ブラック・エンジェルズ
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自転車[注釈 4]のスポークがメインの武器で、悪人の頭頂部、首筋に刺すことで絶命させる。「秘灸暗剣殺」「円空暗剣殺」と名付けた必殺技を使うことがある。連載当初は、普段は眼鏡を掛けた気の弱い青年が、外道の前では一変、冷徹な闇の暗殺者に変わるという、表と裏2つの顔で表現されていた[注釈 5]。ただし、戦いが激しくなるにつれて裏の顔でも外道に怒りを燃やしたり、仲間の死に慟哭するなど、感情を顕にすることも多くなっていった。職歴は多彩で、ラーメン屋や銭湯などの住み込み店員や、レストランや喫茶店のウエイター、学校の用務員、靴磨きなどをして食いつないでいる[注釈 6]。両親を交通事故で失っており、姉と共におじ夫婦の家で暮らしていたが、強盗におじ夫婦を殺され、罪をなすり付けられ逮捕された姉も警察の過酷な取り調べに耐えかねて自殺した、という過去を持つ。後にこの事件の真犯人を自らの手で裁いたことで、ブラックエンジェルとなる。胸の十字の傷はこの時に付いたもの。武器はスポークの他にも、靴(コンバース オールスター)に仕込んだ剣、ワイヤー、自転車のサドルに仕込んだ吹き矢、自転車の車輪に仕込んだ刃(車輪ごと投げつける)、自転車のハンドルに仕込んだワイヤーなどがある。なお、自転車には隠し武器以外にもかなりの改造が加えられている模様。関東壊滅後、一時期だけ銃を所持していた。身体能力は高く、自転車で90km/h以上出すこともできる[注釈 7]。さらにその状態から急停止し、高速でバックするという曲芸も見せたことがある。バイクの運転も得意。跳躍力や反射神経は超人レベルである。また「心を無にする」ことで、刀の上に立つ(相手は重さを感じない。後に空中浮遊能力:レビテーションと判明)、催眠術にかからない、摂氏100度の熱泉を浴びても火傷をしない、心を読まれないなど、ある種の超能力を持っている(ただし作品中盤から後半になって突然身につけたものであり、序盤にはそのような描写は一切ない)。「心を無にする」力は、殺しを行う悲しみから逃避するために無意識に身につけたものとされている。勇気との最終決戦にて、ブラックエンジェルたちの十字架を全て引き受け、唯一にして本物の「黒い天使」と化し、人ではない存在となる。勇気を亜空間まで追い詰めて抹殺し、戦いに終止符を打った後に塵となって消えていった。その場にはスポークだけが残され、最終的な生死は明言されなかったが、後発作にて生存が判明し、以降もブラックエンジェルとして外道を地獄に落とし続けることとなる。決め台詞「地獄へ落ちろ!!」はブラックエンジェルを象徴する名台詞となっている(この決め台詞は、雪藤以外にも松田・水鵬・牙が使用している)。『マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ』でも主人公の一人を務める。本作の後、しばらくは自転車で世界を旅しつつ外道と戦っていたが、風俗嬢のナミにパンを貰ったのをきっかけに彼女の元へ身を寄せて以降、ヒモ同然の生活を送りながらもブラックエンジェルとして外道を狩り続けている。それまでと異なり、必ずしも悪党を殺すとは限らず、二度と悪事を行えないような重傷を負わせる程度に留めたり警察に突き出す場合も見受けられるようになった。目立った超能力は使えなくなっているが、『マーダーライセンス牙』の主人公・木葉優児とは数々の戦いで共闘し、雪藤の「無」と木場の「空」を合体させた最強の連携攻撃「絶対空」を編み出す。また、スポークが使えない際の対処法として、鍛錬した手の指で相手を刺し貫く技・指剣を習得している。『外道坊&マーダーライセンス牙』やスピンオフ作品『ザ・松田』では再び自転車で各地を回っている。『ザ・松田』では回ごとに出前持ちやレンタルビデオ店などでアルバイトをしているが、ブラックエンジェルとしての活動はしている。設定に多少前後する点が見られ、雪藤は松田から煙たがられており、知り合った当初のような関係になっている。同作では直接戦うよりも松田のサポート役に回る場合が多いが、平気で人命を奪うような外道に対してはこれまで同様に暗殺者に徹している。読み切り作品『ブラック・エンジェルズ 雪藤ですが...何か!?』では久しぶりに主人公を務めている。
松田鏡二(まつだ きょうじ)
