性が高いことと、「高品質だけど退屈」というネガティブイメージが、トヨタ/レクサスで付いてしまったことが経緯として存在する。

また同じ製品でも、国家によってブランドが異なる場合もある。また、ソニーは「SONY」のアルファベット4文字がブランドイメージを担っている。

日本国内ではメルセデス・ベンツといえば高級車フェラーリポルシェといえば高級スポーツカーの代表的ブランドであるといった固定観念が他国から見ても非常に強く、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}そのこだわりは諸外国から見れば異常なほどでもある[要出典]。

ただ、このような大手ブランドの安定性は、ネット社会の影響によりそれほど安定でない情況にある。一因として、ネット内の評判を株価に直結しやすい状況があるためであるが、ネット内情報は電子的に架空の複数発言を生成可能にするなどの誤魔化しも多いため、社会市民の判断の成熟も、真のブランドが育っているかのバロメータとなる。
学校のブランド戦略の一例

日経BPコンサルティングは2000年代から「大学ブランド・イメージ調査」を毎年実施している[4]

シンボルマークやイメージカラーを持つところもある[5]。大学と特定のスポーツメーカーが提携する例も出てきている(2011年にミズノ関西大学、2013年にアディダス ジャパン青山学院大学、2016年にアシックス早稲田大学、同年ドーム学校法人関東学院[6]、ミズノと梅村学園[7])。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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