ブラザーズ・グリム
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ギリアムによると、マット・デイモンはこの映画のためにタンゴのレッスンを受けたという。

2004年6月、セットで問題が発生したため、ギリアムはこの映画の制作を半年間中断することにした。ギリアムはその期間に『ローズ・イン・タイドランド』を撮影し、2005年1月に再開した。

この映画で最も費用の掛かったシーンはカットされている。理由は、そのシーンが映画の早い段階に登場するのでそれ以降のシーンがすべて色褪せてしまうため。ギリアムは、そのシーンをDVDの特典映像に入れると述べた。

「手の森」の場面はギリアムが25年間暖めていたアイディアである。もともとは『バンデットQ』(1981年)のために考えられたシーンで、『未来世紀ブラジル』(1985年)でも入れることが検討された。

マット・デイモンとヒース・レジャーは、もともとは逆にキャスティングされていたが、申し立てをして役を取り替えた。

全米脚本家組合に関連する問題のせいで、ギリアムとトニー・グリソーニは、アーレン・クルーガーによる脚本に多くの変更を加えたにもかかわらずクレジットに名前を出すことができなかった。ギリアムとグリソーニは自分たちのクレジットとして「ドレス・パターン・メーカー」というものを考え出し、この映画は「脚本」からではなく「ドレス・パターン(型紙)」から作られたと述べたという。

拷問部屋のシーンで、胴体を吊り下げられたマット・デイモンは、肋骨が縄で圧迫されて呼吸ができなくなるため、その状態では1分半ほどしか耐えることができなかった。

マット・デイモンとヒース・レジャーは、映画では年の近い兄弟を演じているが、実際には9つの年齢差がある。

アメリカでPG-13にレイティングされた最初のギリアム監督作品である。他の作品はPGまたはRにレイティングされている。

ギリアムの長女がアシスタントとして、長男がワンシーンに出演という形で参加している。

おとぎ話との関連

この映画ではおとぎ話(ほとんどはグリム童話)からの引用が多く見られるが、実際の話とは多少異なっている。

ジェイクは牛と引き替えに豆を手に入れる(『ジャックと豆の木』)。

鏡の女王は、『白雪姫』(邪悪な女王と魔法の鏡)、『エンドウ豆の上に寝たお姫さま』(積み重ねた敷き布団の上に寝る)、『ラプンツェル』(入り口の無い塔に住み、髪の毛が長い)が組み合わされている。

『赤ずきん』の英雄的な狩人は、映画では邪悪な家来と狼男になっている(悪い狼)。

『ジンジャーブレッド・マン』は、映画では泥の化け物である。

『ジャックと豆の木』のジャックは、兄弟の名前に合わせてジェイクに変えられている。

ヘンゼルとグレーテルは自分たちを「ハンス」、「グレータ」と呼ぶ。

悪魔に取り憑かれた馬を見た少女は、『赤ずきん』が狼を見たときと同じように「なんて大きな耳なの。なんて大きな目なの…」と言う。

いけにえの少女たちは、眠りに落ちるときに指に針を刺される(『眠れる森の美女』)。

いけにえの少女たちの足には、魔法によってガラスの靴が履かせられる(『シンデレラ』)。

狂った老婆は兄弟に赤いリンゴを与えようとする(『白雪姫』)。

カエルにキスをする(『かえるの王さま』)。

酔っぱらったジェイクが、ノームの名前を当てなければならなくなったときの話をする(『ルンペルシュティルツヒェン』)。

キスによって魔法が解け目覚める(『白雪姫』)。

ほかにも次のような引用が見られる。

鏡の女王の物語は、「流血の伯爵夫人」と呼ばれたバートリ・エルジェーベトの伝説を彷彿とさせる。

指輪が水の中に投げ入れられると水が凍るシーンは、映画『レジェンド/光と闇の伝説』の1シーンとよく似ている。

少女が靴を打ち合わせるのは『オズの魔法使い』のドロシーのそれと同じである。

作品の評価

Rotten Tomatoesによれば、182件の評論のうち高評価は38%にあたる69件で、平均点は10点満点中5.3点、批評家の一致した見解は「『ブラザーズ・グリム』は美しい映像に満ちているが、ストーリーは不自然でぎこちなく、魅惑的とは言い難い。」となっている[4]Metacriticによれば、36件の評論のうち、高評価は13件、賛否混在は18件、低評価は5件で、平均点は100点満点中51点となっている[5]
出典^ a b “The Brothers Grimm” (英語). Box Office Mojo. 2022年4月27日閲覧。
^2005年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟


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