ブラック・ジャック_(OVA)
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レスリーの体には、手術の痕跡が残されていたが、それは己が今まで見たことのない、芸術とも言えるべき素晴らしい技術によるものだった。レスリーから事情を聞いたBJは、治療した医者の捜索に協力することを条件に、彼の根本治療に取り組むことにした。夢に現われる女性の歌を頼りにやってきたのは、世界中に何億もある地名の中で唯一存在する地名、エルガニア共和国コロネラ郡サンメリーダ村。25年以上もの内戦の末、食料ですら未だ配給制という状況であるこの国の中でも、反政府組織の本部が存在した事から激戦地となり原住民はとある人物を除き皆死亡し、未だに戦争の痕を色濃く残すこの村。だが、未だ訪れたことのないこの村に着くやいなや、突然涙を流しながら懐かしむレスリー。
カルテVI:雪の夜ばなし、恋姫(完全オリジナルストーリー)
ぼろぼろの紙幣がたくさん詰まった小包がBJの元へ届く。その荷物の発送は2年前。同封されていた手紙には、明日をも知れない命…と書かれており、すぐさまピノコを連れて車へと乗り込むBJ。行き先は夜叉ヶ岳郡大字中里。目的地にはほど近い場所で、車が雪にはまってしまいその場に立ち往生。焦っても仕方がない…シートを倒し、しばし眠りへと入るBJ。……目覚めたBJが外を見ると、古びた寺が立っていた。吹雪はやみ、辺りは静けさに満ち、冷たい風が吹きすさんでいた。寺のにピノコを預け、再び降り出した吹雪の中を徒歩で進むBJ。そして現れたのは依頼主、種田。だがその姿たるや、まるで戦国時代を思わせる馬にまたがった甲冑姿。そして次々と現れる武将達。それらを太刀で一閃し、案内された屋敷では、着物をまとい妖艶な美しさを放つ女が横たわっていた。男の名は種田三郎左衛門、そして患者は池端家の姫君であった。現代ではあり得ないような光景を次々と目の当たりにする。
カルテVII:白い正義(原作:白い正義)
中東、アデンタール。砂漠に位置するこの村では、戦争によって受けたひどい貧困とキャンプによる生活を強いられていた。患者であるカレンを探し求め、砂漠を歩き続けるBJ。そこで一人の女と出会う。女の名はキャサリン、ボランティアで村へ向かう途中であった。数時間が経ち、村人の中で病人が発生したためにすぐに手術をするBJ。その患者こそ、BJが探し求めていた患者、カレンであった。だが、病気による患者はカレン一人だけではなく、その難民の多くが病気にかかっていた。それらを放っておけるはずが無く、カレンをスタンフィールド教授の下へと預け、BJは難民の治療を続ける。BJの見事な手技を目の当たりにしたスタンフィールドは役員会を開き、BJへの医師免許の発行に同意を求めた。集まった者達は皆賛成の意見を述べていたが、ひとり反対する者の姿が……。白拍子泰彦、東西大学病院の医師であり、キャサリンの婚約者であった。医療とは白衣に身をまとった正当な「医者」が行うことで、流れ者の「無免許医」が行なう事ではない…と頑なに異議を唱える。白と黒、相対する者同士は対立し、BJへの医師免許の発行が危ぶまれる。
カルテVIII:緑の想い(原作:木の芽、老人と木)
地方の学校で寮生活を送るアンドリュー、ロレンス兄弟。アンドリューはロレンスの体を見て驚愕した。なんと、彼の体からは沢山の木の芽が吹き出していたのだ。奇妙な症状を目の当たりにしたアンドリューはBJに治療を依頼するが、その原因は全く分からずにいた。同時に、兄弟の両親が住む村では、村の開発のために一本の大木が切り倒されようとしていた。それを頑なに阻止する一人の老人。この老人と木の関係とは…?そして、木に呼び寄せられるかのごとくロレンスとピノコが突然の失踪。アンドリューの両親の協力の下、必死の捜索の末に居場所をつかみ、すぐさまロレンスをオペ室へと運び入れた。術着をまとい、準備を進めるBJにピノコが涙を流しながらぽつんと語りかける。私にも木の芽が生えたの。
カルテIX:人面瘡(原作:人面瘡)
