ブッダ_(漫画)
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ブッダ
本名:ゴータマ・シッダルタ(正確にはガウタマ・シッダールタ、またはゴータマ・シッダッタ)。劇場アニメとミュージカル版ではシッダールタ。コーサラ国の属国、カピラヴァストウのシャカ族の王子としてクシャトリヤの最高位(王族)の身分に生まれる。幼い頃から体が弱く、同じ人間に“身分”があることを気にかけていた。「人はなぜ生きて死ぬのか」という疑問を持ち、息子が生まれた日に僧(サモン)としての道を歩むようになる。悟りを開いてからも悩み苦しむ弱い一求道者としての姿が強く描かれる。なお、この作品は『ブッダ』というタイトルだが、本人は第一部第7章以降の登場となる。悟りを開いた後は、特殊な能力を開花させ、積極的には使わないが、ウルヴェーラ・カッサパに試された時は、念じることで薪を割ってみせた(その際、地の文で『PKを持っている』と表記された)。
ブラフマン
老人の姿をしており、ブッダに僧となり悟りを開くことへの教えを説いた神。また、悟りを開いたシッダルタの額に「聖なる印」(白毫)をつけ、「ブッダ」を名乗るよう命じた。悟った後もブッダの師として導いていくような描写がなされている。
タッタ
架空の人物。自称ブッダの一番弟子。出家はしていない。バリア(カースト以下の身分・不可触賎民)出身。学がなく粗暴だが、義理人情に厚い。シッダルタ王子に外の世界を教えた。幼い頃に家族や自分より年上で兄貴分の親友であるチャプラと第二の母のような存在であったチャプラの母までも殺され、コーサラ国を憎んでいる。シッダルタ登場前はほぼ主人公級の活躍を見せる。幼少時は特殊な力をもち、精神を動物に乗り移らせることができたが、成長するにつれて自分を自然と一体のものとみなすことができなくなり力を失う。盗賊団の首領となっていたが、出家したシッダルタと再会して団を解散。その後、ダイバダッタの仲介でマガダ国に仕官し、暴れ象を退治してアジャセ王子を救う功績を挙げることでマガダ国の軍人となった。ブッダとの約束を守りきれず、シャカ族の復讐戦に参加しコーサラ軍と戦い死亡。ブッダにとっては少年時代から深い友情を育んできたタッタが自身の教えを受けたにも関わらずに、コーサラの復讐心を優先して死んでしまった事は衝撃的な出来事であり、彼の亡骸の側で「自分の教えは無意味だったのでは」と泣き崩れてしまった。シッダルタに世界を教えたのは、下層身分の悲惨な境遇を知らせた上で彼が王になった暁には政治を変えさせることを考えており、同時にコーサラ王国に対する憎しみを植え付けて、クシャトリア階級での争いを引き起こす事も目算していた。そのため、当初は盗賊団解散と引き換えにシッダルタがサモンを辞め、カピラヴァストウに帰還することを望み、10年経ったら国に帰ることを条件に要求を引き受けた。しかし、後にシッダルタにはそれ以上の使命があると感じて、自分から条件を反故にし、彼に修行を続けるように伝えた。
デーパ
架空の人物。ブッダの弟子。コーサラ国のクシャトリヤ出身のサモン。シッダルタの先輩僧として初期より行動を共にする。苦行に迷いがないことを証明するために左目を焼き、失っている。シッダルタが苦行をやめようとしたり、タッタら不可触民と交流・治療をすることなどの意見の相違から一方的に敵対する。そして苦行林での修行者同士の内乱の際には心底あきれ果てたシッダルタが味方に付かず無干渉・中立を貫いたことが直接の原因で一時完全に関係が断絶し、シッダルタがスジャータを通じた神秘的な出来事があった直後にカピラヴァストウが滅亡した情報を嫌味と嘲りを持って伝え、彼から「悪魔」と罵られたこともあった。その後サールナートでブッダとなったシッダルタと再会、敵対状態は変わらなかったが、コーサラ国マガダ国の戦争に巻き込まれ死にかけた際に、ブッダに命を救われた事をきっかけに和解、彼の弟子となる。弟子入り以降は以前の高慢な性格や態度は完全に影を潜め、ブッダの最も古い友人・理解者として最後まで支え続けた。また、ことあるごとに「ブッダへ恩返しをしたい」と発言していた。ブッダの死の直前には「とうとう何も出来なかった」と泣きながら後悔しているものの、殺されかけ瀕死状態のブッダの命を取り留めようと治療に努めたり、ダイバダッタの反乱をいち早く伝えるなど、実際には要所要所で大きく貢献している。最終話でブッダが最後の旅に出る際は同行せず、残された竹林精舎の弟子たちの指導を任された(ただし、同話内後半では同行し、ブッダ入滅に立ち会っている姿が描かれている)。以前はナラダッタの弟子だった。
