ブラック・スワン_(映画)
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ブラック・スワン
Black Swan

監督ダーレン・アロノフスキー
脚本マーク・ヘイマン
アンドレス・ハインツ
ジョン・J・マクローリン
原案アンドレス・ハインツ
製作スコット・フランクリン
マイク・メダヴォイ
アーノルド・メッサー
ブライアン・オリヴァー
製作総指揮ジョン・アヴネット
ブラッド・フィッシャー
ピーター・フラックマン
アリ・ハンデル
ジェニファー・ロス
リック・シュウォーツ
タイラー・トンプソン
デヴィッド・スウェイツ
出演者ナタリー・ポートマン
ヴァンサン・カッセル
ミラ・クニス
音楽クリント・マンセル
撮影マシュー・リバティーク
編集アンドリュー・ワイスブラム
製作会社

フォックス・サーチライト・ピクチャーズ

クロス・クリーク・ピクチャーズ

プロトゾア・ピクチャーズ

フェニックス・ピクチャーズ

デューン・エンターテインメント

配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
20世紀フォックス
公開 2010年9月1日
第67回ヴェネツィア国際映画祭
2010年12月3日
2011年5月11日
上映時間108分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
イタリア語
フランス語
製作費$13,000,000[1]
興行収入 $106,954,678[1]
23.9億円[2]
$329,398,046[1]
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『ブラック・スワン』(原題:Black Swan)は、ダーレン・アロノフスキー監督による2010年アメリカサイコスリラー映画である。日本ではR15+指定作品として公開された。
概要

バレエ『白鳥の湖』の主演に抜擢され、潔白な白鳥と官能的な黒鳥の二つを演じることになったバレリーナが、プレッシャーにより徐々に精神が崩壊していく様を描いたサスペンス映画である。主演のバレリーナをナタリー・ポートマン、その振付師をヴァンサン・カッセル、ライバルのバレリーナをミラ・クニスが演じる。

撮影は基本的に16mmフィルムを使用。地下鉄のシークエンスではキヤノンのEOS 1D MarkIVとEOS 7Dが使われた。

批評面、興行面共に成功を収め、第83回アカデミー賞では作品賞を含む5部門で候補に挙がった。主演のナタリー・ポートマンは約10kgの減量で身体作りをした。また、幼少期の経験を活かし、1年に渡る過酷なバレエの特訓を行い[3]アカデミー主演女優賞を始めとする多くの賞を受賞した。しかし、ポートマンのダンス・シーンは後にボディダブル絡みの論争を巻き起こすこととなった。

ナタリーが演じるニナの練習着のデザインは、ドイツ在住の日本人ダンサー兼デザイナーの竹島由美子が担当した[4]

ナタリーは2010年12月に本作で共演したダンサー・振付師のバンジャマン・ミルピエ(英語版)と結婚する予定であることを発表。また、既に妊娠していることを明らかにした(正式な婚姻関係にないまま2011年6月14日出産。2012年8月に結婚した)。
ストーリー

娘盛りのニナ(ナタリー・ポートマン)は、ニューヨークのある一流バレエ団に所属し、バレリーナとして人生の全てをバレエに捧げる日々を送っている。一緒に住む母親エリカ(バーバラ・ハーシー)は元バレリーナで、今では絵画を描く日々を送っているが、自分が果たせなかったバレリーナとしてのをニナに託すステージママとなっており、彼女に対して過剰なほどの愛情を注いでいる。

ニナの所属するバレエ団は次の公演『白鳥の湖』の上演準備に入り、バレエ団のフランス人の演出家トマ(ヴァンサン・カッセル)はこの演目のプリマ主役)を選ぼうとしていた。『白鳥の湖』の主役「白鳥の女王」は、純真で無垢な「白鳥」と、官能的で邪悪な「黒鳥」の二役を一人で踊るため、相反する事柄を一人で表現する実力が必要である。トマは年を取ったプリマバレリーナのベス(ウィノナ・ライダー)を白鳥の女王役には用いず、新人のリリー(ミラ・クニス)やヴェロニカ(クセニア・ソロ(英語版))、そしてニナを候補者に挙げ、ニナにプリマとなる機会が巡って来る。

しかし、ニナの生真面目で几帳面な気性は白鳥役には向いていたが、黒鳥を表現し切れず、トマはヴェロニカを主役に選ぼうとする。ニナは再考を懇願しにトマの所へ行くと、トマに突然キスをされ、ニナは思わず彼のを噛んでしまう。ニナに意外な面があることに気付いたトマは考えを翻し、ニナを主役に抜擢する。バレエ団は次の公演の為に宴会を開き、トマはバレエ団のプリマ・バレリーナだったベスの引退を発表し、さらにその場でニナを新しいスターとして招待客に紹介した。

ニナは華々しいデビューを飾るが、ロビーでトマを待っていた所にベスが現れ、トマを性的に誘惑してプリマ・バレリーナの座を得たのだろうと詰られ、驚愕を受ける。その後、トマのアパートに招待された彼女は、黒鳥を演じる為に性的な喜びを追求することが必要だと忠告を受ける。

次の日から過酷な練習が始まるが、ニナは性的に魅了するような情熱に欠けているとトマに責められ、やがて精神的に疲れ幻覚妄想に悩まされるようになり、代役として控えているリリーが、自分がせっかく射止めた主役の座を奪おうとしているようにも思えてならなくなってくる。

ある夜、ニナは母親と諍いを起こし、リリーに誘われクラブへと飲みに出かける。酔った勢いでニナは麻薬を使い、男性と性行為に興じる。その後ニナとリリーはニナのアパートに帰ったが、また母親と言い争いになってしまう。ニナはリリーと二人だけで自分の部屋に閉じ篭り、リリーと性行為に耽り、やがて寝込んでしまう。翌朝ニナが目を覚ますと彼女は一人で、一緒にいるはずのリリーはどこにもいなかった。練習場に駆け付けて見ると、その練習はリリーが白鳥の女王役を踊る形で始まっていた。ニナはリリーに対して、なぜ起こしてくれなかったのかと怒りをぶちまけるが、リリーは昨晩はクラブで出会った男性と一夜を過ごしたと言う。アパートでの二人の出来事はニナの妄想であった。

ニナの幻覚や妄想は日増しに酷くなり、『白鳥の湖』の開演を翌日に控えた前夜、トマと舞台裏で性行為をしているリリーが徐々にニナ自身に変身して行くという幻覚症状に襲われる。帰宅後も母親が描いた数多くのが自分のことを嘲笑っているように見えてしまう。さらに自分の身体までも鵞鳥のように化かすと、遂にニナは気を失ってしまう。

いよいよ公演が始まる日の夕方ニナが目覚めると、体調を崩し舞台に出られないと劇場に連絡した、と母に告げられる。ニナは母を乱暴に振り切り、劇場へ向かう。劇場ではリリーが白鳥の女王を踊る準備を進めていた。ニナはそんな経緯を無視し、「代役は不要」とトマに告げると白鳥として踊る準備を整えた。

第一幕は順調に滑り出したかに見えたが、やがてニナは幻覚を見始め、仕舞いには王子役のバレエ・ダンサーがニナを受け損ない落としてしまう。すっかり憔悴して楽屋に戻ると、そこには黒鳥の化粧をしているリリーの姿があった。そして眼前でリリーがニナ自身の姿へと変容する幻覚を見ながら、彼女と揉み合いになり、割れた鏡の破片でリリーを刺殺してしまう。ニナはリリーの死体を隠し、第三幕を踊る為、黒鳥として舞台に登場した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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