初登場時は刑事(その話中で懲戒免職)、その後は主に飯場の作業員や港湾労働などの肉体労働で生計を立てている。初めは元刑事のプライドから、雪藤の行為を私的制裁として「人殺し野郎」と詰り反発していたが、轢き逃げを金の力で揉み消そうとした財閥の御曹司の外道ぶりに「法で裁けない悪」の存在を実感し、怒りを爆発させてこれを殺害。ブラックエンジェルとなる。後の竜牙会との戦いであばら骨を断たれるほどの強烈な手刀を受けた際に胸に十字の傷が刻まれる。空手を取り入れた自己流の喧嘩殺法で戦う(ちなみに刑事時代に同僚から「お前の空手は凶器だ」とまで言われたことがある)。手錠を素手で引き千切り、ゾウに踏まれても押し返し、無反動砲の砲弾を素手で受け止めるという恐るべき腕力を誇り、その手刀は頭蓋骨を割り、貫手は人体を貫くほどの威力がある。加えて超人的なタフネスの持ち主であり、筋肉は数十発の銃弾が命中しても貫通できず運動能力もほとんど衰えない。巨大ブーメラン(元々は不動王の武器)や愛車のバイク(HONDA CBX)、アメフト風のプロテクターなども駆使して竜牙会の名立たる殺し屋を倒していく。最期は竜牙会との戦いの中、背後よりマシンガンで頭部を撃ち抜かれる。雪藤が発見した頃には、恋人に贈るために手折った花を握り、立ったまま絶命していた。後に霊体として牙に乗り移り、彼に超常的な力を与えるも、最後は「俺はそろそろ眠らせてもらう。麗羅や水鵬が待ってるんでな」という言葉を残して消えていった。雪藤以外のメンバー中でただ一人『マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ』にも登場。頭を撃ち抜かれたり霊体化していたにも拘らず生存が判明し、再び雪藤の前に姿を現す。それまでは世界を回りつつ用心棒や地下闘技場で生計を立てていた。前述の頭を撃ち抜かれた場面は雪藤の回想で登場しており、死んだものと思っていた雪藤に当然そのことを訊ねられたが、「いンだよ 細けえことは」の一言で有耶無耶にしてしまった。ただし額に銃創が残っていることから、頭を撃たれたこと自体は事実として存在する模様。以降は主人公の一人のような位置付けとなり、松田が中心となるエピソードが多数登場し、終盤で国会議事堂に突撃するジャンボジェット機を素手で止めるという以前に輪をかけた超人技を披露したり、最終決戦で敵にトドメを刺す役も務めている。またこの時、松田の身長が192cm、体重は112kgであることが判明している。なお、松田のセリフがネット流行語大賞2009で4位にノミネートされた「こまけぇことはいいんだよ!」の元ネタであると指摘する説がある[4]。『牙&ブラック』の後日談でもあるスピンオフ作品『ザ・松田 ブラックエンジェルズ』では主人公となり、タイトル通り「ザ・松田」を名乗るようになる。『牙&ブラック』同様、額に銃痕傷が残っており、死因となった細かい弾丸を嫌うセルフパロディ的な描写が見られる。雪藤と同じく、回ごとにAV男優やキャバクラの用心棒など異なる仕事をしているが、それが原因となって事件に巻き込まれる。ショットガンの弾を手で払いのける、曲がった東京タワーを直す、蹴りの風圧で放射線濃度を下げるなど、人間離れしたアクションに拍車がかかっている。『牙&ブラック』で生還した時の「いンだよ 細けえことは」の台詞は口癖となっており、事あるごとに口にしている。劇中でのキメ台詞は「この外道が!!」「この外道○○め!!」など、何かと「外道(もしくは「ド外道」)」がつくものになっている。行動の破天荒さとは裏腹に作中では悪漢を殺害することが減って、被害者の前で痛めつけるだけと描写が軟化している。三国の代理戦争で麗羅と水鵬に勝利した後は富士の樹海へと消えて行くが、単行本最終巻で描き下ろされたラストシーンではその戦いの傷が原因で再び死亡したかのような演出で完結している。しかし、直接の続編『ザ・松田 超人最強伝説』では「とても人間の物とは思えない生命力」で二度目の復活を果たし、生身での大気圏再突入を果たすなどさらにパワーアップし、外道たちと戦い続けている。好物は「米屋(よねや)の水羊羹」。苦手なものはヘビ。作者が葛飾区に在住していることから、2018年11月20日には同区の生活情報ガイドブック『わたしの便利帳』(2018-2021年度版 保存版)の表紙を松田が飾っている[5]
麗羅(れいら)