五比丘
ブッダの弟子達。元はマガダ国ウルベーラの苦行林にて修行中の行者達で、王子時代にシッダルタの聡明ぶりを認め、同行を促したことがある[注 2]。作中ではシッダルタを試そうとした際に催眠術を駆使している。コーンダンニャ、バッディヤ、バッパ、マハーナーマ、ジャーヌッソーニの五人組[注 3]。出家したシッダルタと苦行林で再会して歓迎するも、やがてシッダルタが苦行林に失望して立ち去ったことで関係が途絶する。その後、サールナートでブッダとなったシッダルタの教えを受け、弟子となった。シッダルタと苦行林で再会する前に一人が苦行中の心臓麻痺で早世しており、サールナートにおいてはデーパを加えた五人でブッダの最初の弟子となったため、デーパが事実上の五比丘のメンバーとなっている。
アナンダ
ブッダの弟子。ダイバダッタの異父弟。元は名を馳せた大泥棒の殺人鬼。その実態はマーラー(悪魔)の洗礼を受けた子。その為に改心前は不思議な能力があった。幼少時に兄ダイバダッタと生き別れ、コーサラ国によるカピラヴァストウ侵攻からの逃亡生活中に両親とも死別する中、マーラーに見出されて悪事を重ねる少年青年時代をおくるも、ブッダに会って改心した。出家後、過去の行いの報いとして、受けた迫害に耐え切る[注 4]。後にはブッダの世話役となる。ブッダが最も頼った人物。シャカ族だがカピラヴァストウ滅亡時幼すぎて記憶がないためか、シャカ族である自認をしていないかのようなエピソードが多い。異父兄のダイバダッタについても赤子の時に共に暮らしていたものの、再会以降最後まで兄とは知らなかった。
ダイバダッタ
ブッダの弟子。元カピラヴァストウ国王であるバンダカの息子。またアナンダの異父兄にあたる。容貌が美しい。幼少期に野掛けをしていた際に遭難し、飲み水を奪い合って級友達を殺したためカピラヴァストウから追放される。この頃、畜生道に落とされたナラダッタと出会ったことがあり、彼を真似て狼少年のようにふるまいながら過ごす日々の中で弱肉強食の思想を覚えていく。人間の世界を嫌いナラダッタと共に暮らしたがっていたが、紆余曲折をへて狼の真似を止めて自らの意思で人間の世界に戻り、その後マガダ国に流れ着きアジャセ王子に仕える。こうした生い立ちのため、上昇志向が強く、目的の為には手段を選ばない性格に育つ。ブッダに出会い、当初はその人柄に心酔し、出家した後は教団の後継者を自負していたが、「後継者はサーリプッタとモッガラーナだ」とブッダ自ら宣言し、自身を後継者にとの直談判を激昂を持って拒絶されてしまった事を境に、一転してブッダを憎むようになる。アジャセを後ろ盾にブッダに反旗を翻し、教団の乗っ取りとブッダの殺害を企てるがことごとく失敗、最後は毒の爪で殺害を企てるが、不注意から負った傷口から毒が入り阿鼻叫喚の苦しみの中で絶命する。死に際、ブッダに対して「あんたになりたくてなれなかった。だから憎かった」と吐露した。幼少時は実母・継父(アナンダの実父)・異父弟アナンダと共に暮らしており、既に物心もついている年齢であったが、再会したアナンダを異父弟だとは気が付かなかった。アジャセの聡明さを幼少期より見込み、取り入る一方でアッサジの予言により王宮内で一種の孤立状態だったアジャセに献身的に仕えた事から、兄の様な親愛を寄せられ、それによりアジャセが明るさを得ていった事をビンビサーラ王からも王子の相談役として高く評価されていた。皮肉にもこのことも予言成就へと繋がっていくことになる。
ウルヴェーラ・カッサパ
ブッダの弟子。元は火を使う事火外道で、1000人の弟子を持つ仙人だったが、ブッダの教えで改心。ナディー・カッサパガヤー・カッサパの弟2人も共に出家。カッサパ兄弟の弟子入りにより仏教団は一気に1000人を超す大教団になる。作中での彼の主催する拝火教は超自然的・宗教的なものではなく科学のようなものとして説明され、ブッダに帰依する前は弟らと共に科学至上主義者として描かれた。マーラの襲撃に際しても火炎にはため池の水位差を利用した噴水で、大量の毒蛇にはあらかじめ飼育していた蛇食いイタチを放つなど天敵を以て対抗した(ただし、マーラの洗礼を受けたアナンダの念力を受け止めて平然としているなど、只ならぬ能力も会得している)。
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