銀行エレクトロニクスなどを取り扱う総合商社・都築財閥。患者は現社長である都築耕一郎。幼い頃から悩まされ続け、苦しんできた病。この病気をすがる思いでBJに打ち明けた。患者の腹部には巨大な「顔のようなできもの」が出来ており、名を『人面瘡(じんめんそう)』と呼ばれる病気であった。幼い頃に小さなできものから始まり、やがて顔のような形となり、ついには己に声で語りかけてくる始末。用意されていた設備をフルに活用し、研究に没頭するBJ。だが、深夜に都築が突然の失踪。執事の種田とピノコを連れて捜索へと向かうが、足取りは一向につかめなかった。その頃、街ではある事件が警察を騒がせていた。同じ手口、同じ凶器で犯行を繰り返す殺人事件であるが、同一犯の犯行とは思えないただ一つの奇妙な謎が存在した。捜査にはBJとも親交の深い高杉警部もあたっていた。奇妙な事件と奇妙な病気。高杉とBJは共に頭を悩ませていた。失踪した都築のことを執事の種田から聞いたBJは、精神的なものが作用していると悟った。雨の中一人で捜索を始めるBJ。家出少女のマリコと出会い、案内されてみるとダンボールハウスの中には一人の赤い髪の女が掌から血を流して座っていた。治療を開始しようと彼女の掌を開いた瞬間、あったのは「顔のようなできもの」であった…。驚愕するBJの手を振り解き、逃亡を試みる女。「解離性同一性障害(かいりせいどういつせいしょうがい)」、疑いつつもBJの頭によぎる。すぐさま引き返し、都築邸へと向かう。施錠された耕一郎の寝室、そして中にいたのは赤い髪の女であった。「人面瘡」と「解離性同一性障害」、そして耕一郎に秘められた過去とは。
カルテX:しずむ女(原作:しずむ女)
豊かな漁場として知られる、三ヶ月湾。その湾へと流れ込む満月川に誘致された工場群から、不適切に管理された廃液が流れ出し、湾が汚染された。汚染されたことを知らずに人々はその湾で捕れた魚を食べ続け、そして蔓延した公害病、「三ヶ月病」。手足の関節にさまざまな異常が起き、変形あるいは変質を起こす症状だ。政府によって医師団が結成され、リーダーのフォックス医師によってBJにもオファーがかかる。三ヶ月市―その街はある伝説で知られていた。そして市から人里離れた山にある民宿・満月館。そこで魚を売り歩く不思議な少女、月子と出会うが、彼女もまた足を「三ヶ月病」に侵されていた。彼女を気にかけるBJ、彼に何らかの感情を抱いてしまう月子。やがて、月子とBJとの関係は深くなり、治療を試みようとするが、戸籍のない彼女には市からの救済措置がとれないことを知る。どうにかして月子を助けたいBJ。だが彼が奔走する最中にも、月子の体は「三ヶ月病」の魔の手に蝕まれていく。そして、伝説の顛末を知り驚愕するBJ。
カルテXI:おとずれた想い出(原作:奇形嚢腫、おとずれた思い出)
ある雨の降る夜に、ピノコが発作を起こして倒れてしまった。ピノコは数日で退院したものの、その後も同じ発作を繰り返していた。発作の原因を突き止めようとするBJの許に、高尾と名乗る青年が治療の依頼に訪れる。ピノコの治療に専念したいBJは依頼を断るが、患者の名前を聞いたBJは一転して依頼を引き受けた。患者の名前は西園寺ゆりえ。かつて奇形嚢腫を患っていた女性であり、ピノコの双子の姉に当たる人物だった。BJはピノコとゆりえの症状には関連性があると見て治療を引き受けたが、一向に治療の糸口さえ見出せなかった。ある日、BJは西園寺家に縁のある神社を訪れ、西園寺家にまつわる伝説を聞く。その伝説は、西園寺家に生まれる双子の片割れは、皆数年で死んでしまうというものだった。その話を聞いた直後、ゆりえが病室からいなくなってしまう。
カルテXII:美しき報復者(原作:アナフィラキシー)
日本へ向かう飛行機に搭乗していたBJは、機内で突然倒れた女性に出くわし、治療に当たるため女性と共に飛行機を降り病院に向かった。しかし、その女性は独裁国家・アンリョン国の女工作員Lであり、BJはアンリョン国に拉致されてしまう。アンリョン国に連れて来られたBJは、アンリョン国の支配者であるチェ・ヒョク将軍の手術を依頼される。将軍は脳腫瘍を患っていたが、麻酔に対するアナフィラキーショックのため、誰も手術を行えない状態だった。治療を引き受けたBJだったが、将軍の後継者の座を狙う将軍の長男・テビョン大将によって暗殺されそうになる。護衛の任に就いていたLによって危機を回避したBJは、Lと共にテビョンの追手から逃れ、負傷したLの治療に当たる。その際、BJはLが将軍の暗殺を狙っていることを聞かされる。その頃、アンリョン国では将軍の次男・ジョンギの率いる反政府組織ファンロンとテビョンの軍隊が内戦を引き起こしていた。Lの治療を終えたBJは混乱状態にある首都に向かい、将軍の手術を開始する。
登場人物

「種田三郎左右衛門」(KARTE6)、「種田(執事)」(KARTE9)、「種田(おいだ)」(KARTE10)に関しては全て別人の設定になっている。
メインキャラクター
ブラックジャック


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