元竜牙会の殺し屋。ナイフ使いの達人で「黒水仙」の異名を持っていた。決め台詞は「恨みはらします」。初登場時はヌードや生脚を披露するなどのお色気シーンがあった。殺し技は悪人の額、首筋、急所にナイフを投げて絶命させる。幼い頃に両親に捨てられ、入った孤児院が竜牙会の末端組織だったため、殺し屋として生きることとなる。自分を捨てた母親を目の前で殺されたために竜牙会を裏切り、その逃亡中に雪藤と松田に助けられる。当初は別行動を取るつもりだったが、地上げの邪魔になるということで放火された孤児院から子供たちを助けようとした松田に心を動かされ、仲間に加わる。後に松田と恋人同士となるが、同じ竜牙会のメンバーであった水鵬にも特別な感情を持ち続けた。普段はクラブで歌手活動などをして生活している様子が描かれ、逃亡中も通名の麗羅のまま活動している。美貌と歌声の良さも相まって評判は悪くなく、芸能事務所にスカウトされたこともある(ただし、とんでもない犯罪芸能事務所だった)。竜牙会を抜けてからはブラックエンジェルに加わるまで自主的に悪党を始末する殺し屋をやっていた。報酬単位は「死(4)」、つまり400円(しひゃく)や40000円(しまんえん)など、頭に4の付く金額であれば多寡を問わず引き受ける。竜牙会との戦いの中、松田の子を身篭るが、松田の帰りを待つ途中、卑弥子の毒蛾により殺される。2人の標的に対して同時に2本のナイフを投げ、頸部を難無く貫通させるほどの技量の持ち主だが、後半に登場するより強力な竜牙会の殺し屋に対してはほとんど通じなかった。『ザ・松田』では終盤に生存が判明(本人曰く「蘇った」)。三国の領土問題の代理戦争にてC国(連載初期は伏せずに中国と明記されている)代表として松田と戦う事になる。松田、水鵬への態度も極めてドライになっており、ナイフ投げの技も超人化した松田すら一度は追い詰めるほどに卓越していた。松田の子供は一度死亡した際に失ったらしく、松田と恋人だった事もブラックエンジェルだった事も「蘇ったと同時に吹っ切った事」と言い放つ。しかしその際に大粒の涙を流しており、松田にも吹っ切れていない事を指摘され、最後は静かに場外へと殴り飛ばされた。
水鵬(すいほう)
元竜牙会の殺し屋。竜牙会を裏切った麗羅を抹殺する命を受けていたが、麗羅を想う気持ちを捨てきれずに逆に竜牙会を裏切る。斬血鬼との戦いで左腕を切断されるが、後にマシンガン付きの特殊合金製義手を装着して再登場する。さらにこの義手は時限爆弾も内蔵しており、身体から離断後20秒で爆発する仕組みになっている。義手の入手経路は不明。普段は単独行動を好むが、いざと言う時に現れ、かつ敵に追い詰められると常に自分の身を盾にして麗羅や雪藤たちを守る。麗羅が松田と付き合うようになってからは自ら身を引き、妹に対するような接し方をするようになった。初登場時は若々しい顔つきだったが、途中からあごに無精髭を生やし頬がこけた老け顔になる。暗殺組織での地獄の特訓により、長時間水中に潜伏しても平気で、暗闇の中でも目が利くように仕込まれた。水を使って標的を窒息死させるのが、主な暗殺の手口。自身の血液も操れるが、使用したのは一度きり。かつて麗羅にナイフ投げを教わっており、ナイフやガラス片を武器として用いることもある。最大の必殺技は水を操り、渦巻きを発生させてその水流を刃と化す「水流死道波」。左腕を失うまで専らこれと水を操る能力とで殺しをしていた。他の技に、自分の体の水分と周囲の水を使って霧を発生させる「水流霧幻塵」もある。「水流夢幻塵」を使った後、単独でブラック・サタン(自衛隊が開発した特殊ヘリコプター)に乗り込み墜落させるが、その際に水鵬も死亡。その死に様には、水鵬の首を持って現れた松田に涙を流させたほど。第二部では霊体化して飛鳥に憑依し、水を操る力を与えた。首しか残らなかったり、霊体化していたにも関わらず『ザ・松田』にて生存(復活)が判明する。しかし身体は蘇っても左腕は戻らなかった。終盤、K国代表として代理戦争に参加。水を操る能力は、自分の意思で大雨を降らせるほどにまで高まっており、松田をも一度は追い詰めたものの、最終的には麗羅と共に敗北する。麗羅と違って過去は捨てられず、麗羅と松田が戦う事にも納得が行かなかった模様で、また自分自身も麗羅と戦う気は無かった。
ジュディ
傭兵のアメリカ人・ジャクソンと日本人・美恵子の間に生まれたハーフの少女。当初は高校生だった。戦闘時は迷彩服に着替える(作品終盤ではレオタード風の衣装に変わる)。父の戦死後、その罪を償うべく修道尼となった母と共に日本に引っ越していたが、その母が街の人々をヤクザから守ろうとして殺された事から、独自にヤクザたちを暗殺していた所を雪藤と出会う。
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